どろんこハリー
作: ジーン・ジオン
絵: マーガレット・ブロイ・グレアム
訳: わたなべ しげお
出版社: 福音館書店
税込価格: 1,260
(本体価格:1,200)
発行日: 1967年6月1日
*ハリーは、くろいぶちのある しろいいぬです。
*なんでも すきだけど、おふろにはいることだけは、だいきらいでした。
*あるひ、おふろに おゆをいれるおとが きこえてくると、ブラシをくわえて にげだして・・・・・・
ハリーは そのブラシを裏庭に埋めてしまいました。
それから外へ出ると道路工事のところで遊んで泥だらけに、そして蒸気機関車がその真下を通る橋の上で遊んですすだらけになってしまいました。
そして、ほかの犬たちとも遊んで、もっともっと汚れてしまい。
ついには、石炭を滑り台で荷降ろしするトラックの滑り台でまっ黒けになって「*しろいぶちのある くろいいぬになってしまいました。
ハリーはもっと遊びたかったのですが、家出をしたと思われたら大変ですし、それにすっかりくたびれてしまいおなかも空いてしまったので、寄り道をしないで走って家に帰りました。
垣根から裏庭にもぐり込んで家の裏口を見ていると、家の中から声が聞こえます。
*「うらにわに へんないぬが いるよ。 そういえば うちのハリーは、いったい どこへ いったのかしら?」
家からお母さんと子ども達が出てきます。
しかし、誰もその犬をハリーとは思いませんでした。
ハリーは家のみんなに自分がハリーだということを教えたくて、知っている芸当をやってみせます。
逆立をしたり、宙返りをしたり転がったり、死んだ真似もしました。ダンスや歌もやりました。
しかしやっぱりみんなは首を振ってこう言うと、家の中に戻ってしまいました。
*「なんだか ハリーみたいだけど、これは ハリーじゃないよ」
ハリーはがっかりしながら門の方に向かいましたが、急に立ち止まって裏庭に走って戻ると一生懸命に穴を掘りはじめました。
そして掘った穴からブラシをくわえて飛び出すと、そのまま家の中にかけ込み、二階に向かっていちもくさんに駆け上がって行きました。
家のみんなもハリーの後を追います。
ハリーは風呂に飛び込むと、ブラシをくわえたまま洗って欲しいとちんちんの仕草をしました。
ハリーがこんな芸当をしたのは初めてです。
子ども達はこの仕草で、この真っ黒な犬が何をして欲しいのか分かりました。
子ども達にブラシでごしごし洗ってもらうと、真っ黒な犬は白い体に黒いぶちのある白い犬になり、やっとみんなはその犬がハリーだと分かりました。
お風呂の後に晩ごはんを食べると、ハリーはやっと落ち着きました。
お気に入りの場所でぐっすり眠ると、昼間のどろんこになって楽しかった夢をみています。
ふとんの下に隠した固いブラシも気になりませんでした。
誰しもが持っている欲求であり、自分に帰る場所がある幸せを描いた絵本です。
どろんこになっても、遊び疲れても、おなかが空いても、帰る場所があるなら心配は要りません。
読者の子供達はハリーの幸せを疑いませんし、自分たちがハリーと同じように幸せであることを疑うこともないでしょう。
これを読んだ大人が自分のことをハリーだと思うならそれもまた結構なことです。
しかしまだ大人にならない子どもがいるなら、やはりハリーを子供に置き換えて読んで欲しいものです。
子供の虐待や育児放棄の記事はいつになっても絶えることはありません。
そのようなことが起きている家庭の子ども達は、この本を手にした時どんな感想を抱くでしょうか?
作: ジーン・ジオン
絵: マーガレット・ブロイ・グレアム
訳: わたなべ しげお
出版社: 福音館書店
税込価格: 1,260
(本体価格:1,200)
発行日: 1967年6月1日
*ハリーは、くろいぶちのある しろいいぬです。
*なんでも すきだけど、おふろにはいることだけは、だいきらいでした。
*あるひ、おふろに おゆをいれるおとが きこえてくると、ブラシをくわえて にげだして・・・・・・
ハリーは そのブラシを裏庭に埋めてしまいました。
それから外へ出ると道路工事のところで遊んで泥だらけに、そして蒸気機関車がその真下を通る橋の上で遊んですすだらけになってしまいました。
そして、ほかの犬たちとも遊んで、もっともっと汚れてしまい。
ついには、石炭を滑り台で荷降ろしするトラックの滑り台でまっ黒けになって「*しろいぶちのある くろいいぬになってしまいました。
ハリーはもっと遊びたかったのですが、家出をしたと思われたら大変ですし、それにすっかりくたびれてしまいおなかも空いてしまったので、寄り道をしないで走って家に帰りました。
垣根から裏庭にもぐり込んで家の裏口を見ていると、家の中から声が聞こえます。
*「うらにわに へんないぬが いるよ。 そういえば うちのハリーは、いったい どこへ いったのかしら?」
家からお母さんと子ども達が出てきます。
しかし、誰もその犬をハリーとは思いませんでした。
ハリーは家のみんなに自分がハリーだということを教えたくて、知っている芸当をやってみせます。
逆立をしたり、宙返りをしたり転がったり、死んだ真似もしました。ダンスや歌もやりました。
しかしやっぱりみんなは首を振ってこう言うと、家の中に戻ってしまいました。
*「なんだか ハリーみたいだけど、これは ハリーじゃないよ」
ハリーはがっかりしながら門の方に向かいましたが、急に立ち止まって裏庭に走って戻ると一生懸命に穴を掘りはじめました。
そして掘った穴からブラシをくわえて飛び出すと、そのまま家の中にかけ込み、二階に向かっていちもくさんに駆け上がって行きました。
家のみんなもハリーの後を追います。
ハリーは風呂に飛び込むと、ブラシをくわえたまま洗って欲しいとちんちんの仕草をしました。
ハリーがこんな芸当をしたのは初めてです。
子ども達はこの仕草で、この真っ黒な犬が何をして欲しいのか分かりました。
子ども達にブラシでごしごし洗ってもらうと、真っ黒な犬は白い体に黒いぶちのある白い犬になり、やっとみんなはその犬がハリーだと分かりました。
お風呂の後に晩ごはんを食べると、ハリーはやっと落ち着きました。
お気に入りの場所でぐっすり眠ると、昼間のどろんこになって楽しかった夢をみています。
ふとんの下に隠した固いブラシも気になりませんでした。
誰しもが持っている欲求であり、自分に帰る場所がある幸せを描いた絵本です。
どろんこになっても、遊び疲れても、おなかが空いても、帰る場所があるなら心配は要りません。
読者の子供達はハリーの幸せを疑いませんし、自分たちがハリーと同じように幸せであることを疑うこともないでしょう。
これを読んだ大人が自分のことをハリーだと思うならそれもまた結構なことです。
しかしまだ大人にならない子どもがいるなら、やはりハリーを子供に置き換えて読んで欲しいものです。
子供の虐待や育児放棄の記事はいつになっても絶えることはありません。
そのようなことが起きている家庭の子ども達は、この本を手にした時どんな感想を抱くでしょうか?