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岩手県沖で今朝発生した地震について

2011-06-23 23:07:43 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第48報)

緊急地震速報を聞いたのはずいぶん久しぶりの気がする。私の住む地域では大きな揺れはなかったが、震源に近い東北北部太平洋沿岸では震度5弱を記録した。

リンク先にあるとおり、発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型、つまり地殻同士が内側に押し合って発生したものである。東日本大震災の約20分後に連動して起きた地震の震央にきわめて近く、余震と見ていい。

3.11では岩手県沖、宮城県沖、茨城県沖のプレート境界が連続して滑った。リンク先PDFの4ページ、震央分布に関する資料を見ると、宮城県沖のアスペリティ(固着域)が14時46分にまず剥がれて滑り、岩手県沖では15時08分、茨城県沖では15時15分と、南北ほぼ同時に地震が発生した。宮城県沖で発生した固着域の剥がれによる滑りが南北に波及していったことが読み取れる。

この3つの震源のうち、宮城県沖では4月7日にM7.1の余震が発生した。4月11日に福島県浜通りでもM7.0の地震が発生しているが、この地域は3.11には揺れなかったので、この地震は3.11の余震でなく関連地震だと見るべきだろう。ただし、3.11による地殻の歪みは4.11である程度修正されたと考えられる。

そして今回、まだ余震が発生していなかった「北」と「南」の震源域のうち、「北」に当たる地域で余震が起きた。この地震により、この地域での地震活動が収束に向かうかどうかは今のところ何とも言えない。3.11の本震がM7.4だったことを考えると、今日の地震のM6.7というのは「余震は本震より一回り小さい」の法則通りであり、これで収束に向かうとする見方もあり得よう。しかし、3.11のプレート境界全体の滑り方から見ると、地震活動が収束するにはまだ不十分の見方もあり得る。場合によっては、ここ2~3日のうちに、再度同程度の地震の可能性もあり得ると思うので、十分注意してほしい。

そして怖いのが「南」、つまり茨城県沖だ。この地域は3.11以降、「本震より一回り小さい」規模の余震がまだ起きていない。本震がM7.7だったことから、これより一回り小さいM6規模の余震は十分起こりうる。こちらも十分注意が必要である。

なお、今朝の地震と直接関係はないが、3.11当時、震度観測点で停電や観測機器の故障のため欠測となっていた地域の震度データが集まり始めたらしく、気象庁から震度の訂正発表が行われている。驚いたことに、震度が訂正された全地点で震度が当初発表より大きい方に訂正されている。つまり、3.11当時の発表が過小発表だったことになる。未曾有の大地震であり、混乱の渦中だからやむを得ない部分があったことは事実だが、中には「東京都江東区枝川」のように、当初発表の震度3から5強と、一気に3段階も強い震度に訂正された場所もある。

逆に、当初発表より小さい震度に訂正された地点は1カ所もなく、パニックを抑えるため、3.11当日に過小発表したのではないかという疑惑が拭えない。

震度5弱が、3.11当日に3と発表されていた地域がこのほかにもある。市民が適時適切な対策を取れるよう、気象庁には早い段階で正確な震度発表をするよう期待したい。

気象庁がもし、正確な震度を発表して市民がパニックを起こすかもしれないなどと考えているとしたら、そのような心配は無用である。政府が考えているよりこの国の国民はずっと賢明だし、一部で買い占めなどの騒ぎはあったものの、地震や津波からの避難に伴うパニックは全くと言っていいほど起こらなかった。

むしろ、(特に原発事故に関して)正確な情報を隠すことに汲々としているうちに、自分でも何が真実なのかわからなくなってひとりで混乱しているのは政府のほうではないのか。そうしたばかげた政府を国民はとっくに冷めた目で見て、頼りにならないと判断し、自分の頭で考えて行動し始めている。この期に及んでもなお「この国の愚民どもは簡単に騙せる」と思っているとしたら、今こそ政府は頭を切り換え、賢明な国民から広く復興のための知恵を求めるという方向に転換してもらいたい。

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