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日本で一番長い距離を走る列車は?

2010-01-04 22:52:10 | 鉄道・公共交通/趣味の話題
「日本で一番長い距離を走る列車は?」これ、いわゆる鉄道雑学クイズの定番だったりする。

九州ブルトレが健在だった頃は「はやぶさ」とか、今だったら「トワイライトエクスプレス」と答える人が多いだろう。だが、それはハズレ。実際には、この記事で紹介されている列車が「長距離列車ナンバーワン」である。

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札幌―福岡間を毎日快走20年 国内最長のJR貨物列車(朝日新聞)

 「日本で最も長い距離を走る列車は」と問えば、東京や大阪と北海道を結ぶ寝台列車を思い浮かべるかも知れない。だが、答えは「札幌と福岡を結ぶコンテナ専用列車」だ。定期列車になって20年。地味な存在だが、季節の農産物など生活を支える品を毎日せっせと運んでいる。

 札幌―福岡間の走行距離は2132キロ。旅客列車で最長の寝台特急「トワイライトエクスプレス」(大阪―札幌)の約1500キロより、はるかに長い。1959年に国内でコンテナ専用列車が走り始めて50年たつが、この路線は青函トンネルの開通後に運行を始め、90年に定期列車に格上げされた。

 長い旅の始まりは札幌貨物ターミナル駅だ。毎日午後9時50分、コンテナを積んだ20両の貨車が機関車にひかれて動き出す。秋田、新潟と日本海沿いを南下。大阪から神戸に入って山陽線を通り、福岡貨物ターミナル駅には翌々日の午前10時57分に到着する。

 この間、37時間07分。最高時速は95キロ。本州では貨物を積み下ろしせず、ひたすら突っ走る。福岡発のルートは所々で積み下ろしがあるため、43時間20分だ。これでも船や車より速い。飛行機を除けば札幌―福岡間の最短の貨物輸送手段となる。乗務員だけは途中で交代して16人がリレーしていく。

 札幌発の主な貨物は、タマネギやジャガイモなど北海道を代表する野菜。最近は味とお手ごろ価格で人気の道産米も増えてきた。貨物量のピークは収穫の秋で、貨物列車としては異例の「満席」になることもある。福岡発はこれらの農産品を加工した菓子や食品が中心だという。

 スピードが売りものだけに、生鮮食品など日持ちのしない貨物も多い。昨年度の平均積載率は81.6%と高く、JR貨物北海道支社は「貨物業界ではとても人気がある列車なんですよ」。荷主の期待を背負って1年365日、今日も休まず走り続ける。(伊藤唯行)
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とはいえ、これ、鉄道誌でない一般メディアが取り上げるような話題なのか、という気もする。いわゆる「暇ネタ」(記事がなくて紙面が埋まらないときのためにあらかじめ取材し、書きためておくネタのこと)のひとつだろう。

この貨物、鉄道ファンの中でも貨物ファンには比較的よく知られた列車である。20年間、毎日走り続けているというところも人気の秘密だろう。

車や船より速いというのは意外なようにも思えるが、最近の貨物列車は昔では考えられないほどスピードアップしている。それに、大阪から青森までこの列車は日本海縦貫線を走る。日本列島は弓形をしているので、日本海縦貫線を走れば走行距離は短くて済む。このあたりの事情もスピードアップに貢献している。

羽越本線などの単線区間では、普通列車が貨物列車を待避することさえある。普通列車の乗客にしてみれば「俺たちは荷物以下なのか」と気分を悪くしそうだが、高い貨物運賃を払って荷物を預けている荷主と、安い運賃しか払わないで列車に乗っている旅客のどちらを優先すべきか考えれば、このような運行形態に一定の理解はできる。それに、生鮮食料品は高速輸送しないと傷んでしまうが、人間は別に高速輸送しなくても傷むことはない。ある意味、合理的な運行形態といえる。

それにしても、国鉄民営化による貨物輸送の変化の象徴のようにもてはやされたこの列車ももう20年とは…。登場当時は、単なるバブルの寵児、どうせすぐ消えると冷ややかに眺める鉄道ファンもいた。そうした中、日本で最長距離を走るこの列車が日本の物流の中にしっかりと根を下ろし、定着していることが嬉しい。

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