難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

総合福祉部会の各作業チームの報告その一

2011年02月01日 18時32分04秒 | 難聴一般
全社協の「障害福祉関連ニュース」(2011年1月号)(2)の配信があった。

1月25日の総合福祉法部会で、作業チーム、合同チームの報告があった。
○「法の理念・目的」
○「障害の範囲」
○「選択と決定・相談支援プロセス(程度区分)」
の各チームの報告と構成員の意見を全社協高齢・障害部がまとめたものだ。

専門用語も多いが難聴者もこれに食らいついて理解をあいて欲しい。
制度設計には、行政に働く福祉労働者や離職した難聴者に協力を求めよう。


ラビット 記
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2.部会作業チーム・合同作業チームの検討状況について
部会作業チームの第1期における検討結果及び、合同作業チームの検討経過について、各チームの座長から報告がなされ、協議・意見交換がなされました(各部会作業チーム・合同作業チームの報告書については、下記ホームページを参照。ただし、「就労」及び「障害児」合同作業チームについては報告書なし)。

(1)「法の理念・目的」作業チーム(藤井座長)
<構成員からの主な意見>
○ 法律の名称について「障害者の社会生活の支援を権利として総合的に保障する法律」が提案されているが、略称を含め、皆に分かりやすい名称を考える必要がある。

○ 法律の名称が社会生活全般をカバーするかのようなものとなっているが、あくまで福祉サービスを保障する法律であることを明確にするべきではないか。障害者の支援は総合福祉法ですべて完結するようなものではなく、他法・制度とあわせて総合的に実現されるものである点を踏まえるべきである。

○ 障害者基本法及び、差別禁止法との関係性や役割分担を明確にする必要がある。

○ 医療的ケアに関する内容については、合同作業チームでの議論の途上であり、結論的な内容が書かれていることが懸念される。

(2)「障害の範囲」作業チーム(田中座長)
<構成員からの主な意見>
○ 支援の必要性を示す指標において、「客観的側面」との文言で整理がなされているが、障害を社会モデルで捉えるという基本的な方向性から考えるならば、この表現は適切ではない。

○ 谷間のない障害者の定義や捉え方は重要であり必要性も理解できる。しかし、自治体の現場における制度の運用場面を考えた場合には、支援の対象となる障害者を列挙することも必要であり、適切に支援に結びつかないといった問題を防ぐ観点からも更に検討いただきたい。

○ 支援の必要性について、「医師の診断書・意見書、専門家の意見」が含まれているが、専門家の診断や判断が客観性に結びつくのか疑問がある。むしろこの専門家による客観性の名の下に、今日のさまざまな問題が生じている点を忘れるべきではない。

(3)「選択と決定・相談支援プロセス(程度区分)」作業チーム(茨木座長)
<構成員からの主な意見>
○ 障害者自立支援法の一部改正法においても、支給決定プロセスの見直しが盛り込まれており、平成24年4月の施行が予定されている。この見直しと平成25年8月の総合福祉法における支給決定の整合性を図ることが必要であり、関係性を整理する必要がある。

○ 障害者をすべて悩める人と捉えることを前提とする、重装備の相談支援体制については疑問があり、これに財源を投入することが国民的な理解を得られるとも思われない。

○ 相談支援体制は重要であるが、「重層的」の意味内容が見えない。身近なところで適切に相談に応じられる体制について更に検討いただきたい。

○ 支給決定と相談支援を同じチームで議論することについて、そもそも違和感がある。支給決定のための支援と相談支援、特にアドボケーターとしての役割は一定分けて整理するべきである。

○ 支給決定前に支援計画をつくるというのは、そもそも協議・調整モデルではない。

○ 協議・調整におけるガイドラインを作成するのであれば、本人中心とエンパワメントを徹底した内容とするべき。
(続く)

総合福祉部会開かれる。

2011年02月01日 13時46分03秒 | 難聴一般

全社協の「障害福祉関連ニュース」(2011年1月号(2))が発行された。
その一部。

ラビット 記
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Ⅰ.障害福祉制度関連情報
1.厚生労働省「第11回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会」が開催される

平成23年1月25日、「第11回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会」が開催され、第1期(平成22年10月~12月の3回)の部会作業チームおよび合同作業チームの検討結果について議論が行われました。また、平成23年2月からの第2期部会作業チームの座長及びメンバー等について確認がなされました。

全体会の概要
1.第2期作業チームの座長・メンバーと今後のスケジュールについて
(1)第1期部会作業チーム・合同作業チームのメンバー
平成23年2~4月に開催される第2期部会作業チーム・合同作業チームの座長とメンバーが下記のとおり確認されました。

(2)今後のスケジュール

障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 今後のスケジュール(案)

1月
○ 第1期作業チーム報告・討議
2月~4月
○ 第2期課題別作業チーム検討案を議論
※第2期作業チーム ~5月に報告書提出
(部会作業チーム)
・選択と決定・相談支援プロセス(程度区分)

【茨木尚子座長】

・地域移行        【大久保常明座長】
・地域生活の資源整備   【森祐司座長】
・利用者負担       【田中伸明座長】
・報酬や人材確保等    【藤岡毅座長】


(合同作業チーム)
・就労(労働及び雇用)  【松井亮輔座長】
・医療(その他の医療一般)【堂本暁子座長】
・障害児支援       【大谷恭子座長】


5月
○ 第2期作業チーム報告・討議
6月~7月
○ 新法の骨格整理
8月
○ 新法の骨格提言
障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 第2期部会作業チーム・合同作業チーム

全社協高年・障害福祉部整理


今後の介護人材養成について

2011年02月01日 12時53分51秒 | 難聴一般
全社協の「障害福祉ニュース」2011年1月(2)が発行された。


ラビット 記
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3.厚生労働省「今後の介護人材の在り方について」(報告書)が公表される

平成23年1月20日、厚生労働省「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会」(座長:駒村康平 慶應義塾大学教授)は、介護分野の現状に即した介護福祉士の養成の在り方と介護人材養成の今後の具体像について、これまで9回にわたって議論を重ねてきた内容を「今後の介護人材の在り方について」(報告書)としてとりまとめました。

今後の介護人材養成の在り方について
今後の介護人材養成の在り方に関する検討会報告書の概要

1 介護人材の養成体系を整理
① 今後のキャリアパスは、「初任者研修修了者→介護福祉士→認定介護福祉士」を基本とする。
⇒ 簡素でわかりやすいものとし、介護の世界で生涯働き続けることができるという展望を持てるようにする。

② 現在のホームヘルパー2級を「初任者研修(仮称)」と位置付け。
介護職員基礎研修は、実務者研修(後述)の施行に合わせて、実務者研修に一本化。
⇒ 初任者研修は、在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得する研修とする。

③ 実務者研修は、以下のように見直し。
(注)19年法改正により、国家試験を受験する実務経験者に義務付けられた研修
ア 研修時間は450時間
⇒ 実務者研修の目標は、幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の修得。また、研修を通じて、今後の制度改正や新たな課題・技術・知見を自ら把握できる能力の獲得を期待。
一方、実務者研修に負担感を持つ者も多い現状を踏まえ、現場職員の意欲を減退させない配慮も必要であること等から、研修目標は維持しつつ、時間数を見直し。(19年法改正時は600時間を想定)

イ 働きながらでも研修を受講しやすい環境を整備
⇒ 通信教育の活用、身近な地域で研修を受講できるための環境整備、過去に受講した研修(ホームヘルパー2級等)を読み替える仕組み、受講費用の支援等

ウ 施行を3年間延期(24→27年度)
⇒ 実務者研修の見直し、介護福祉士によるたんの吸引等の実施等に伴い、施行時期を延期。(28年1月予定の試験から適用)

④ 介護福祉士養成施設卒業者に対する国家試験の義務付けの施行を3年間延期(24→27年度)
⇒ 19年法改正の趣旨(資格取得方法の統一化)や、介護福祉士によるたんの吸引等の実施に向けた養成カリキュラムの検討が必要であること等を勘案し、施行時期を延期。(28年1月予定の試験から適用)

⑤ 介護福祉士資格取得者がステップアップできるよう、認定介護福祉士(仮称)の仕組みづくりを進める。
⇒ 資格取得後一定の実務経験を経て、幅広い知識・技術を身に付け、質の高い介護を行い、他の現場職員を指導できるレベルに達した介護福祉士を職能団体が主役となって認定。
今後、職能団体が主役となって、具体化に向けた検討。

2 介護職員に占める介護福祉士の割合の目安を提示(当面5割以上)
⇒ 利用者に対する質の高いサービスの提供と介護人材の確保という二つの目的を両立させていく観点から、当面5割以上を目安とする。

[厚生労働省]「今後の介護人材養成の在り方について」(報告書)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010pzq.html

難聴者の介護福祉士の受験を振り返って(5)

2011年02月01日 08時26分56秒 | 難聴一般
介護福祉士の受験は、難聴者の福祉を考える上で大変勉強になった。

2年前に学んだ社会福祉援助技術ノートは、いま聴覚障害者自立支援センターが進める聴覚障害者ジョブコーチ、スクールソーシャルワークの位置づけなどが理解できたし、難聴者の自立のための手話講習会の社会生活力獲得事業化へのヒントになっている。

単位を取った社会教育論や都市計画概論は試験科目ではないが面白かった。

第23回の試験問題に人名を問うものが一つもなかった。
リッチモンドもコノプカもエリクソンやピアジェの各発達段階も出なかった。その意味では実践的だったかも知れない。

しかし、寝た切り高齢者の自立度の尺度を問う設問は中央法規の過去問にもワークブックにもなかった。こういう問題は記憶を思い出すのではなく、寝た切り度を表すのにAから始まってJランクまではないだろう、重度のようだからA、Bでもないだろう、Cのどっちかだろうと推定するしかない。

家政学の、鮮度の落ちた鶏卵は何が変化するかの設問もワークブックにはない。子供の頃の理科を思い出して解答した。


ラビット 記