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明石歩道橋死亡事故、元副署長を起訴へ~起訴議決適用第1号

2010-01-27 23:15:51 | その他社会・時事
検察審査会、初の起訴議決=元副署長、刑事裁判に-明石歩道橋事故(時事通信)

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 兵庫県明石市で2001年7月、花火大会の見物客ら11人が死亡し247人が負傷した歩道橋事故で、業務上過失致死傷容疑で書類送検され、神戸地検が嫌疑不十分で不起訴とした榊和晄・元兵庫県警明石署副署長(62)について、神戸第2検察審査会は27日、起訴すべきだとして、法的強制力を持つ「起訴議決」をした。今後、裁判所が指定した検察官役の弁護士が業務上過失致死傷罪で起訴する。

 昨年5月に制度が導入された改正検察審査会法の施行後、初の起訴議決。地検は元副署長を4回不起訴としたが、一般市民から選ばれた検察審査会の「民意」によって、初めて法廷で刑事責任が問われる。議決書はまず「有罪か無罪かという検察官と同等の立場ではなく、市民感覚の視点から公開の裁判で事実関係と責任の所在を明らかにし、再発防止を望む点に基本的立場を置く」と強調した。

 元副署長の過失について、地検が事故当日だけをとらえ判断した点を理解できないと言及。雑踏警備の計画段階で、以前にあった別のイベントの混雑状況と比較すれば、歩道橋での見物客の滞留や混雑が予測でき、計画が不十分と認識できたと指摘した。

 事故当日も、元副署長には歩道橋の状況をビデオカメラなどで常時監視し、事故を回避する措置を取る義務があったと認定。「適切な指示をすれば事故は回避できたのに監視を怠り、漫然と放置した明らかな注意義務違反があった」として、過失を認めた。
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花火大会の見物客らが将棋倒しになり死亡した明石歩道橋事故が、2009年5月に施行された改正検察審査会法に基づく「起訴議決制度」適用第1号となった。11人の委員中8人以上の多数で2回、「起訴相当」が議決されれば、対象者が自動的に起訴となる制度である。

当ブログが、この事件にきわめて注目しているのには理由がある。この事故の後を追うように進んでいるJR尼崎事故関係者の不起訴処分を巡る検察審査会の判断に、今回の議決が「先行例」として重大な影響を与えると考えるからだ。

まず、明石歩道橋事故とJR尼崎事故の、発生からの経過をまとめてみよう。

<明石歩道橋事故>
警察の安全対策の不備(警備の過失)により事故発生→神戸地検が関係者を不起訴に→被害者が検察審査会に審査申し立て→神戸第2検察審査会が起訴相当議決→神戸地検が関係者を再び不起訴に→改正検察審査会法に基づいて神戸第2検察審査会が自動的に再審査→神戸第2検察審査会が再び起訴相当の議決→起訴

<JR尼崎事故>
JR西日本の安全対策の不備(速度照査型ATS未設置)により事故発生→神戸地検が山崎社長(当時)を除く関係者を不起訴に→被害者が検察審査会に審査申し立て→神戸第1検察審査会が起訴相当議決→神戸地検が関係者を再び不起訴に→改正検察審査会法に基づいて神戸第1検察審査会が自動的に再審査

このように、両事故は驚くほど経過が酷似している。被害者が原因究明のため活発に活動している点も同じである。不起訴にしたのが両方とも神戸地検というおまけまでついている。地元神戸では、地検が明石歩道橋事故で元署長を不起訴にし、バッシングを受けてトラウマになったことがJR尼崎事故における山崎正夫社長(当時)の起訴を促したとの報道もある。つまり、関係者が好むと好まざるとにかかわらず、すでにこの両事件はお互いに影響を与え合いながら事態が推移してきたのである。

今回の検察審査会の判断は、事故発生以降の経過も酷似し、不起訴にしたのも同じ地検なら、審査が持ち込まれたのも同じ検察審査会(第1と第2の違いはあるが)ということで、後を追いかけるJR尼崎事故での歴代3社長(井手正敬氏、南谷昌二郎氏、垣内剛氏)の起訴を巡る判断に決定的影響を与えることになるだろう。

何度不起訴とされても決して諦めることなく、警察関係者の責任を問い続けた明石歩道橋事故被害者の粘り強い活動が、今、JR尼崎事故を巡る歴代3社長の起訴を大きく引き寄せる力になりつつある。

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