保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

春の浮舟に揺られながら・・・読書タイム。

2010-04-29 21:35:32 | 船頭
いよいよ、GWに突入しましたね。

保津川は、ひさしぶりに陽春の一日となりました。

澄み渡り、どこまでも抜けていきそうな‘青空’。

新緑に陽光が照り映え、時折、谷から吹き抜けるそよ風が、
川岸に咲く菜の花をのどかに揺らして春の風情をかもし出します。

これぞ、待ち焦がれていた「保津川の春」の風景です。

見る景色すべてがキラキラと輝き、眩しく、足どりもどこか軽やかになります。

こんな日は出航までの少し時間、舟の椅子に寝そべり、真っ青な空の下、
読書タイムにいそしむのが‘春’の楽しみのひとつ。

ふわふわと揺られる‘浮舟’に身をまかせ、川の流れる音をBGMにして行う読書タイムは、まさに至福の時間。

眩しく照りつける‘陽光の熱’を、谷から吹く涼しい風が冷やしてくれて、なんとも心地よく、
穏やかで静かに、ゆっくりと過ぎていく時・・・読む内容すべてが頭の中に溶け込んでいく様です。

あまりに心地いいので、つい、ウトウトとして眠気に誘われますが、これがまた‘いい感じ’なのです。
一定の決まった周期で誘ってくる睡魔と小さな目覚めを数回、繰り返していると、夢と現実の境目まで曖昧に
なり、読んだ本の内容が夢の中で続き、広がりながら面白いストーリを作り上げていくのです。

「創作とは、こんな感覚で生み出されるのかな?」などと戻った意識の中で確認作業をするのも楽しいものです。

結局、読んだページ数は思ったより進んではいないのですが、本の中身は夢で広がったストーリのせいで、
2倍にも、3倍にも分厚くなった様な不思議感覚なのです。

温かく、優しい表情をみせる自然に導かれての、幸せ感あふれるひととき。

自然の柔らかに包み込む様な懐に抱かれていると「人が自然の一部」であることが
理解でき、素直に感謝の気持ちが生まれるものですね。

「この感覚、こんな気持ちに包まれる…これこそが‘春の保津川下り’の真骨頂なのだ!」と直感しました。

さあ、来週からGW本番です!

温かくで優しい春の日差しに包まれて、萌え出づる新緑に‘いのち’の息吹を感じながら
保津川の春を満喫してみてはいかがでしょう。

生涯忘れることの出来ない‘至福の時’に出会えるかも!


武術から武道へ、先人から学ぶ究極の境地。

2010-04-28 09:46:45 | 空手・格闘技
私は16才の時、空手と出会い、27年間、止むことなく稽古を続けてきた

高校卒業後は、大学に進学せず、K会館の本部内弟子になるべく
入塾願書を取り寄せたが、両親との話し合いの末、
大学に進学して「空手」を続けるという選択を選んだ。

若き日はアメリカに渡り、海外空手家たちと激しく拳を交え、世界の力も知った。

前職の新聞記者家業の忙しさから、空手修業の時間が持てないことが
ストレスとなり、今の仕事に天職する動機の一つにもなった。

私の人生の傍にはいつも「空手」があった。

実戦さながらの直接打撃制の真剣勝負、グレージーな仲間たちに
囲まれて、血反吐を吐く様な、肉体の限界まで鍛えぬく厳しい稽古。

その中で空手の持つ恐怖を知る一方、強くなる楽しさも知った。

しかし、自分自身、武道という視点では、まだ何もわかっていない
と最近、感じることが多い。

実戦スタイルの空手といえども、ルールのある中での勝ち負けを
決める競技に変わりなく、相手との相対的な戦いに重きがある。

もちろん、戦うからには他者に勝たなくては意味がないし「勝敗にこだわる」
のだが、武道の世界はそれだけでは到達できない境地がある。

武道という世界をつくりあげてきた日本という国には、この境地に
到達した(本人たちはそうは思っていないが)武人たちを多く輩出した歴史を有する。

そのひとりに幕末の剣豪「山岡鉄舟」がいる。

鉄舟は当時、世に聞こえた剣の達人だったが、生涯ひとりの人間も
斬ったことがなかった。
その鉄舟がこの日本にとって最も大きな功績を残したのが
幕末の「江戸城無血開城」だった。

尊皇攘夷の盛り上がりで「倒幕」の気運が高まった激動の幕末。
武力で徳川幕府を倒すことを目的とした討幕軍が西郷隆盛を大将に
組織された。
幕府の存亡が危ぶまれた切迫した状況の中、鉄舟は単身で西郷のいる駿府・総督府に
乗り込み、西郷に直談判することで説得、合意を取り付け、結果、血を流さずに
江戸城を開城し、300年近くに及ぶ幕府の幕ひかせてた。

彼のはたらきで日本は、血で血を洗うような混乱を招かず、
江戸幕府から明治政府へと大きな時代変革を成し遂げ、
アジアで最初の近代国家の礎をきずくことになった。

西郷と面会する時、大勢の官軍警備隊の中を「朝敵・徳川慶喜が家来
山岡鉄太郎(鉄舟)まかり通る!」と大声で堂々と歩行していったという。
その胆力に西郷は感服したという。
そして、何より西郷との面会を果たす為、官軍の目が光っている江戸から駿府の
道中を、難なくすり抜け、単身で辿り着いたことは奇跡といってもいい。
そこには、剣により磨かれし胆力と人と太刀を交えることなく「戦わずして勝つ」
という「武の極意」に基ずく行動だった。そこのところを、西郷も察し「鉄舟は信用できる」と読んだのではないか。

鉄舟のこの迫力は剣術を武道にまで昇華させた姿であり
「戦わずして勝つ」という武の境地を体現したものだった。

武道は、命と命をかけた真剣勝負だ。負ければそれは即、死を意味する、
甘えや妥協の余地のない世界である。
だからこそ、戦うことが許されないという、深みのある世界なのだ。

「戦わずして勝つ」それこそが、武術を修業したものが目指す境地であり、
そこには、金や名誉、命すら超えていく究極の次元の高さがある。

相対的な戦いを超えた、自己との厳しい闘いの中でしか到達できない境地。

残念ながら、自分にはまだ、この境地の影すら見えてはこない。

だからこそ、今日も修業に励むのだ。

空手という武術を、武道の境地へ到達できるように。


☆写真はバングラデシュの祭りに飛び入りで「空手演武」をした時のもの。

火・水・風・・・この絶妙なるはたらき。

2010-04-27 23:27:41 | 船頭の目・・・雑感・雑記
東の高気圧が、西から進んでくる低気圧の行く手を阻んで、
今日の京都保津川には朝から強風が吹き荒れました。

おかげで舟は運行停止へ。

この天候不順・・・今年の春は、一体どうなってしまったか?

仕事ができる日が例年に比べ、妙に少なく感じるは気のせいではないでしょう・・・

「雨」による増水、「風」がうねる「強風」などなど・・・本当によく舟が運行中止になる。

「自然の中でいきる」ということは、こういうことです。

「火」と「水」と「風」

誠にこの世は絶妙なバランス、理詰めで出来ています。

太陽から降り注ぐ熱(火)を受け、海や川(水)が吸収して、水蒸気となり
大気(風)によって対流し運ばれるのです。

このはたらきによって、人をはじめ、この地球上のあらゆる‘いのち’が育まれていま。

大いなる何者かの「意志」により、創造されたとしか考えられないほど
見事な循環サイクルが行き渡っているのですね。

今年はこのバランスに少し狂いが生じたのか?
はたまた、狂いを微調整するために生じている事態か?

自然のみぞ、知るという感じでしょうか。

とにかく「自然とともに生きる」ということは、人間側から
自然に合わせて暮らすことだというのは確かなようです。

人って、日頃は大いそうなこと言っているけど、自然の前ではあまりにも無力ですね。

傲慢さを離れ、謙虚に生きることが大切なんだ、痛感している次第なのです。

しあわせ考・・・第一章

2010-04-19 23:36:17 | 船頭の目・・・雑感・雑記
古い西洋のことわざに「幸せは去ったあとに光りを放つ」とある。

人は幸せである瞬間を幸せとは思えないのかもしれない。

幸せとは今にあるのではなく、明日にやってくる幻想的な願い事と思い込んでいる。

だが、何の前触れもなく、突然やってくる不幸に遭遇した時、
人は何気ない日常が幸せだったと気づくのかもしれない!

幸せになりたくない、という人はいないだろう。

人は誰しも「幸せ」を求めて生きている。

人生は「幸せ」を求めての旅路ともいえる。

勉強も、仕事も、みんな幸せになりたいとい思いが根底にあるから頑張る。

「いやいや、おれは別に幸せなんて求めていない。その日、楽しく暮らせればいい」
と言っている人も同じ。

その生活が過ごせれば、それはその人の‘幸せ’だからです

幸せとは、10人いれば10通りの幸せがあると思う。

ある小学生が「幸せ」について書いた作文を読んだことがある。


「宿題のない金曜日に、冷房キンキンに効いた部屋で、好きなケーキをいっぱい
食べながら、面白いお笑い番組を見てDSゲームをする」
そんな毎日なら幸せというわけです。本当に正直で、よくわかる考え方ですね。

書き連ねられた内容は、自分にとって都合のいいことばかり。

うれしいことに囲まれて暮らしたい。
これを大人たちは笑ったが、はたしてそうか?
自問自答すれば・・大人たちも小学生と書き方は異なるが、願う内容は大きな違いがある
とは思えない。

諸条件や環境が整わないと人は「幸せ」を感じることができないのか?

そうではないはず、一切の過去も、一切の未来も‘今’‘ここ’に自己実現して
存在している。
今、叶えられない事柄が、かなって「幸せ」があるのではない。

さあ、過去を振りほどき、未来を向いて立ち上がろう。

幸せは‘今’‘ここ’にある。

新緑が芽吹く保津川の風景

2010-04-18 09:53:18 | 船頭
相変わらず保津川には季節はずれの冷たい風が吹いていますが、
山の景色は日に日に、緑の新芽が吹きだし、春めいた色彩を帯びてきました。

木々のこずえからイキイキと芽吹く若葉に、‘いのち’の息吹を感じます。

最近の気温低下の影響でしょか?まだ、桜の花が少し残り、新緑と薄紅色の
コントラストが浮かびあがり、山が美しく映える季節です。

身も心もポカポカ陽気となる‘春’の到来が待ち遠しい今日この頃です。


4月中旬でこの寒さ。原因の北極振動って何?

2010-04-16 17:52:20 | 船頭
4月中旬というのに、この寒さはどうしたことでしょう?

もともと、春は気候が変わりやすく天気は不安定なものですが、
保津川には寒風が吹き、春はどこかへ去ってしまったようです。

私の船頭生活の中でも、このような気候の4月は初めてのことです。

おかげで、保津川下りの営業成績も例年に比べて、少し伸び悩んでおります。

どうやらこの異常気象の原因には「北極振動」という現象が影響しているようです。
この北極振動とは、冬場に寒気を蓄積したり、放出したりする、北極の周期的現象をいいます。
「寒気を放出するか、蓄積するかは気圧の変化が大きく関係していてる」と某天気予報士はいいます。

この春は、北極域が平年より気圧が高いのに、日本上空では平年より気圧が低くく
なったことで、北極域の寒気が放出されたそうです。

この現象を「負の北極振動」といい、日本付近は低温となり、寒気がやってくるだと。
今冬の負の北極振動は、30年に1度くらいの強さでした。

春になってもこの傾向は続いており、今春の寒さも「負の北極振動」による
寒気の南下が原因のひとつと考えられるのです。

予報では、土曜日以降、20度まで上がり、通年並みになるらしいですが、
どうでしょうか・・・

しかし、この様に気温の寒暖の差が激しいと、体調を崩しかねませんので、
皆さんも、暖かくしてお過ごしくださいね。

とにかく、我々としては、ポカポカした春が待ち遠しい、冬のような心境です。


保津川下り、最後の桜が散る姿に・・・

2010-04-15 09:18:45 | 船頭の目・・・雑感・雑記
保津川下りの乗船場を華やかに彩った桜も、いよいよ‘散る’ときを迎えたようです。

川沿いに連なる桜並木から舞い落ちた花びらが、辺りをピンク一色に染め、
歩みにあわせて舞い上がる姿は美しくもあり、寂しくもあります。

今年は近年にない、寒い日が多く、なんとなく桜の季節が短く感じられましたが、
乗船場の桜たちは今年もかわることなく、優美に咲き誇り、訪れる多くの
観光客の目を楽しませてくれました。

華やかで賑やかな‘宴のあと’のような寂しさは、桜が散っていく姿だけではありません。

長年、我々の春の象徴であった保津川下り乗船場の桜並木は、
今年を最後に切り倒される運命にあり、その寂しさが一層、哀愁を誘うのです。

京都府が推進する「桂川河川改修工事」計画により、現在の保津川遊船事務所が移転、
乗船場および堤防も新たに造り直され、その工事にともない桜並木も切り倒される
運命にあるというわけです。

保津川下り乗船場の桜並木は、乗船場事務所と待合室・売店の前・堤防沿い約20m間に
ソメイヨシノやしだれ桜など約10数本が植えてあります。
これらの桜並木は、今の「保津川遊船企業組合」が大手資本から独立し「自主運航」を
果たした昭和45年に、当時の先輩組合員達が記念に植えたもので、樹齢にして39歳ともいわれています。

毎年、満開時には可憐で優美な花をたくさん咲かせ、全国からお越し下さった観光客の人たちの目を癒し、楽しませてくれました。

桜たち船頭にとっても‘春’の訪れとともに観光シーズンの到来を教えてくれる象徴でもあり、
また時は、昼ごはんを食べたり、出航を待つ間の休憩場として。
また、桜木の股をテコにして船頭が使う竿の曲がりを直したり、
櫂の紐を作る時の作業台ともなり、いつも船頭とともにあった桜でした。


この桜並木に見送られ、この39年間、数え切れないほどの舟が嵐山へ向かって出航して行きました。

そんな桜たちと来年はもう、会うことができません・・・誠にさびしい気持ちでいっぱいです。

だいたい「桜の寿命は100年」といわれています。

ならば保津川下りの桜たちはまだ青年期といえます。本当に無念なことでありましょう。

桜が育つまで約40年という長い歳月を費やしました。
しかし切り倒すのはわずか10分もあれば終わることでしょう。
「桜守」16代目佐野藤右衛門さんの話によると「桜は人の心がわかる」とのこと。
懸命に咲き誇る保津川の桜たちは、自分の存在を、そしてその意義を‘いのち’を
かけて私たち人間に訴えかけているように感じました。

まぶしい春の日差しを幹や枝、花にいっぱい浴び、美しく輝いていた桜たち。
「美しい」その姿を私はしっかり記憶にとどめていたい。

最後の‘いのち’の灯火を燃やしながら、散りゆく保津川乗船場の‘桜’。

切り倒される最後の時は「ごくろうさま」とねぎらいの気持ちを込めて、見送ってやりたいと思っています。

《保津川下り乗船場の桜並木、最後の満開 動画》
       ↓
http://www.youtube.com/watch?v=gKxvb3Rfo68

今夜から「水戸黄門」・第41部がスタート!助さんが結婚!

2010-04-12 13:54:55 | 映画・芸能界
今日から「水戸黄門」の第41部がスタートします!

里見浩太郎さんの黄門さま、原田龍二さんの助さん、合田雅史さんの格さんという
お馴染みの3人さんを中心に、今回もどの様に巷にはびこる‘悪’を
ばっさり一刀両断!してくれるのか、楽しみですね


そして、なんといっても今日の第一話では「佐々木助三郎こと助さん」がご結婚されるとか!

女好きを自他共に「女好き」を自認する助さんもいよいよ年貢の納め時か・・・
と思いきや、こんなおめでたいで時にまた、老中・柳沢吉保の陰謀が!

ふたたび、我らが黄門さまの世直しの旅が始まります。
もちろん、新婚の助さんも同行します。可愛い新妻を残しての旅、寂しいことでしょう。
でも、自らの都合を捨て、世の為、人の為に尽くし奮闘する助さんの活躍ぶりを是非、ご覧下さい。

さあ、水戸のご老公一行、今回はどんな活躍を見せてくれることやら。楽しみですね。

また、この話をもって「疾風(はやて)のお娟(えん)」役を演じられていた由美かおるさんがご卒業されます。

色っぽい入浴シーンで茶の間のお父さんのアイドルだった由美さんの妖艶ぶりも
今回で見納めです。
世のお父さん方、しっかりと目に焼き付けておいてくださいね。

今年も「保津川下りの船頭さん」はっちんブログでは
「水戸黄門」並びに日本時代劇を応援していきます。

【水戸黄門・第41部】
TBS系列 毎週月曜日 20:00~20:54分
※一部地域で放送日時が異なります。
【出演】
里見浩太朗 / 原田龍二 合田雅吏 / 由美かおる

☆「助さん、結婚!」について語る原田龍二さん
http://www.tbs.co.jp/mito/mito41/sp/index-j.html