難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者総合支援法 神奈川新聞社説

2012年07月05日 10時35分42秒 | 障がい者制度改革
◆2◆ 神奈川新聞の社説!
【障害者総合支援法 抜本改革の努力継続を】
 神奈川新聞 社説 2012年7月2日http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1207020001/ 

抜本改革の努力継続を
 障害者、福祉関係者らの怒り、落胆の中で「障害者総合支援法」が成立した。
難病患者を障害福祉サービスの対象とするなどの前進は見られるものの、障害者自立支援法を微修正し看板を掛け替えたものに他ならない。

 障害者自立支援法違憲訴訟団と国が交わした基本合意をほごにし、障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の骨格提言もほとんど無視した。
残念な結果と言わざるを得ない。

 障害者権利条約批准と基本合意履行のために障害者福祉制度を抜本改革し、障害者総合福祉法の制定を行うはずだった。自立支援法の廃止は民主党の公約である。

 障害者本人らがメンバーとなった総合福祉部会は、障害の種別を超えて一定の共通見解に達し、障害のない市民との平等と公平▽谷間や空白の解消▽格差の是正▽放置できない社会問題の解決▽本人のニーズにあった支援サービス▽安定した予算の確保―の6目標と60項目からなる骨格提言をまとめた。
これは、日本の障害者福祉の針路を示す歴史的文書といえる。

 ところが政府、民主党は官僚の壁、財源問題などを打開できず、土壇場で背信したというしかない。部会長の佐藤久夫日本社会事業大教授のまとめでは、60項目のうち新法に取り入れられたのはわずか1項目だ。
38項目は触れられてもいない。障害者、関係者は裏切られた思いでいるだろう。

 しかし、骨格提言が示した障害者の権利、福祉制度のあるべき姿は、自治体や福祉現場に強いインパクトを与えた。障害者総合福祉法の制定を求める地方議会の意見書は約200に上る。また、従来の枠組みを超え、障害者の権利を認めようという自治体、司法判断が出ている現実もある。

 今後、総合支援法の政省令づくり、障害者基本法に基づく新障害者基本計画の策定、障害者差別禁止法制定などの作業が続く。これらに障害者権利条約の精神と
骨格提言の内容を反映させる粘り強い取り組みが必要だ。

 障害者総合福祉法が実現できなかった一因に、国民の関心が十分に高まらなかったこともあろう。障害者の権利の否定は、同じ権利主体として、すべての国民にとっても権利の否定であることを肝に銘じたい。

 財源確保には国民の理解と後押しが必須である。
骨格提言の実現に向け国民的取り組みをさらに続けたい。

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◆障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会◆
  ニュース 2012.7.3 第257号(通巻365)
  http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/
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手話言語法に関わる難聴者からの論議

2012年07月05日 08時04分18秒 | 難聴一般
ろうあ連盟の手話言語法の取り組みはまだ広範な聴覚障害者、国民の関心にかみ合っていない。

そもそも、どのような言語、手話であってもコミュニケーションできる権利は人が生まれながらに持っている権利、自由権の問題。
しかし、その自由権は、手話で生活する権利、手話で教育を受ける権利、社会権として保障されなければならない。
どのような言語、手話を使うかは、文化や歴史的背景、教育などによって異なる。

障害者基本法の言語(手話を含む)とされたことは自由権の範囲にとどまるが、意思疎通の手段の選択の機会が与えられるというその後の記述により、手話で生活する権利、手話で教育を受ける権利、などの社会権として確立される必要があることを示している。
だから、手話言語法制定運動が行われているのだろう。

私たち、難聴者も手話で教育を受け、手話でコミュニケーションする権利がある。どのような手話かは合理的配慮により、難聴者が個別に選択する機会が与えられる。
難聴者の手話を使うのは音声と手話とを併用が私たちにとってわかりやすいコミュニケーション方法だ。

それは、補聴器や人工内耳による音声コミュニケーションが環境により大きな制約を受けており、音声の視覚的補償という形で、読話も視覚的補償の一つだが手話と併用することで理解度が高まる。

さらに、難聴者が集団の中で手話を学習することで自身の障害やコミュニケーションの状況を一歩ずつ理解し、権利意識の発芽、自立が促進されるというエンパワメント効果がある。

難聴者の手話を使う理由を積極的に位置づけ、その指導方法の確立が急がれる。

手話言語法と人工内耳は次回に。

ラビット 記
※都庁28階から