日本はいうにおよばず世界的に今年の夏は異常に暑い。NHKでは今日も全国的に「危険な暑さ」になる、と連呼している。学校の夏休みが終わるころになってもいっこうに暑さが弱まる気配が見えない。しかし、どんなに暑くても8月8日の立秋を過ぎると「残暑見舞い」となる。なんだか「暑中」より「残暑」の方に暑さの厳しさを感じるのはそれまでの暑さによる疲れが積み重なっているからか。
そんな「危険な暑さ」の中、今朝、知人から「残暑御見舞」が届いた。箱を開けると「廣尾 瓢月堂」のひと口菓子とサブレが一箱づつ。同封されているパンフレットによればこのひと口菓子は六揃いの六瓢箪(むびょうたん)、したがって「六瓢息災」と「無病息災」の語呂合わせになっている、と。
サブレは黒トリュフのブレンドされたパウダーで表面を仕上げた、とある。確かにこのサブレ、口に含むとあのトリュフの独特の香りがしてくる。トリュフになじみがなければそれは「ちょっと複雑な香り」という印象になるかも知れない。黒トリュフと言えばやはりフランス、フランスの街ではどこかにこの香りが漂っていたような(?)気もする。
この気の利いた贈り物の送り主は以前ロンドンで同じ町内に住んでいてそれ以来の付き合いのある人。日本の大手航空会社に勤務し確か最後はメキシコの子会社の責任者をしていた。筋金入りのオペラファンで、(本当かどうかは知らないが)好きなイタリアオペラを原語の楽しむためにイタリア語の家庭教師を雇ったという話を聞いたことがある。
残暑見舞いといういかにも日本の季節感を感じる習慣(それに日本語の語呂合わせの和菓子も)とフランスの香りのする黒トリュフ菓子の組み合わせはなかなか洒落ていていかにもこの人らしい。
六瓢息災(無病息災)、そして黒トリュフの香りの漂うこの菓子で今年の危険な暑さを乗り切る・・・。