平成28年10月21日14時07分頃の鳥取県中部の地震について(気象庁報道発表)
鳥取での地震について、コメントしておきたい。
地震の規模はM6.6で、今年4月の熊本地震(M6.4)とほぼ同程度。M7.2の阪神大震災と比べてエネルギーは約32分の1。地震の深さは11kmで、これも熊本地震と同じ。発震機構(地震のメカニズム)は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型(速報)。熊本地震は、南北方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型だった。圧力軸の方向が違うだけで、横ずれ断層型は熊本地震と同じである。ここまで何もかも同じだと、やはり熊本地震によって引き起こされた関連地震なのでは……と思ってしまう。
熊本地震とともに気になるのは、9月12日に韓国・慶州で発生した地震だ。この地震の規模はM5.8、深さは10kmと熊本、鳥取と大変よく似ている。発震機構は正断層型(断層を境に地殻が互いに引っ張り合う張力軸型の地震)であるとされ、熊本、鳥取の圧力軸型(断層を境に地殻が互いに押し合う地震)とは逆のメカニズムが働いている。
ただ、発震機構が逆だからといって、熊本・鳥取と慶州の地震が無関係とも思えない。今回の鳥取地震の圧力軸の方向(西北西-東南東)の延長線上に韓国・慶州が位置しているからだ。その上、熊本、韓国・慶州、鳥取の震源はいずれもユーラシアプレートの上にあり、その縁に近いという共通点もある。近年、ユーラシアプレートが活発化しているのは明らかであり、何となく、この3つの地震をセットで考えなければならないような気がしている。
今回、震度6弱を記録した14時7分の地震の2時間ほど前、12時12分に、「前震」とみられる震度4の揺れを記録している。このとき、私は昼休みに家に帰り、昼食を摂っている最中にテレビで地震速報のテロップを見た。
テロップの直後、震源となった鳥取県中部の過去の地震履歴を見ると、興味深い事実が浮かび上がった。この地域では、2008年11月2日に震度1の微弱な地震を記録して以降、2015年10月15日に、やはり震度1の微弱な地震を記録するまで、約7年間、有感地震さえ1度も起きていなかった。それが、この2015年10月15日の地震以降、わずか1年で50回もの有感地震を記録していたのである。
7年間、1度の有感地震もなかった場所で、わずか1年の間に50回もの有感地震を記録する。明らかな異変であり、これを「前兆」と言わずして一体何と言うのだろうか。
私は、「これは明らかにおかしい。異変が起きているのは確実なので、今後数日のうちに鳥取で大きな地震があるかもしれない」と妻に言い残して午後の仕事に出かけた。しかし、まさかそれがわずか2時間後に現実になるとは思わなかった。
最後に、今回の鳥取の地震で気がかりなことがある。地震の規模(M6.6)の割に最大震度(6弱)が小さすぎること、余震の回数があまりに多すぎることだ。地震のエネルギーはまだ完全に放出されていないと見なければならない。熊本地震と同じように、数日後、「あれが前震だったね」と言われる規模の「本震」が起きる可能性は十分ある。震源に近い地域では念のため厳重に警戒してほしい。
鳥取での地震について、コメントしておきたい。
地震の規模はM6.6で、今年4月の熊本地震(M6.4)とほぼ同程度。M7.2の阪神大震災と比べてエネルギーは約32分の1。地震の深さは11kmで、これも熊本地震と同じ。発震機構(地震のメカニズム)は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型(速報)。熊本地震は、南北方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型だった。圧力軸の方向が違うだけで、横ずれ断層型は熊本地震と同じである。ここまで何もかも同じだと、やはり熊本地震によって引き起こされた関連地震なのでは……と思ってしまう。
熊本地震とともに気になるのは、9月12日に韓国・慶州で発生した地震だ。この地震の規模はM5.8、深さは10kmと熊本、鳥取と大変よく似ている。発震機構は正断層型(断層を境に地殻が互いに引っ張り合う張力軸型の地震)であるとされ、熊本、鳥取の圧力軸型(断層を境に地殻が互いに押し合う地震)とは逆のメカニズムが働いている。
ただ、発震機構が逆だからといって、熊本・鳥取と慶州の地震が無関係とも思えない。今回の鳥取地震の圧力軸の方向(西北西-東南東)の延長線上に韓国・慶州が位置しているからだ。その上、熊本、韓国・慶州、鳥取の震源はいずれもユーラシアプレートの上にあり、その縁に近いという共通点もある。近年、ユーラシアプレートが活発化しているのは明らかであり、何となく、この3つの地震をセットで考えなければならないような気がしている。
今回、震度6弱を記録した14時7分の地震の2時間ほど前、12時12分に、「前震」とみられる震度4の揺れを記録している。このとき、私は昼休みに家に帰り、昼食を摂っている最中にテレビで地震速報のテロップを見た。
テロップの直後、震源となった鳥取県中部の過去の地震履歴を見ると、興味深い事実が浮かび上がった。この地域では、2008年11月2日に震度1の微弱な地震を記録して以降、2015年10月15日に、やはり震度1の微弱な地震を記録するまで、約7年間、有感地震さえ1度も起きていなかった。それが、この2015年10月15日の地震以降、わずか1年で50回もの有感地震を記録していたのである。
7年間、1度の有感地震もなかった場所で、わずか1年の間に50回もの有感地震を記録する。明らかな異変であり、これを「前兆」と言わずして一体何と言うのだろうか。
私は、「これは明らかにおかしい。異変が起きているのは確実なので、今後数日のうちに鳥取で大きな地震があるかもしれない」と妻に言い残して午後の仕事に出かけた。しかし、まさかそれがわずか2時間後に現実になるとは思わなかった。
最後に、今回の鳥取の地震で気がかりなことがある。地震の規模(M6.6)の割に最大震度(6弱)が小さすぎること、余震の回数があまりに多すぎることだ。地震のエネルギーはまだ完全に放出されていないと見なければならない。熊本地震と同じように、数日後、「あれが前震だったね」と言われる規模の「本震」が起きる可能性は十分ある。震源に近い地域では念のため厳重に警戒してほしい。