5年ほど前の春に佐賀県の武雄温泉にある御船山楽園(回遊式和風庭園であり、それを自ら”楽園”と名乗るところに自負と自信が感じられる)を訪れたことがある。庭園の中の旅館に泊まり、早朝散歩をすると前夜来の雨が梢に残っていて幽玄な雰囲気を醸し出していた。ここは紅葉が有名であるが、ここの紅葉はカエデ科のオオモミジ。紅葉というと秋に葉が赤くなる落葉樹全般を指すから、それだけでは木を特定できない。北海道では、バラ科のななかまどが秋に鮮やかな紅葉を楽しませてくれる。カナダの国旗にあり、また、カナダそのものの象徴でもあるメープルリーフはカエデの葉。メープルシロップはサトウカエデの樹液を濃縮したものである。
御船山楽園からのオオモミジが鉢植えで1.5メートルくらいに成長した。新芽はなかなかの生命力を感じさせる。