難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

テレビメーカーは3Dテレビ発売の前にすることがある

2010年01月09日 13時28分50秒 | バリアフリー
1月7日の日経夕刊に、アメリカの家電見本市で、テレビメーカーが一斉に3D(立体)テレビを展示し、日米ほぼ同時に発売する模様と伝えた。
    
テレビメーカーは、視聴覚障害者がテレビにアクセス出来ない問題があることを知っていて、それを放置したまま新しいテレビを開発し、販売するなんて絶句。

聴覚障害者のテレビ視聴は字幕を見ていても映像とのずれ、遅延がひどい。地デジは電波産業会ARIBの規格で字幕放送のようなクローズドの手話放送が出来ない。
5.1チャンネルサラウンドで番組を作ったら視覚障害者の解説放送が出来ない。

字幕と手話、解説音声をきちんと受信できるような機能の規格を制定して、新テレビから順次搭載すべきだ。
一部関係者からはARIB基準はそう簡単に変えられないと聞くがそんなことはない。3Dテレビの規格はどうやって作ったのか、障害者当事者不在のまま作られたことはおかしい。
障害者権利条約の第2条の定義にユニバーサルデザインが掲げられている。あらゆる設備、製品、サービスに共通する原則だからだ。


ラビット 記


訴訟団と国との基本合意文書

2010年01月09日 09時49分05秒 | 権利
一昨日、障害者自立支援法訴訟団と国との基本合意文書が交わされた。

裁判取り下げの調停との報道もあるが、これまでの施策が誤りだったことを国が認め新法作成に当たってのポイントを確認したもので、即、取り下げに至るわけではない。

取り下げになると裁判そのものがなかったことになってしまう。国の施策形成の過程と内容を見て、裁判所の調停を経て、和解になるのではないか。

発表された予算案には、障害者総合福祉法制定に関わる予算が組まれていた。障害者の実態を把握するための費用などが含まれている。

聴覚障害者の問題もコミュニケーション支援や相談支援、就労支援、機能訓練等の実態をきちんと把握することを要求しなければならない。


ラビット 記
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障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と
国(厚生労働省)との基本合意文書

平成22年1月7日

 障害者自立支援法違憲訴訟の原告ら71名は、国(厚生労働省)による話し合い解決の呼びかけに応じ、これまで協議を重ねてきたが、今般、本訴訟を提起した目的・意義に照らし、国(厚生労働省)がその趣旨を理解し、今後の障害福祉施策を、障害のある当事者が社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために最善を尽くすことを約束したため、次のとおり、国(厚生労働省)と本基本合意に至ったものである。

一 障害者自立支援法廃止の確約と新法の制定
国(厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止し、遅くとも平成25年8月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。そこにおいては、障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。

二 障害者自立支援法制定の総括と反省
 1 国(厚生労働省)は、憲法第13条、第14条、第25条、ノーマライゼーションの理念等に基づき、違憲訴訟を提訴した原告らの思いに共感し、これを真摯に受け止める。

2 国(厚生労働省)は、障害者自立支援法を、立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる。

3 今後の新たな障害者制度全般の改革のため、障害者を中心とした「障がい者制度改革推進本部」を速やかに設置し、そこにおいて新たな総合的福祉制度を策定することとしたことを、原告らは評価するとともに、新たな総合的福祉制度を制定するに当たって、国(厚生労働省)は、今後推進本部において、上記の反省に立ち、原告団・弁護団提出の本日付要望書を考慮の上、障害者の参画の下に十分な議論を行う。

三 新法制定に当たっての論点
 原告団・弁護団からは、利用者負担のあり方等に関して、以下の指摘がされた。
① 支援費制度の時点及び現在の障害者自立支援法の軽減措置が講じられた時点の負担額を上回らないこと。
② 少なくとも市町村民税非課税世帯には利用者負担をさせないこと。
③ 収入認定は、配偶者を含む家族の収入を除外し、障害児者本人だけで認定すること。
④ 介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。
⑤ 実費負担については、厚生労働省実施の「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」(平成21年11月26日公表)の結果を踏まえ、早急に見直すこと。
⑥ どんなに重い障害を持っていても障害者が安心して暮らせる支給量を保障し、個々の支援の必要性に即した決定がなされるように、支給決定の過程に障害者が参画する協議の場を設置するなど、その意向が十分に反映される制度とすること。
  そのために国庫負担基準制度、障害程度区分制度の廃止を含めた抜本的な検討を行うこと。

国(厚生労働省)は、「障がい者制度改革推進本部」の下に設置された「障がい者制度改革推進会議」や「部会」における新たな福祉制度の構築に当たっては、現行の介護保険制度との統合を前提とはせず、上記に示した本訴訟における原告らから指摘された障害者自立支援法の問題点を踏まえ、次の事項について、障害者の現在の生活実態やニーズなどに十分配慮した上で、権利条約の批准に向けた障害者の権利に関する議論や、「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」(平成21年11月26日公表)の結果も考慮し、しっかり検討を行い、対応していく。
① 利用者負担のあり方
② 支給決定のあり方
③ 報酬支払い方式
④ 制度の谷間のない「障害」の範囲 
⑤ 権利条約批准の実現のための国内法整備と同権利条約批准
⑥ 障害関係予算の国際水準に見合う額への増額

四 利用者負担における当面の措置
 国(厚生労働省)は、障害者自立支援法廃止までの間、応益負担(定率負担)制度の速やかな廃止のため、平成22年4月から、低所得(市町村民税非課税)の障害者及び障害児の保護者につき、障害者自立支援法及び児童福祉法による障害福祉サービス及び補装具に係る利用者負担を無料とする措置を講じる。
 なお、自立支援医療に係る利用者負担の措置については、当面の重要な課題とする。

五 履行確保のための検証
以上の基本合意につき、今後の適正な履行状況等の確認のため、原告団・弁護団と国(厚生労働省)との定期協議を実施する。
 

5日は初出勤。 聞こえは・・・ うーむ。

2010年01月08日 09時06分55秒 | 日記(つぶやき)
5日から初出勤。夜の間降っていた雨もあがったがカチカチに凍っている。歩くのも気をつけないと。

駅に着くと左の人工内耳がピーピーと。しまった。昨夜電池切れで外したのがそのままだった。
出勤して、そこかしこに新年の挨拶をした。
挨拶は電池が切れたまま補聴器だけで、決まり文句のあけましてごにょごにょ・・・
電池を入れ替えた。

9時からskypeのテレビ電話で社長訓辞を聞く。
「これからの10年のために意識改革と体制整備」と強調される。聞こえているようだ。

いつものヤクルトのおばさんが来る。
「お正月はいかがお過ごしでしたか?」
オッ、聞こえる。
「いや、パソコンとテレビの前に座りっぱなしでしたよ。」
「×☆◎S」
何のことか分からなかった。

食堂で「ことよろ」。
騒がしいとテレビの声は断片的にしか聞こえない。

昨年の夏から会議の要約筆記は拒否されたままだ。
今年も聞こえの向上をしっかりして自分の仕事領域の確保をしないと。新年度から机がないということになりかねない。


ラビット 記

自立支援法違憲訴訟団ら、声明を発表。

2010年01月08日 01時52分04秒 | 福祉サービス
障害者自立支援法違憲訴訟をしていた原告、弁護団、支援者たちが、政府と基本とうい文書を交わし、訴訟を取り下げることになった。

原告たちは以下の声明を発表したと通知があった。

この運動に直接関わらなかったが、聴覚障害者、難聴者の問題もこれに合わせて、新しい福祉施策、合理的配慮を目指していきたい。


ラビット 記
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━━VICTORY━━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━

  ◆障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会◆
     ニュース 2010.1.7 第77号
   http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/

━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━

◆(1)国(厚生労働省)と基本合意文書を調印しました
    歴史動かす一歩

つぎの声明文が発表されましたので速報します。
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声明文「国との基本合意締結にあたって」
    
 本日、障害者自立支援法違憲訴訟の原告71名と弁護団は、国(厚生労働省)との間で基本合
意書を締結し、本件訴訟の終結を図ることとした。 

 2008年10月30日の第一次全国一斉提訴以降、全国14地裁、原告71名は、障害者自立支援法の応益負担制度導入により、人としての尊厳を傷つけられるとともに、経済的に困窮し、将来への計り知れない不安を抱く状況に陥っている全国の障害者のために、同制度の違憲性の確認と応益負担制度の廃止を求め、やむにやまれぬ思いで違憲訴訟に踏み切った。

 その後政権が交代し、与党三党の合意により障害者自立支援法及び応益負担制度の廃止が宣言され、これに伴い、国は、従来の主張の見直しとともに、原告らに対し、訴訟終結に向けた協議の申し入れをしてきた。原告らは熟慮の結果、これに応じ、本日まで3ヶ月余り、訴訟に至った原告それぞれの思いを原点に、国に障害者の声と実態を踏まえた合意を求めるべく、精力的に協議を行ってきた。

 その結果、本日、本件訴訟を提起した目的と趣旨に見合うところの合意内容に達することができたため、本基本合意の締結に至ったものである。

 本基本合意は、
(1) 判決を前提としない段階で、国と原告らとが真摯かつ積極的に合意形成に努めた協議が生み出したものであること、
(2) 国の制度・法律の変更自体を約束するという、基本的な政策形成に関し、訴訟当事者と国との確約するという初めてのものであること、
(3) 自立支援法の制定経過の問題点と応益負担の導入を反省し、再発防止を約束していること、
(4) 今後の障害福祉施策の基本理念として、初めて、基本的人権行使の支援にあることを明確にしたこと、
(5) 合意内容実現のため定期協議による検証の場を設けたこと等、社会保障裁判の歴史や障害者福祉運動において画期をなす歴史的なものである。

 これは、原告らが、まさに自らの生活の実態や苦しみや不安を、勇気をもって各裁判所に訴えてきた、その一つ一つの事実の重みを、国が受け止めざるを得なかった結果である。

 とはいえ、国の障害者自立支援法の宣言にもかかわらず、次年度予算措置における十分な低所得者無償化への財源確保ができなかったことなど、本基本合意へ踏み切る道筋は平坦ではなかった。

 本基本合意の締結により訴訟は終結のための手続に入るが、これは自立支援法の廃止と新たな総合的福祉法制に向けた新たな出発にすぎない。原告71名は、引き続き、本基本合意の内容が真に達成される日まで、定期協議などを通じて、原告らをはじめとした当事者の声を反映し、国が「障害のある当事者が社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために最善を尽くす」(本基本合意書前文)よう、全国の障害者、家族、関係者とともに、不断の努力を続けるものである。

 最後に、これまで本訴訟を支え、励まし、協力をしていただいた全国の方々に心から御礼を申し上げるとともに、今後とも共に手を携えて、新しい障害福祉の未来のために尽力いだくことをお願いして、本声明とする。

以 上

  2010年1月7日
    障害者自立支援法違憲訴訟 原告71名一同
    全国弁護団
    勝利をめざす会

何だあ、この歌番。人工内耳でも聞こえないぞ!

2010年01月05日 20時47分14秒 | 人工内耳
帰宅するとNHKの700回記念火曜コンサートが始まった。
いったいこれは何だ。

人工内耳のどの設定でも聞こえない。ADROでもASCでもビームでもミュージックでも歌が聞こえない、バックの楽器しか聞こえない。
こんなことは初めてだ。

補聴器をしている祖母も聞こえないというので、たぶん番組の方がチャカチャカうるさいのだ。


ラビット 記

諸手を上げて歓迎とはいかない 「EAS型人工内耳の「承認」について」のコメント

2010年01月03日 22時47分24秒 | 人工内耳
EAS人工内耳(いわゆるハイブリッド人工内耳)は、音のエネルギーと電気エネルギーと全く異なる方法で聴覚を得るものだ。
同じ耳で違う方法で聞くための特別な技術があるのだろうか。
補聴器部と人工内耳の聞こえのバランスを制御する機能があるのか。
そもそも聴力が低音部に残っていることを生かす理由は何か。人工内耳は低音部は効果がないからなのか。
低音部もいずれ聴力が低下するのではないか、その時EAS人工内耳はどのように対処するのだろうか。通常の電極を埋め直すのか。
不明なことが多い。

医学界、メーカーは積極的に情報を公開すべきだろう。
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(タクさんから)
ラビットさんのコメントテーマ、「諸手を上げて賛成とは・・」は、理解できますが、コメント内にある、「そもそも聴力が低音部に残っていることを生かす理由は何か。人工内耳は低音部は効果がないからなのか。」という部分は、言っている趣旨がよくわかりません。
人工内耳とEASの違いを混同しているのではと思ってしまいます。

ただ、最後の部分は大切で、進行性難聴の場合は、EAS装用については疑問が残ります。
自分もその部分について医療関係者に質問をしたことがありますが、固定化していると思われた低音部も失った場合は、当然EASでは対処できなくなるとの回答。つまり、人工内耳への装用に切り替えなければならないと解釈しました。
なお、EASについては、海外メドエル社(例えばドイツ圏とか・・・には紹介がされており、写真も載っています。
これを見ると、人工内耳との違いが形状的に理解できます。
また北米(アメリカ)圏では、案内していないようです。これは人工内耳そのものが70デシベルから可能だからではないかと想像しています。
つまり、補聴器に進歩状況や規制解除、または人工内耳の適応基準のあり方によりEASの捉え方も違ってきます。
いずれにしても、人工内耳の適応基準に達していないが、音声理解に苦しんでいる方にとっては、この技術が選択肢に加わってくることも心情的に負担を軽くするものではないでしょうか。
ラビットさんもお読みになっているようですが厚生労働省の部会の意見書の中には、費用負担について疑念があるとのことも出ています。
解決することは多々あるように思えます。
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(ラビット)
タクさん、コメントをありがとうございます。

「そもそも聴力が低音部に残っていることを生かす理由は何か。人工内耳は低音部は効果がないからなのか。」ですが、
人工内耳が聴覚の低音部に関しては補聴器よりも効果が劣るから,蝸牛の奥まで電極を入れないで温存して補聴器で補聴するためなのかということです。

高音急墜型の感音性難聴で低音部は比較的聴力が残っている人がEASの対象らしいですが、どの周波数帯がどの程度残っていれば対象になるのか、電極の蝸牛の挿入割合で制御できるのかどうかなど知りたいです。

欧米の言語の周波数帯域と日本語の周波数帯域がかなり異なることが知られています。他の国の言語の認識に果たす低音部の役割と日本語の場合とでは違うのではないか、効果に差があるのではないかなどの懸念を持っています。

タクさんの質問は重要なので、コメント欄から本文に移したいと思いますが、よろしいでしょうか。
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(タクさんから)
同じ両耳90デシベルであっても、補聴器で音声が聞こえると判断(語音明瞭度)された場合、人工内耳の対象にはなりません。
聴こえるという判断をどうとらえるのかは難しいことですね。
言語のアルゴリズムとスピーチバナナとの関係も、これは、EASというよりも人工内耳のプログラムや補聴器のプログラムにも関わる部分になります。
おしゃるように、日本語で125~1500ヘルツ、イギリス英語で2000~1万5000、アメリカ英語で1000~4000が中心として言語が成り立っているとも言われています。ちなみにスピーチバナナは250~4000ヘルツだとされています。
では日本語の125から1500はどういうものかと問われれば、おそらく母音がほとんどその領域にあるということだと思います。しかし、サとハは4000を超える部分が聴こえて明瞭になものになるようです。
ですので、プログラムを世界共通とするには無理があると思っています。
加えて、子音を使用する頻度の高い欧州では、補聴器の適用基準や人工内耳を積極的に進めている必然性があったと思える部分があります。それだけ、言語の聴きとりに不自由があるということなのだろうと推測します。

EASについていえば、人工内耳と違い、補聴器使用でも鼓膜を通じて聴いているということですので、その部分で残存できるのであれば残存した方が良いのではと思います。
また、今回のEASも、やはり大人の場合は、片耳だけの装用のようですから、ラビットさんのように補聴器と人工内耳という両耳装用とは少し違った感覚になると思えます。

いずれにしても、人工内耳の日本の適用基準に関わっていますので、そのあたりは気に留める必要があると思っています。
11日に京都大学での市民講座で、EASがテーマの一つになっていますので、よく聞いておこうと思っています。

<追記>コメントしている以上は、本文に載せていただいても構いません。
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タクさん、再び、コメントありがとうございました。

人工内耳の適用基準ですが、「補聴器で聞こえる」ということをどう捉えるかが重要だと思います。
語音明瞭度は一つの客観的データかも知れませんが限られた環境のデータです。実生活で「聞こえる」かを考えることが必要だと思います。

私の場合、磁気ループのあるようなところでは補聴器で良く聞き取れていましたが、様々な雑音の入る職場では会話することが難しかったので、人工内耳が必要と自分で判断しました。磁気ループで聞こえる右耳と反対側に人工内耳をしました。
この選択は今でも正しかったと思っています。補聴器側の出力を抑えて人工内耳側をメインにするという考えですが、補聴器側の聞こえと人工内耳側の聞こえはどのようにすべきか、試行錯誤の段階です。

例えば、周囲の雑音が増加して聞こえにくくなっているのに気づかずに、聞こえないと思って補聴器側の出力を最大限にしていたということもしばしばです。

ちょっと本題から逸れたかも知れませんが、聞こえるというのは複雑かつ不思議な感覚です。字幕のないテレビのCMを見ていて、ふっと言葉が聞き取れて頭に入ってくるんですね。



「オーディズム」って何だ?聴覚優先主義?難聴者のこと?

2010年01月02日 17時45分10秒 | 日記(つぶやき)
障がい者の権利条約の第2条コミュニケーションの定義で、言語のひとつとして、音声言語と並んで手話があげられている。

ろう者の権利の保障に、手話が必要なことは間違いないが十分ではない。
一部の論調に「オーディズム」がろう者の敵であるかのような記述があるが、これは聞こえることが悪という主張だろうか。
難聴者や人工内耳装用者が聴覚補償(聴能訓練)を求めることは聞こえる社会や聞こえる人に合わせようということなのだろうか。難聴者たちは、ろう者から排斥される対象なのだろうか。

これはきちんと理解しておかないと、ろう者と難聴者が対立しかねない。
難聴者も今の聞こえる社会の中では、コミュニケーションも情報保障も受けられない存在だ。音声か手話かではなく、聞こえないこと、聞こえにくいことが社会から排除される要因にならないように求める考えが重要だ。

下の二つ目の論文が参考になった。

ラビット 記
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「オーディズム」
これまでのろう教育は、日本手話を教育言語として認めていない。そのため、ろう者の第一言語獲得を阻み、オーディズム(聞こえ優生思想)により、自らのアイデンティティさえも確立できない状況を生みだした。今現在においても、その状況は変わっていない。近年は人工内耳の出現、インテグレーションの増加などで、ろう児を取り巻く教育環境は悪化の一途を辿っているといえるかもしれない。」
(「ろう児の教育のあり方を求めて ~ろう者の視点から~ 竹内かおり
(NPOバイリンガルバイカルチュラルろう教育センター龍の子学園 代表)、P1)
http://docs.google.com/viewer?a=v&q=cache:ntcM83BqgVgJ:www.aura.sfc.keio.ac.jp/~yjikun/panel2003/takeuchi.pdf+%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BA%E3%83%A0&hl=ja&gl=jp&sig=AHIEtbRrwugXzmg0c4BXnPJFNEjpq_ixQw

「実践家は、聞こえる人が優位であるといった観念を支持する難解きわまる抑圧の様相を示すオーディズムや、個人、制度を心に留めておかねばならない。オーディズムは、多くのろう者や難聴者、家族、コミュニティの生活の中にある。」
(聴覚障害ソ-シャルワ-カーのコンピテンシーに関する一考察
-Sheridan&White論文 “ろうと難聴”から考える- 原 順 子 、 P4)
http://www.shitennoji.ac.jp/ibu/images/toshokan/kiyo48-06.pdf

初詣 世界の聴覚障害者の幸せを祈る

2010年01月01日 13時17分52秒 | 日記(つぶやき)
初詣には、近所の別所日枝神社にお参りした。

世界の聴覚障害者の幸せを祈った。
戦争や貧困の元にいる聴覚障害を持つ人々、疾病や事故で聞こえなくたった人々すべてが安寧で豊かな生活が送れるように。

日本の千数百万人に及ぶ聴覚に障害のある人々も支援の手が差し伸べられずに苦闘している。

これらの人々への想いをはせる想像力。
新しいエネルギーの元になるという確信。


ラビット 記

中途失聴者、難聴者の支援サービスの体系化は急務!

2010年01月01日 11時50分06秒 | 福祉サービス
東京都心身障害者福祉センターが「中途聴覚障害者(中途失聴者)」の相談支援の研修会を行った。
同センターは、A型センターとして補聴器給付の聴力検査(障害認定)や以前は難聴者、中途失聴者へ直接的な支援業務を行っていたが、現在は地域のB型センターの相談支援事業の支援や自治体の業務の専門的相談等を行っている。

中途失聴者の相談支援がこれまで地域で行われていたが、他の障害に比べて分かりにくいことや当事者の求めるものが整理・体系化されてこなかったため、支援が手薄になっていた。

障害者自立支援法に変わる総合福祉サービス法の策定が検討されようとしているがこれに難聴者、中途失聴者の求める施策を充実させるためにも、必要なサービスを当事者の手によって打ち出さねばならない。

例えば、補聴器や人工内耳でどう聞こえるかから、どのような支援があれば聴能を発達させることができるのか、聴能を発達させることが社会参加促進、自立とどう結びつくのか、医療サービスと福祉サービスの統合化、リハビリテーションが権利であること、障害が社会の理解と障壁との相互作用であるという考え方との整合性など、社会に理解させるものを打ち出す必要があるということだ。


ラビット 記
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「平成21年度 中途聴覚障害者の相談支援に関する研修会」実施報告

人生の半ばで聞こえない・聞こえづらくなった中途聴覚障害者は、生活に不自由を感じながらも相談場所がわからないことなどから、ニーズが潜在化していると言われています。聴覚障害者が相談支援サービスを活用できるためには、支援者の積極的なアプローチが必要です。
今回初めて、中途聴覚障害の理解を深め、相談支援に繋げるためのノウハウ・技術を提供し、相談支援サービスの質の充実・向上を図ることを目的として「中途聴覚障害者の相談支援に関する研修会」を開催しました。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/shien/jigyou/h21houkoku/21chuutochoukakushougaikenshuu/index.html