難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

聴覚障害者の自立の原点 ホームページにファックス番号を

2007年07月13日 23時45分46秒 | バリアフリー
070713_0817~001.jpg7月13日の朝日新聞の投稿欄に、「HPにファックス番号を」が投稿されている。
ことの発端は裁判員のことを知らせるホームページに問合せ先に電話番号しか載っていないために難聴の投稿者が問合せできなかったということだ。

ホームページだけではなく、区市の広報にも公的機関の印刷物にも問合せ先に電話番号があるのにファックス番号がない。
特にマスコミのファックス番号は余り公表されていない。

電話は誰でもいつでもどこからでもかけられる通信方法である。だから普遍的通信手段として掲載されている。
メールアドレスも公表されているがこれも普遍的通信手段として認知されているからだ。
ところが、ファックスだけが公表されないのは何故か。

ファックスが紙の媒体であるため、受信ファックスが文書の形を取っているので、受信したものに責任をとらなくてはならないという印象を与えるためだろう。
そうでなければメールは良くてだめという理由がない。


070713_0843~001.jpg聴覚障害者にはファックスは普遍的な通信である。今ほどメールなどか普及していない1980年代の初めに東京の聴覚障害者が電話に替わる通信手段として電電公社のミニファックスを使い始めたのがきっかけだ。

それまでさ家人に頼んで電話してもらったり、葉書を投函して連絡を待つしかなかった。時には相手先まで出かけ、戸を叩いても聞こえないので無駄足を踏んだという逸話すら聞いた。

ファックスは聞こえない人が一人でリアルタイムに通信出来るという点で画期的な手段だったのだ。
聴覚障害者中に急速に普及したのも当然だった。

ホームページにファックス番号がないというのはこうした聴覚障害者の社会的コミュニケーション手段を奪っていることに気がついていないのだ。


聴覚障害者はファックスやメールは使っていても、一方通行の通信であり、ファックスは返事があるかが分からず、携帯のメールも届いたのか、いつ届くのかも分からない。電話のように真にリアルタイムの通信手段は持ち得ていない。

電話リレーサービスは欧米で普及しているが、我が国では誰でも無料で使えるようにならないと普及しないのだろうか。コミュニケーション支援事業の対象になりうるのに。

ラビット 記