昼過ぎ玄関先の鉢植えに水遣りをしようとしたらドアのすぐ近くの床にスズメが一羽倒れているのを発見。わずかに動いているのだがすっかり弱ってしまいとても飛べそうにない瀕死の様子。この暑さの中で熱中症にでもなったのか、あるいは玄関のガラスにでも激突したのか、とまずはひさしの下の陽の当らないところに動かしてみた。
それから急いで台所に戻り、そこに偶々空のネスカフェのインスタントコーヒー瓶の蓋があったのでそれに水を入れて引き返してみると(その間に元気を取り戻してどこかに飛び立っていてくれたら、という淡い期待もあったのだが)まだそこに横たわっている。
(おい、頑張れよ、と心の中で呼びかけながら)水で満たしたその浅い蓋を頭の下に置いたら大きく口を開けて2-3口水を飲んだ。しかしその後はもう水を飲むこともできず足を力なく伸ばしたままで動かなくなってしまった。目は、閉じているのかはわからないが光を失っていた。
多分ここで息絶えたのだろう。しかし何かの拍子に息を吹き返すかもしれないと思いしばらくそのままにしておいた。それから一時間ほどたったころまた見に行ったら脚をのばしたままの全く同じ姿勢で横たわっている。
小さいとは言っても一つの命、ましてや今はお盆の最中。最後の瞬間に立ち会ったのも何かの縁のように感じ、庭の片隅の桜の木の下に小さな穴を掘ってそこに埋めた。