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憩いと安らぎを・・・

涙あふれるの1冊の本

2008-12-19 21:22:06 | 気になる話題
かばんの中には、いつも1冊の本を入れています。

通勤時に読むための本です。
文庫本の小説や趣味の雑誌が多いです。
時には、料理本が入っていたこともあります。

今回の本は、1ヶ月以上もかばんにありました。
9月25日の公演に凄く感動しました。(その日付のブログを参照してください)
その講師をされた向野幾世さん書かれた本なのです。
「お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい」というノンフィクションです。

        

一度廃刊になりましたが、一つの投書がきっかけとなって再版されたそうです。
いつもいく小さな書店には置いていなくて、10月に大型書店に行った際に買ってきました。

開いたところの最初の詩を読んだだけで涙が溢れてきました。

向野氏が養護学校の教員をされていた時の記録なのです。
脳性麻痺という重度の障がいを持ったやっちゃんが中心になっています。
そのやっちゃんが書いた詩なのです。

最初はスラスラと読んでいましたが、あるところからは中々進みません。
それは、涙が溢れてくるからなのです。
帰りの電車では、ハンカチとティッシュが必需品でした。

可哀想でなくのではありません。
やっちゃんをはじめ、障がいのある子供達のみんなの詩に感動するのです。
障がいのある子供への両親や家族の愛に感動するのです。

やっちゃんの純粋な心とひたむきな生き方に心が震えます。
これほどまでに感動することに驚き、そのことに喜びを感じました。

こんなに胸を打つ本は初めてのような気がします。
皆さんにも、是非読んでほしい1冊です。


やっちゃん詩と、それに応えたお母さんの詩を紹介しておきます。

≪やっちゃん≫

  ごめんなさいね おかあさん
  ごめんなさいね おかあさん
  ぼくが生まれて ごめんなさい
  ぼくを背負う かあさんの
  細いうねじに ぼくはいう
  ぼくさえ 生まれなかったら
  かあさんの しらがもなかったろうね
  大きくなった このぼくを
  背負って歩く 悲しさも
  「かたわな子だね」とふりかえる
  冷たい視線に 泣くことも
  ぼくさえ 生まれなかったら


                        ≪おかあさん≫

                          私の息子よ ゆるしてね
                          わたしのむすこよ ゆるしてね
                          このかあさんを ゆるしておくれ
                          お前が 脳性マヒと知ったとき
                          ああごめんなさいと 泣きました
                          いっぱいいっぱい 泣きました
                          いつまでたっても 歩けない
                          お前を背負って歩くとき
                          肩にくいこむ重さより
                          「歩きたかろうね」と母心   
                          “重くはない”と聞いている
                          あなたの心が せつなくて
                          わたしの息子よ ありがとう
                          ありがとう 息子よ
                           あなたのすがたを見守って
                          お母さんは 生きていく
                          悲しいまでの がんばりと
                          人をいたわるほほえみの
                          その笑顔で 生きている
                          脳性マヒの わが息子
                          そこに あなたがいりかぎり


≪やっちゃん≫

  ありがとう おかあさん
  ありがとう おかあさん
  おかあさんが いるかぎり
  ぼくは生きていくのです
  脳性マヒを 生きていく
  やさしさこそが 大切で
  悲しさこそが 美しい
  そんな人の生き方を
  教えてくれた おかあさん
  おかあさん
  あなたがそこに いるかぎり


【書籍のデータ】
 書籍名 : お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい
 著 者 : 向野幾世(こうのいくよ)
 発 売 : 扶桑社(680円)
 出版社 : 産経新聞出版