難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

新しい人工内耳N5のインプレッション(3)

2012年02月10日 08時41分55秒 | 人工内耳
とにかく軽い。装着してスイッチをすぐ入れないと落としたのも分からない。手に取ったら、スイッチを入れてから装着する癖をつけないと歩いて落としたら怖い。

聞こえの方は、うるさいところでは感度を落として聞いたり、ビームとASC、ADROのセットに切り替えたりして聞くようにする。

感度と音量の関係はこのように説明を考えた。
自分の1m先にカエル、3m先にウサギ、5m先に猫、10m先に犬がいたとして、みな同じ大きさで順番に鳴いたり、吠えているとする。
感度1ではカエルが聞こえる、感度2ではウサギが聞こえる、感度3では猫が聞こえる、感度4では犬が聞こえる、感度を上げれば遠くの鳴き声が聞こえる。
しかし、感度3で猫の鳴き声が聞こえるときに、音量を上げても犬が聞こえるわけではない。猫の鳴き声が大きくなるだけだ。

ラビット 記

津田政務官と訴訟団PTとが懇談 2月9日 めざす会ニュース

2012年02月10日 08時31分30秒 | 障がい者制度改革
◆1◆ 津田政務官と訴訟団PTとが懇談 2月9日
厚労省案は基本合意と相反する
基本合意の実現にむけて誠意ある話し合いの継続を

2月9日(木)16:30~17:30、厚労省政務官室で津田政務官らと懇談しました。
元原告、弁護団は率直な意見を述べましたが、意見は平行線でした。
概要をお伝えします。(写真参照)

参加メンバーは
厚労省=津田政務官、岡田部長、中島企画課長、土生障害福祉課長など
元原告=家平(東京)大谷(和歌山)、秋保(広島)、五十嵐・新井(埼玉)
弁護団=藤岡事務局長、柴野(埼玉)、長岡(和歌山)、紅山(広島)
他にアテンダントとして薗部、斎藤

〇津田政務官あいさつ(動画) *昨日の部会でのあいさつとほぼ一緒
厚労省津田政務官あいさつ2012.2.9政務官室

〇藤岡弁護団事務局長あいさつ(動画)
藤岡弁護団事務局長あいさつ 2012.2.9政務官室

〇中島企画課長が法案骨子説明(昨日の部会報告+α)
・骨格提言ふまえた実現は、つなぎ法、今回の法案、予算のトータルで実現していく
この法案だけをもって〇▲×でないとご理解いただいたうえで、あらためて説明。
・改正基本法は、障害定義で社会モデルが導入された。
それをふまえた新たな法案にしたい。
自立支援法が医学モデルで、基本法改正ふまえて、
本人への福祉サービス中心の共生社会にしたい→それにより理念、目的が変わる。
・法律名称は変える。自立支援法名はなくなる→新法になる。
自立支援法は廃止となるものと認識している。
・骨格提言は段階的、計画的に実現をもとめていく。
制度の谷間では、難病をサービス対象にした。
グループホームとケアホームの一元化 外部ヘルパー利用可に 住まいの確保
・程度区分、就労支援のあり方は段階的に、5年目途に検討、現場の混乱を防ぐため
・基本合意文書
1 国は応益負担制度を廃止→自立支援法廃止=さきほどの認識のとおり。
2 論点 国は、推進会議や部会において、
介護保険統合を前提とせず、つぎのことを、しっかり検討
利用者負担→つなぎ法で条文として応能負担にしている
市町村民税非課税は無料となった
支給決定は、5年後程度区分のあり方みなおし
制度の谷間→難病念頭 しっかり、あまねく、すべての市町村で
条約批准 基本法改正、来年差別禁止法で検討
予算 自然増とはいえ、それが認められることもなかなかないこと
・報酬支払い方式(障害福祉課長補足)
日払い・月払い、それぞれにメリットデメリットある。
経営実態調査によれば事業体は改善している。
抜本的見直しはただちにはむずかしいが、予算、報酬単価で可能な限り対応している
・自立支援医療めぐって(精神障害保健課長補足)
90億の財源必要。自然増はみとめられたが、H24年予算には、調整できなかった。
引き続き重要な課題。
・定期協議は3回開催してきたところ

〇藤岡弁護士
・基本合意に照らしてもまだまだ話し合いが必要だ。
・提言でも「折衷案」をだしているが、厚労省案は新しい制度への移行の話と聞けない
・中身を真剣に聞いて、変えてもらう姿勢をつくって欲しい。

〇柴野弁護士(司会)
・意見は一致しなかった。基本合意の達成にむけて意見交換の場を

〇津田政務官
・思いをたくさん聞いた。思いは私も持っている。
できるかぎり障害者のみなさんの思いを実現したい思いだ
・現実にはなかなか、思いを達成できるような回答ができていないことは忸怩たるおもいはないわけではない。これからも努力してまいりたい。
・提言は全力でとりくまねばならない。あらゆる手段をくししてもとりくまねば
・不十分という意見はグサグサと刺さっているが、これからも意見をいただきながら計画的な段階的なスピードを少し速めていきたい。
・政務三役が提案し、与党として法案をとりまとめ3月に閣議決定したい。
成立をさせなければいけない。最善の努力をしてまいりたい。ご理解いただきたい。

◆2◆ 国による基本合意の反故を許さない!
集団訴訟 原告団・弁護団 共同抗議声明

政務官との懇談後、18:00から19:00、厚労省記者クラブで
異例の共同記者会見がもたれました
(写真、プレスリリース、共同声明word参照)

共同記者会見に同席したのは、自立支援法違憲訴訟訴訟団の他、薬害肝炎全国原告団・弁護団から3名
原爆症認定集団訴訟・全国弁護団連絡会から1名
B型肝炎訴訟から1名、
自立支援法違憲訴訟の基本合意の反故を許さない!と
13の訴訟団の共同抗議声明を発表しました。

会見で、藤岡弁護団事務局長は、
・厚労省案は愕然とするもので、信頼裏切られたといわざるを得ない
・津田政務官から説明を受けても失望と疑念はふかまる。
・話し合いはつづけなばならないが、骨格提言への回答はあまりにおそまつ、
・基本合意、踏みにじることは許されない

広島の元原告で、長妻大臣とともに基本合意に署名した秋保喜美子さん
・長妻大臣といっしょに握手しながら、こころときめく思いでした
・原告のみんなといっしょに、これでよかったんだなあ、みんなのねがいがかなうと
・推進会議、部会で意見をまとめて骨格提言をつくって、待ちに待った法案でした
・出てきた厚労省案は、こころのときめきはどこかに消えてしまいました。
・これからつくる法律は、基本的人権守ると約束したのに、そんな言葉はみつけることができませんでした。
・原告のなかまからは、夢が持てない、とてもつらい、疑問がたくさんあると
・津田政務官と懇談したが、問題解決の方向が示されない。残念でたまりません。
・骨格提言がいかされる法律をつくっていかねば、みんなのしあわせはない。
いっしょに運動をつづけていきたい。

埼玉の元原告の五十嵐良さん
・がっかりしました。1年以上かけて練り上げた骨格提言がほとんど入っていない。
たいへんな思いで提言をつくりあげたあの話し合いはなんだったのか。
・正直、和解にはとまどいもあった。でも和解で未来がみえるとおもい和解した。
・こういう法案になり、原告、障害者は、がっかりしている
・このままで終わりではいけない。みんなで力あわせて、いい法律になるように闘っていきたい。

〇薬害肝炎訴訟の鈴木弁護士
2002年から全国5カ所で訴訟。1930人の原告、500人の弁護団。基本合意は2008年。
歴代の民主党大臣は約束してきたが、4年たっても先が明らかにされない。

〇同元原告の朝倉さん
「未来を生きる子どもたちを被害者や加害者にしてはならない」と再発防止のために努力してきた。しかし、官僚を指導できない民主党政権を批判し、見つめていく

〇原爆症認定集団訴訟の宮原弁護士
・原告の怒りを共有したい
・出発点を契機にして、その延長線で施策法律が実施されなければ意味をもたない
・306名が30か所で提訴。20万こえる被爆者の権利をどう守るかの裁判。
・4分の1はすでに亡くなっている。多くの人たちの思いが基本合意に込められている
けして軽んじてほしくない。人間として

〇B型肝炎訴訟の菅弁護士
・今回の基本合意の反故には驚きと怒りを感じている
・想定被害者40万人で、被害の実証が得られず賠償できない方々含めてがんばっている
・そのよりどころの基本合意を国が反故にすることをけっして許してはならない

〇藤岡弁護士
・この13の訴訟団の原告は1万人こえるが、背後には何十万の人たちの声が連帯している。
・今回の基本合意反故の動きは、国家のメルトダウンではないか。
そうあってはならない。さまざまな分野と連帯連携して、
弱い人たちの立場にたって前にすすみたい
・国会議員には最後の最後まではたらきかける。3月の閣議決定まで、その後の上程後も、最後の最後まではたらきかける。

*感動的な発言の動画は10日にUPします。


◆3◆ 本日のマスコミ報道から
■京都新聞社説(添付word)=障害者自立支援 見当たらぬ政治の反省
厚労省が示した改革案は、自立支援法の改正案とされ、法の廃止ではない。
法を廃止した場合、約6万あるサービス事業者を指定し直す必要が生じ、自治体や事業者の負担が増すうえ、新法の制定に野党の協力が得られないためという。
厚労省は「事実上の法廃止」というが、法の不当性を訴えて国と和解した元原告の理解は到底得られないだろう。

■しんぶん赤旗=障害者の願い置き去り 自立支援法に代わる法案概要
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-09/2012020915_01_1.html

■毎日新聞=障害者自立支援法:廃止申し入れ…元原告団が厚労省に
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-09/2012020915_01_1.html

◆4◆ 基本合意の完全実現をめざす!
2.13緊急フォーラムへ 総結集しよう!

日時:2月13日(月)13:00~15:30(12:30開場、スライド上映決定)
会場:参議院議員会館 1F講堂
内容:主催者挨拶、連帯・来賓挨拶、情報報告、フロアートークなど

緊急フォーラム開始前、午前11時から、めざす会の実務代表者会議開催
緊急フォーラム終了後には、アピールを国会議員に届ける行動にご協力ください。

※それぞれに参加される方のお名前を、車いすの有無、
障害による必要な対応など書き添えて、2月10日までにお知らせください。
TEL 03-5287-2346 FAX 03-5287-2347
E-mail office@jdnet.gr.jp まで

━━━MEZASU━━━━━━━━━━━━━━
◆障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会◆
ニュース 2012.2.9 第179号(通巻287)http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/
━━━━━━━━━━━━━━MEZASU━━━

▽▲▽編集後記
昔の海軍省跡にたつ合同庁舎5号館。政務官室は10階に、
厚労省記者クラブは9階に。会見を終えて19:30。おなか減ったね。
みんなで食べようかと向かった先は26階にある食堂。
日比谷公園の向こうに広がる灯りを見ながら、長い一日でした。
でも、みんなで一緒に闘おう。13日、フォーラムで会いましょう!

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障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会メールニュースです。
事務局には syouri_mezasukai@nginet.or.jp にメールください。

障害者制度改革の新たな局面 厚労省案をどう見るか。

2012年02月10日 00時45分26秒 | 障がい者制度改革
障害者制度改革の新たな局面
http://www.surume.org/2012/02/post-549.html

(前略)
個人的に憤る部分も勿論ある。だが、どこまでも楽天的な戦略を考える癖がある僕としては、さてここからが本当の政策形成過程における勝負の開始だ、と思っている。
(後略)

竹端寛(たけばたひろし)
内閣府障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会構成員
山梨学院大学法学部政治行政学科教員。現場(福祉、行政、学生)を掻き回す、産婆術的触媒と社会学者の兼業。