たまたま所用で車を運転していたら普段はそれほど混まない右折車線に長蛇の列でが出来ていた。直進するので左の車線を走っていたらしばらく先の交差点が大きな公営墓地の入り口に続くことが判り納得。やはりお盆の中日の今日も墓参りをする人が多いのだろう。
また今日は終戦の日でもある。台風のせいでトップニュースにはならないが、新聞では終戦あるいは戦争にかかわる記事があふれている。「終戦から78年、戦争の記憶の風化を嘆く(どうしたら次代に引き継ぐか・・・)」と言った論調が多い。更に一部では「終戦から78年、日本が平和だったのは憲法のおかげ」と言ったものも。
たしかに、日本はこの78年間、直接戦争に巻き込まれたことはない。しかし、個人的には、最初にイギリスに赴任した1980年代はじめにイギリスはフォークランドに侵略してきたアルゼンチンと戦争をしていたし、2度目のイギリス赴任中の1990年代はじめにはクウエートに侵攻したイラクとの戦争の多国籍軍にイギリスは出兵していた。2001年の同時多発テロの時にはニューヨークに勤務していてその後アメリカとアルカイダとの間のアフガン戦争が勃発。連日生々しいい戦況や戦死者の報道がなされる国にいると外国人ではあっても戦争は他人事ではない。事実、部下の中には親族が落命した者が何人かいた。
自分は何故か赴任時期と戦争が重なっていた。戦争を知っている、と声高に言うつもりはないが、自分と同じように戦争の当事国にいれば戦争の恐怖を直接感じることになる。その時の国の指導者の(例えばサッチャーやブレア、ブッシュなどの)一言一句、軍隊トップの戦争の指揮などは今でもかなり鮮明に記憶している。
この78年間、戦争がなくて平和に過ぎてきたこと、「戦争の記憶をいかにして残すか」というだけの論調にささやかな違和感を感じるのは、自分が皮肉屋だからなのだろうか・・・。