街へ戻ってきても街には街の遊び方がある。僕らの遊びは終わらない。
次はフリスビーゴルフである。
クィーンズタウンの公園にはフリスビーゴルフのコースがある。
ボクはゴルフをやらないが、このフリスビーゴルフは好きだ。
ゴルフだって、右に左に自由自在に打てるようになったら面白いスポーツだと思う。ただそこへたどりつくためには、かなりの時間とエネルギーが必要だ。
オッサンがこう言った。
「聖のオッサン(オッサンはボクの事をこう呼ぶ)かてゴルフ始めたら絶対ハマルでえ」
ボクもそう思う。なのでボクはゴルフをやらない。ただでさえ遊ぶのに忙しいのにこれ以上趣味を増やすわけにはいかない。
その点フリスビーゴルフはフリスビーを普通に投げられれば誰でも楽しめる。子供も一緒に遊べる。ボクは深雪を何回か連れていったが、かなりお気に入りだ。何といってもタダというのが良い。こういう所で手軽に遊べるのがこの国の良さだ。
クィーンズタウンのコースはちゃんと18ホールあり、ホールごとに名前とパーが決まっている。ルールはゴルフと全く同じだ。
ロングホール、ホールインワンを狙えるホール、打ち下ろし、打ちあげ、右曲がり、左曲がり、木の間を通すホールなどなど、地形をうまく使っている。
デザインした人のセンスが良いのだ。この国の人達はこういう自然の中で遊ぶことにかけてバツグンのセンスを持っている。
フリスビーの種類もいろいろあって。ドライバー、アイアンにあたる中距離用、パター、オールラウンドもある。
ウマイ人になるとバッグの中に何枚も持ち歩き、その場所ごとでフリスビーを使い分ける。ゴルフでクラブを使い分けるのと同じだ。
一度トーナメントに出たことがあるが、出場者60名の中で、一枚のフリスビーだけで参加してるのはボクだけだった。
せっかく良いショットを出しても次の1mのパターを外すこともある。マグレのホールインワンだってある。精神状態にかなり左右されるのもゴルフと同じである。
ボクはヒマさえあればエーちゃんと、男の意地とパブのビールを賭けて公園に通う。オッサンが居るときはもちろん3人で勝負だ。
ちなみにエーちゃんとの対戦成績はボクの46勝7敗ぐらいである。よっぽど調子が悪いとボクが負けるが連敗したことはない。連勝記録は13勝ぐらいだ。
そんなフリスビーゴルフへリオを連れてきた。
だいたいボクは初めての人とやる時は本気を出さない。こっちは何十回とやっているので勝ってあたりまえだ。だがリオはなかなかセンスが良く、こちらも真剣にやらないと負けそうな腕前である。
「オマエ、本当に初めてかあ?それにしては上手いな。エーちゃんよりも上手いかもしれないぞ」
「そうですかあ?」
「ホントだよ。エーちゃんは去年始めた時はヘタクソでなあ、毎回オレにビールをおごり続けたんだから。そのおかげで今はだいぶマシになったけど、オマエには勝てないかもしれないなあ」
エーちゃんが聞いたらさぞかし悔しがるだろうが、事実なのだから仕方がない。
こういうヤツがちょっと練習したら、たちまち上手くなってボクに勝ってしまうだろう。こっちが連戦連敗のエーちゃんになってしまう。リオが旅人で良かった。
なんとかリオに競り勝ち、地元ローカルの面目を果たしたボクなのであった。
続
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