回顧と展望

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飛行機恐怖症

2021年08月12日 16時03分57秒 | 日記

いつのころからか、自分は高所恐怖症になってしまい、すこし高いところや狭い足場の所では足がすくむようになった。そうなるとバランスを崩してすぐにもころげ落ちそうに感じる。それが飛行機に乗るとどういう訳か恐怖を感じない。飛行機は決して落ちないと盲信でもしているかのようだ。飛行機恐怖症という言葉があるが自分には当てはまらないと思う。

1985年8月12日にJAL機が墜落した時のことはよく覚えている。当時、ロンドンに駐在していて、その10日後にJAL便で日本に飛ぶことになっていたからだ。墜落直後、B747ジャンボ機に何か問題があるのではないかということで一旦、全機が飛行停止になった。当時、JALの東京ーロンドン間はジャンボ機しか使用していなかったから、いつになったら帰国できるのかがわからなくなった。しかし、実際には運航停止はごく短期間で終わり、予定通りに帰国できた。もっともその時はまだ墜落原因が最終的に確定していなかったので、この飛行機に乗る不安がないではなかったが。

しかし、当時の日本はバブル前夜というかとにかく何事にも活気にあふれていて、奔流のように人が動いていた。だから少々のことでその流れを止めることなど到底できるものではなかった。その熱気、夏がもう過ぎてしまったかのような涼しいロンドンから、猛烈な湿気と強烈な太陽が照り付ける成田に降り立った時の印象は自分の周りの環境が一挙に大きく変わったと感じさせるのに十分だった。

あれから36年経ったと言われてもはっきりとした実感は湧いてこない。遥か昔の事のようにも思えるし、あるいはそんなに長い時間が経ったとは思えないところもある。ただ、この年に生まれた人が今や36歳になり、世の中では中堅として活躍していることを考えればその長さが少しは分かるような気がする。

これま数えきれないほど飛行機に乗ってきた。たいていの場合、ほかのことに気を取られて、飛行機が墜落することなどに思いがいかなくなっている。それは、自分はコロナなどにはかからない、と思っている人の心理に似ているのかもしれない。そういう安全神話に疑問も持たなかった自分だが、ある時知り合いの女性と海外旅行の話をしたところ、自分は飛行機に乗るのが怖いので海外旅行には一度も行ったことがない、ということを聞かされて目が覚めたような気がした。そういわれてみればはるか空高く飛ぶ飛行機での旅行は確かに怖い。地上の事故なら頑張ればあるいは何とか生き残れる可能性もあるだろうが、飛行機の場合いったん事故が起きたら自分では何もできない。

コロナで渡航制限がかかり、飛行機を利用することもずいぶん減ったようだ。おかげで空気もきれいになった。しかしコロナが終息したらそんなことは忘れて(考えないようにして)自分は又飛行機に乗るのだろうナ。

コメント (4)
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