難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

全通研理事会の「障害者総合福祉法の骨格提言」への見解

2011年10月06日 22時53分43秒 | 障がい者制度改革
全通研理事会が10月1日付で「骨格提言」に付いて見解を述べている。

見解の概要はうなづけるものだが、障害者の中の聴覚障害者の位置づけのあいまいさ、聴覚障害者と言えば手話を使うろう者の視点しかないことが歴史的弱点だ。

障害者福祉行政に関わる会員も多いのに、もっと聴覚障害者に対する視点を幅広く持つことはできないのだろうか。
障害者自立支援法から聴覚障害者制度改革まで、難聴者当事者組織との関わりは浅くないはずだ。

ラビット 記
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「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」への見解
障がい者制度改革推進会議第18回総合福祉部会において「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下「提言」という)が8月30日に取りまとめられた。
障害者自立支援法廃止後に制定される法律が実現すべき課題として、「障害に伴う必要な支援は原則無償」とされ、応益負担の廃止が明記されたことは、わが国の障害者施策の大きな転換として評価できる。
全通研は障害者制度改革において、「コミュニケーション支援事業(地域生活支援事業)における地域格差や予算不足などの問題点を解決し、聴覚障害者の暮らしや手話通訳制度の向上に結びつくこと」を提言してきた。
今回の提言を見ると、コミュニケーション関連事業の充実については、
1)「地域で自立した生活を営む基本的権利」の中で「障害者は、自ら選択する言語(手話など非音声言語を含む)及び自ら選択するコミュニケーション手段を使用して、市民として平等に生活を営む権利を有し、そのための情報・コミュニケーション支援を受ける権利が保障される」とされた。
2)「支援(サービス)体系」の中で、「コミュニケーション支援」は「全国共通のしくみで提供される支援」と位置づけられ「その費用は求めない」とされ「基本的権利の保障であり、自治体の裁量には馴染まない」とされた。
3)「新たな相談支援の枠組み」の中で、15万~30万人の圏域を単位に設置される総合相談支援センターに「手話通訳士有資格者やろうあ者相談員等を配置する」とされた。
コミュニケーションを権利として保障しその基準は国が定める、手話通訳者を聴覚障害者に関わる専門職として位置づける、というこれらの記述は、聴覚障害当事者団体や全通研の提言に沿うものとして評価できる。障害者自立支援法に基づく現行制度と比べると、聴覚障害者の暮らしやすさや手話通訳者の働きやすさを前進させるものとなっている。
しかし、改正障害者基本法の関係する諸規定(アクセシビリティ、コミュニケーション支援担当者、使用言語の選択の自由等)を裏付ける制度はまだ用意されていないこと、コミュニケーション支援は無償とされているが、高額な収入のある者等には、収入に応じた負担を求めるという応能負担の考え方も残されている等の聴覚障害者の情報・コミュニケーション保障に関わる解決すべき課題は積み残されている。
また、総合福祉法の適用範囲の明確化、差別禁止法や当事者団体を中心に検討が進められている情報・コミュニケーション法(仮称)との関係整理という重要な課題も残っている。
全通研は、聴覚障害者団体をはじめとする関係団体と連携して、今後具体的な法案作成過程や法案上程後の国会に対する政策提言等に一層の努力を続ける。
2011年10月1日
一般社団法人全国手話通訳問題研究会理事会

ろう者初の欧州議会議員アダム・コーサ氏の講演会

2011年10月06日 18時43分53秒 | 障がい者制度改革
日本障害フォーラムの主催で、ろう者初の欧州議会議員 アダム・コーサ氏の講演会を行なわれる。
ヨーロッパの障害者の実情や、障害者政策の現状と課題等について報告がある。

日本に、ろう者の国会議員はまだいないが、難聴になった国会議員は少なくない。
しかし、支援者に会う時は補聴器を外してしまう意識が情けない。
石川県選出の元文部科学大臣を務めた某代議士はテレビに映る時補聴器をしているのが見える。
退職したら、全国会議員を訪ねて、補聴器相談と磁気ループのデモを行おう。

ラビット 記
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公益財団法人日本財団・日本障害フォーラム(JDF)主催
「欧州議会議員 アダム・コーサ氏 講演会」
http://www.normanet.ne.jp/box/#node-1587

日 時:2011年10月19日(水)13:00~16:30
場 所:参議院議員会館 (1階)講堂 (東京都 千代田区 永田町2-1-1)
参加費:無料

プラスボイス、キーボードなしの電話リレーサービス実現

2011年10月06日 12時48分07秒 | バリアフリー
幕張で開催中のシーテックジャパンで、プラスボイスが提供している電話リレーサービスのデモを体験した報告があった。
キーボードを使わず、端末に話しかけるだけで伝えられる方式だ。
音声または手話でオペレーターに伝えるものだが電話をかける難聴者が筆談やキーボードで入力しない点がこれまでの方法と異なる。

欧米ではVCO(ボイスキャリーオーバー)、VCIP(ボイスキャリーアイピー)と言って、直接相手に話しかけ、返事が手元の専用電話機やパソコンに表示されるシステムが普及している。
最近は、Iphoneにブルーツース接続のマイクを付けて、電話をかけるとIphoneに相手の声が文字で表示されるシステムも開発されている。

プラスボイスは、この仕組みで行う日本財団の遠隔通信サービスを請け負っている。

ラビット 記
※写真はシーテックでプレゼン中の三浦氏。
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プラスボイスが仙台等で実際にサービス実施している代理電話サービスの展示をやっており、体験してきました。

iPadに中継するオペレータの姿が表示されており、紙に宛先の電話番号を書いてオペレータに示します。オペレータはその宛先へ電話して代理電話であることを告げるようです。

私が言葉で話すと中継のオペレータが電話宛先の相手にその旨電話してくれ、返事をiPadに返してくれます。その繰返しです。
男性二人は言葉で、中継者に話し、中継者は電話の相手と交信し、 中継者は相手からの話しをキーボード入力して、私の目の前のiPadに表示されました。
女性二人はCamera付きのiPadの画面に向かって手話で同じ様に交信しました。

交信する難聴者は一切キーボードは使いませんでした。少々間延びしますが、この点は評価できると思います。

「一人の難聴者として」に共感。

2011年10月06日 03時32分09秒 | 権利
きくさん、初めまして。コメント拝見しました。
全く私と同じ道を歩まれています。
難聴であることの社会的な意味、コミュニケーションの多様性、聴覚補償のいろいろな方法、福祉制度を含む社会資源の利用する権利、障害の自己理解と自己評価(セルフ・エスティーム)の向上の必要性、難聴者協会などのセルフヘルプグループの存在と役割など、難聴の障害を持った人が難聴者になるために必要なことを学ぶ機会が学童期、学生時代、就労した成人期を通じてありませんでした。
これがろう学校でコミュニティを持つろう者との違いです。
難聴者が難聴者としての誇りを持って生きることを先輩の方からぜひ学んで欲しいと思います。

近くで、難聴者の組織の大会がありますので、よろしければお問い合わせ下さい。一日だけの参加も可能です。
2011年10月8日、9日 第6回全難聴九州ブロック難聴者福祉大会in北九州&北九州市難聴者・中途失聴者協会設立30周年記念大会 (北九州市障害福祉情報センター)
http://bit.ly/n56Ro7

「聞こえない子をもつ親の掲示板」より
http://bit.ly/o9ps9m

ラビット 記