ヒロシの日記

たくさんの人たちの幸福を願いつつ、常に自然な生き方を望む私の日記です。

十万本の矢

2008-12-30 22:25:23 | 日記
十万本の矢
三国志絵本 
唐 亜明 文
于 大武 絵


孔明の策略で、沢山の藁人形を載せた二十隻の呉の軍船は、霧の中を魏の軍陣に近づいていきました。
同士討ちになりかねない霧の中での戦いを避けた魏の陣幕からは、雨あられと矢が射かけられます。
しかし船の上には誰一人としておらず、藁人形だけが立っています。
およそ10万本もの矢を藁人形に受けた呉の船は、霧が晴れると悠々と引き揚げていきました。
孔明は10万本の矢を持ち帰り、周瑜との約束を果たしたのでした。


魯粛は、周瑜のもとへいそぎました。
報告をうけて、周瑜は、「孔明の才能には、まったくかなわないな」と、つぶやいただけでした。


『三国志演義』の赤壁の戦いの中でも最も有名なお話です。

中国の物語を中国の作家が絵本にしたものですが、日本で例えるなら豊臣秀吉の若い頃(藤吉郎)の成功譚でしょうか。
絵本の世界では、力より優れた知恵の方が取り上げられることが多いからです。

そしてこの絵本のことで書けば、絵の迫力は先日封切られた映画「レッドクリフ」にも引けを取りません。
兵士は本当に強そうでしたし、絵本の孔明はまさに金城武のそれを彷彿させるものでした。
魯粛に至っては、そのキャラクターは映画の中にそのまま出てもおかしくないくらいで、絵本の描くリアリティが映画や演劇にも匹敵するものであることをこの本は証明してくれます。

しかし、今の日本の絵本でこれだけのものがあるかは、自信のないところであってとても残念です。
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アレクサンダ と ぜんまいねずみ

2008-12-30 21:18:27 | 日記
アレクサンダ と ぜんまいねずみ
作・絵: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎
出版社: 好学社


「ぼくは・・・・・」 アレクサンダは いいかけて やめた。
そして とつぜん いった。「とかげよ とかげ、ウィリーを
ぼくみたいな ねずみに かえてくれる?」
とかげは まばたきした。 めもくらむような ひかり。
そして すべてが しーんと しずまりかえった。
むらさきの こいしは きえて いた。


ネズミのアレクサンダを見ると人間は、悲鳴を上げたり彼を追いかけたりしました。
しかし彼は、ほんの少しのパン屑が欲しかっただけなのです。
ある夜、アレクサンダはその家の子供の部屋で、ウィリーというぜんまいで動くオモチャのネズミと出会いました。
ウィリーは人間にぜんまいを巻いてもらわないと動きませんが、アレクサンダはウィリーを好きになり、誰もいない時に彼と話をしたりして楽しい時間を過ごしました。
アレクサンダは、ウィリーが人間から可愛がられて大事にされていることを知ると、人間から嫌われている自分が悲しくなりました。

ある日、アレクサンダは、ウィリーから不思議な話を聞かせてもらいました。
生き物を他の生き物に変えることのできる魔法のとかげが庭にいると言うのです。
アレクサンダは、そのとかげの魔法で自分を人間にかわいがられるウィリーと同じぜんまいネズミにかえてもらおうと思いました。

アレクサンダは、ウィリーから聞いた場所でとかげを見つけて願いを言いましたが、とかげはアレクサンダに月がまんまるの時に紫の小石を持ってくるよう言いました。
それを聞いたアレクサンダは、くる日もくる日も紫の小石を探しましたが、見つかりません。

疲れ果てて家に戻った彼は、捨てられてしまう箱の中に他の古いオモチャと一緒のウィリーを見つけてびっくりしました。
その家の子供の誕生パーティの日にみんながプレゼントを持ってきたので、ウィリーのような古いオモチャは捨てられることになったのです。
アレクサンダがウィリーの不幸を嘆いたその時、偶然にも彼の捜していた小石が目に入りました。
アレクサンダは、その小石をしっかり抱いて、庭のとかげのもとへ走ります。

呼びかけて出てきたとかげに、アレクサンダは前から思っていた願いを言おうとしましたが止めました。
そして次にこう言ったのです。

「とかげよ とかげ、ウィリーを ぼくみたいな ねずみに かえてくれる?」


レオ=レオニの画風はご記憶にあるでしょうか?
貼り絵による技法がデザイン性に富んでいて実にスタティックですが、ストーリーは実にダイナミックでドラマチックです。
アレクサンダが、友達のぜんまいネズミのために魔法を使った時は、涙が出ました。
友達の苦難に対して、私たちはアレクサンダのように、友人のためにしてあげられるでしょうか?

レオ=レオニの作品がもうひとつ手元にありました。
これも友人をテーマにしたものだと思いますが、次の機会にご紹介したいと思います。
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一日中家の中で片付けと掃除でした

2008-12-30 21:03:17 | 日記
妻が母親にお節料理を届けるために東京に出たので、老父母と同居の我が家では名目が留守番です。

私の場合、大掃除と言えるような大がかりなことはしません。
普段手が付けられないところが中心ですが、天気が良かったので布団干しもしました。

新年を迎える支度で忙しかった妻に、ふかふかの布団で寝てもらいたかったからです。

写真は撮りませんでしたので、この後で絵本のレビューをアップします。
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