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JR脱線事故 「天下り元運輸部長」らは不起訴不当

2010-01-29 23:54:34 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR脱線事故 元運輸部長ら不起訴不当 検察審査会(神戸新聞)

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 乗客ら107人が死亡した2005年の尼崎JR脱線事故で、神戸第1検察審査会は29日、業務上過失致死傷容疑で書類送検され、不起訴(嫌疑不十分)となった橋本光人・JR西日本大阪支社長(56)と三浦英夫・同社運輸部長(59)=肩書きはいずれも当時=について「不起訴不当」とする議決を公表した。議決は20日付。


 「起訴相当」とは違い議決に法的拘束力はなく、神戸地検が今後、再捜査して不起訴にしても、強制起訴には至らない。

 2人は、死亡した運転士への懲罰的な日勤教育や過密なダイヤ編成が事故を招いたとして書類送検されたが、地検は「因果関係を認めることは困難」と不起訴にした。

 議決書によると、審査会は、運転士が速度超過したまま現場カーブに進入した背景として、直前の運転ミスに動揺しブレーキをかけ忘れたか、ミスで生じた遅れを取り戻すため速度を制御しなかった-と推論した。

 その上で「(過酷な)日勤教育や余裕のないダイヤ編成を過失行為とはできないとした検察官の判断は再検討すべき」と指摘した。

 審査は負傷者の男性(23)=福岡市=が昨年10月に申し立て、6回の会議で議決に至った。

 神戸地検の山根英嗣次席検事は「議決内容を検討の上、適切に対処する」とコメント。男性の母親(51)は「強制起訴は難しくても一歩前進。神戸地検は再捜査で、事故の真相を明らかにし、起訴してほしい」と話した。(飯田 憲)
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ここ数日、検察審査会ネタが続いているが、今度はJR尼崎事故を巡り、2人の元部長に「不起訴不当」の議決があった。ただし「起訴相当」と異なり、「不起訴不当」は2回の議決があったとしても、自動起訴とはならない。

検察審査会法は、起訴相当を議決するときは検察審査員8人以上の多数によらなければならない(同法39条の5第2項)と定めているが、不起訴不当については具体的な数の定めがない。要するに、この2人に対しては8人以上の賛成が得られなかった、ということなのだろう。

ところで、今回、審査対象となった橋本光人氏は、尼崎事故から約1ヶ月後(2005年5月)に辞任し、表向きは事故の責任をとるかのようなポーズを見せながら、実際には、1年後の2006年6月、子会社「JRサービスネット金沢」(金沢市)の専務として天下りした。しかも、大阪支社長在職中、2005年度の大阪支社長方針のトップに「稼ぐ」を掲げた最高責任者である。JR西日本のこうした企業体質を作り上げたのが、第一義的には「天皇」と呼ばれた井手正敬・元社長であるとしても、現場トップとして利益最優先・安全軽視の会社方針の実行部隊トップであった橋本氏の責任はきわめて大きなものがあるといわなければならない。

その意味で、今回、橋本氏が起訴相当議決に至らなかったことは残念だが、自動起訴にならないとはいえ、不起訴不当の議決を勝ち取ったことには少なくない意義があるということもまた事実であろう。

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