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初頭効果(primacy effect>学生が解説すると

2019-09-26 | 心理学辞典

初頭効果(primacy effect>
順番に沿ってあるものを覚えたり、思い出したりすることを系列学習といいます。この系列学習を行ったとき、順番が早いものの方が、真ん中に近いものよりも思い出しやすいことがあります。これが初頭効果です。
たとえば、紙に書かれた20個の単語を見た後、その紙を見ずに1から20までの順番にできるだけ沿って書き出してもらうとします。この時、1、2番目の単語はすぐ書けますが、9、10番目の単語はなかなか思い出せません。しかし、19、20番目の単語になるとまた思い出しやすくなります。順番が遅いものが思い出しやすいことは親近効果といいます。系列学習では最初と最後のほうが覚えている率が高く、真ん中の方ほどその率は低くなります。
何かを覚えようとする時、最初の方ほど「覚えよう」という意識が高く、印象に残りやすい為、初頭効果が現れます。逆に、親近効果は最後のほう、つまり新しい記憶である為、印象に残ります。ただ、初頭効果と違い、親近効果は時間が経つと薄れていきます。また、人に会う時、その人について最初に知った情報の方が、後で知った情報よりもその人の印象に大きく影響を与えます。これも初頭効果の一つです。(HU)
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 一連の物事を記憶しようとするときに、最初のいくつかの物事と、最後のいくつかの物事は、中間にある物事よりも記憶に残りやすい。これは、ある物事が記憶される確率は、その物事が一連の物事のうちのどこに位置するかに影響されるためである。この影響は、Uの形をしている。それぞれ、最初のいくつかの物事をよく覚えていることは、初頭効果、最後のいくつかの物事をよく覚えていることは親近性効果、と呼ばれる。 例えば、数個の英語の単語を1度ずつ聞いた後で、思い出した順に自由にもう一度思い出す(再生する)ように求められると、リストの最初にあった単語と最後にあった単語は、中央部の単語よりも再生されやすい傾向にある。この時、初頭効果の再生は、長期記憶に基づいている。長期記憶とは、情報を短くても数分間、長い場合は生涯にわたって残すことである。対して、親近性効果の再生は、短期記憶に基づいている。短期記憶とは、短期間しか情報を保つことのできない記憶組織の構成体のことである。(YM)
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例えば、古今東西ゲームで、「りす、ゴリラ、イノシシ…クマ」という様に覚えようとしたときに、途中の方で覚えた単語よりも、覚えはじめに覚えた単語の方が、思い出しやすいということがあります。つまり、10個の単語を順序良く覚えたとして、1個目や二個目の方が、5個目や6個目の単語より思い出しやすいと言う事がある。
このように順番よく覚えていくことを、系列学習と呼び、系列学習をグラフにしたもののことを、例列位置曲線と言います。真ん中が溝になった様なグラフになる。系列学習の最初の方に覚えたことが思い出しやすいことを、初頭効果と言います。また、逆に覚えたばかりの単語の方が思い出しやすい事を、親近効果と言います。
では、何故初頭効果や親近効果が現れるのか?まず、初頭効果は覚えようと言う意識があるので、自発的に何度も繰り返す為、単語が長期的な記憶に保存される。数日から数年間、記憶が維持する。逆に、親近効果は真新しい記憶なので覚えている状態で、短期間しか持たないものの事である。(SR)
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 こんな実験があります。全くつながりのない単語を10個(例えば、りんご、バス、掃除機、休日…といったように)次々と聞かせていった後に、「今の単語を出来る限り思い出してください」と指示したところ、まんなかあたりで言った単語はなかなか思い出せませんが、最初の方に言った単語と最後のほうに言った単語は結構覚えていることが多くなります。このように、覚えようとした単語の位置によって覚えてる割合が異なる現象を「系列位置効果」といい、このうち、最初の方の単語が思い出しやすくなる現象を「初頭効果」と言います。
初頭効果は、最初に課題(ここでは、単語を覚えてもらうこと)を与えられた時に、頭の中がその課題に集中している所へ、初めて頭の中に入ってくるものなので印象に残りやすく、覚えている割合も高くなるため発生します。また、初頭効果は長期記憶と密接な関係があり、人間の記憶に長期記憶が存在することの証明にもなっています。(OM)
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「ごりら、手紙、ジュース、CD、本、カメラ・・・」のように、あるものを順番に覚えていくことを系列学習といいますが、この系列学習の際、最初と最後に提示した単語は良く答えられて、真ん中あたりに提示された単語はあまり答えられないという結果になります。このように、最初に提示されたものの方がよく思い出せること「初頭効果」といいます。
人の記憶には短期記憶と長期記憶というものがあります。短期記憶とは、電話をかける時に一瞬電話番号をおぼえることです。この場合電話をかけた後には、番号を忘れてしまいます。一方長期記憶とは、何度も同じ番号に電話を掛けていると、次第に覚えてしまうといった記憶です。人は何かを記憶しようとするとき、短期記憶から長期記憶へと記憶を移していきます。特に、英単語などを記憶しようとするときには、リハーサルということをします。上の系列学習の例で言うとリハーサルとは、「ごりら、ごりら、ごりら・手紙、ごりら・手紙・ジュース、・・・」というように何度も繰り返して覚えようとすることです。初頭効果には、このリハーサルというものが関係しています。つまり、系列学習の際に最初に提示された単語は他の単語よりも多くリハーサルされ、短期記憶から長期記憶へと移行したので、思い出しやすくなっているということなのです。(IT)
  

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