難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

東京都の要約筆記者派遣事業はどの方向に

2007年07月03日 23時46分38秒 | 要約筆記事業
070406_2021~002.jpg東京都の要約筆記者派遣事業は、区市町村に移行したので、今は団体対象の「グループ派遣」しかない。
団体対象と言っても、難聴者協会や親の会などの団体名を付けた集まりには派遣されず、手話でコミュニケーション出来ない10人以上の聴覚障害者が集まる場合で恒常的な組織は対象にならない。

良くもこんな悪用を考え付いたものだが、これは財務局を「欺く」ためのもので今までと同じように派遣されるから大丈夫と太鼓判を押したのは大東京都の障害者福祉の中枢を担う課長だった。

しかも、難聴者協会が各区市に要約筆記事業の説明に行ったのはありがたかったと持ち上げて、これを難聴者協会のために一所懸命に考えたものでと恩を押し付ける。その同じ口で、これを受け入れなければなかったことにすると脅迫する。一体、これで福祉行政の役人か、もろヤクザの世界だ。

団体に対する派遣を認めない理由が特定の団体を利することになるからと言う。
これは、難聴者に対する二重三重の差別だ。
難聴者はその障害の発生が個別的でコミュニケーションに関わる障害のため、孤立して二次障害も合わせ持つ。だから難聴者が同じ障害のある人どおしが出会い、交流することは非常に意味がある。この難聴者の集団のコミュニケーションを保障するのが要約筆記だ。

アジア太平洋障害者の十年の最終年に開かれたESCAPハイレベル政府間会議のびわこミレミアムフレームワーク宣言の優先課題の最初は障害者自助団体、家族の組織の支援だ。それは障害者こそが一番権利擁護、自立のニーズを知っており、障害者の団体がその実現のために活動している。その団体の育成が障害者はもとより、その地域社会全体の活性化につながるとしている。東京都はもっと勉強すべきだ。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/bf/index.html

特定の団体ではなく幅広い団体が利用してきた。それを「特定の団体」を利するとは何ごとか!ニーズがあるからこれまで利用していたのではないか。

東京都は、市町村の事業だからと言って、自らの責任を放棄するな。都レベルの団体は広域から集まるので、個人派遣はなじまない。
東京都の言う自立支援法の地域生活支援事業は「広域的な」事業はそれこそ都道府県の事業になっているのが目に入らぬか。
東京都は法に基づき、自らの責任を果たすべきだ。

ラビット 記

写真は東京手話通訳等派遣センターで要約筆記者派遣事業がスタートした歴史的な日に難聴者協会から贈られた花籠。



聴力回復実験に成功、メニエール病治療に道

2007年07月03日 03時51分36秒 | 生活
6月28日のYOMIURI ONLINEによると、厚労省チームが様々な細胞に分化する幹細胞を難聴のラットの内耳に移植して、聴力の回復する実験に成功したとのことだ。記事では、難聴やメニエール氏病の治療に役立つのではないかと書いている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070628i501.htm

内耳は、音を感知するセンサーの有毛細胞と音を電気信号に変換する線維細胞があるが、幹細胞を有毛細胞に移植しても再生せず、線維細胞に移植すると再生したとある。

難聴のほとんどは、内耳の細胞の損傷だと言われているので大きな期待がかかる。しかし、人体実験までにはまだまだ時間がかかるだろう


ラビット 記