保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

嵯峨野・トロッコ列車、明日1日から運行開始!今年も保津峡の春が始まる!

2010-02-28 20:33:18 | 京都情報
先週からの暖かな陽気に春の訪れる足音を感じる今日この頃。

保津峡ではいよいよ明日3月1日(月)から、「嵯峨野観光鉄道・トロッコ列車」
が‘冬眠’から目覚め、通常運行を開始されます。

トロッコ列車は、JR嵯峨嵐山駅に隣接するトロッコ嵯峨駅から保津峡を抜けトロッコ亀岡駅までの
7.3キロ間を、1時間に1往復しながら、走る観光列車。

保津峡に、このトロッコ列車が走り出すと京都・嵯峨野の‘春’は
一気に華やかさを増し、盛り上りをみせます。

四季折々の美しい保津峡の景色を、車窓から眺める列車の旅は、嵐山・嵯峨野はもちろん、
今や京都の人気観光スポットとして、世界にその名を轟かしています。

保津峡の雄大なパノラマに抱かれ、渓谷を渡る、爽やかな春風と新鮮な空気を
胸いっぱい吸い込み、寒さで硬く縮んだ体と心をやさしく和ませてくれるでしょう。

列車内では、記念写真のサービス(有料)やマスコットのトロッキーや酒呑童子など
オリジナルキャラクターも登場して、観光客を最高に楽しい気分にさせてくれます。

また、駅構内には、昔懐かしいSLが収納されているカフェラウンジやフードコート、
オフィシャルショップなども充実しており、旅の思い出を運んでくれます。

谷間を縫うように流れる保津川を眼下に見て、自然を満喫しながら、
古きよき鉄道の歴史に思いを馳せる‘列車の旅’を是非、ご堪能下さい。

通常運行便は一日往復8本。(GWや秋の紅葉シーズンは臨時便一本増便)
午前9時台~17時台まで往復運行します。
定休日は水曜日但し祝日は例外。

☆3月13日以降はJRダイヤ改正により変更します。

そして忘れてはいけないのが、トロッコ列車ほ保津川下りのセットコース!
京都嵯峨野からトロッコ列車で亀岡まで来て帰りは保津川下り!という、
列車と船をセットした贅沢な旅もよろしくお願い致します。

保津川下りは3月9日まで、冬使用の‘ポカポカ暖房船’なので、
少し寒い日でも安心!一足早い「保津川の春」をお楽しみください。

保津川に筏が流れる風景を‘ふたたび’シンポジウム開催!

2010-02-27 23:00:15 | プロジェクト・保津川
保津川に筏が流れる風景の復活を進めている「京筏組」は27日(土曜日)、
亀岡市の京都学園大学・光風館会議室で「筏がつなぐ山、川、そしてまち」
と題した「保津川筏復活プロジェクト・シンポジウム」を開催しました。

同シンポジウムは、京筏組が昨年、「保津峡の筏流し」を半世紀ぶりに復活させたことを
受けて、上・下流域の森、川、ひと、そしてまちのつながりについて、聴講者参加型の
検証の上、話し合いうことで、今後の気運を高まりと多角的な視野からの展望を
導き出すヒントとするのがねらい。

午後2時から始まったシンポジウムには、定員50名を上回る聴講者が来場し、
まず、主催者を代表し黒川孝宏亀岡市文化資料館・館長の開会挨拶の後、
同プロジェクトの現場リーダである河原林洋氏による「保津川筏復活まで取り組みと展望」
についての基調講演が行われました。



その後、「産業」「環境」「観光」「文化」の4つのテーマでクループを分け、
参加者それぞれが興味のあるテーマのテーブルに移り、議論に加わる形で進められました
各テーマごとのテーブルには、グループリーダーが進行役を務め、今回、ゲストとして招いた
コメンテーターを交えた、議論へと移りました。コメンテーターには和歌山・北山川の筏下りの筏師さんと
北山村・村長さんもお見えになり、経験・実績の上にたった話しをされていました。

また、参加者みなさんも、桂川(保津川)流域にお住まい、または出身の方々も多く、
川、山を通じた‘まち’と‘ひと’のつながりについて、ご自身の筏とのかかわり、体験、
思い出を交えながら、具体的な内容・アイデアが多く語られ、各テーブルともに
実りある議論が展開されていました。

議論のまとめとして、各テーマのグループリーダーが、話し合われた内容についての
まとめを発表し、参加者すべてが議論情報について共有できる形をとられました。

最後にグループ・リーダーとゲストコメンテーターによる総括が行われ、今回のシンポジウムは終了。
どのテーマでも「川や水運を語るには、山や森の‘つながり’の重要性に
目を向ける必要がある」という方向性が示されました。

参加者の一人である保津川下りの船頭・豊田覚司氏は
「このようなシンポが、あまりにも専門的な内容になり、マニアックに興味のある人だけの集まりであってはならない。
歴史性も踏まえ、筏にまつわる「ワクワク」するようなストーリーを創造することが
望まれる」と多くの人が興味をひくような仕掛けの必要性を述べられました。

いろんな立場の方々の熱い思いが「筏」という‘夢’に乗って流れていく、
実感を持った今回のシンポ。

益々、地域の注目を集める「保津川の筏」。
これからの展開に目が離せない!

そんな予感と感想を持つに十分なシンポであったと思います。


*京筏組・・・府振興局、亀岡市文化資料館、NPOプロジェクト保津川、
保津川の世界遺産登録をめざす会など12の団体で構成される
保津川筏の技の伝承ならびに歴史、文化の検証により、
流域地域はもちろん広く市民に、現代的意義に
ついて伝えることを目指し、活動している。

小春日和に誘われて‘保津川の春’がやってきました。

2010-02-24 22:33:38 | 保津川下り案内
保津峡谷の春は川辺からやってきます。

愛宕山から吹き降ろす寒気が和らぎ、暖気を帯びた陽光が川の水面を眩しく
照らし出すと、土の中で養分を蓄えながら冬眠していた、新たな‘いのち’が
地面を突き破り、次々と芽生え始めます。

小春日和の陽気に誘われ、しばし、川掃除の手を止め、川岸のまわりを見渡すと
保津川に訪れた‘小さな春’を発見しました。

保津川随一の桜の名所である「女淵」に咲いた桜の花です。
四季桜とも呼ばれ、晩秋と早春の二季に咲く桜。寒桜と呼ぶ人もいますが、四季桜は
マメザクラとエドヒガンの雑種で、カンヒザクラとヤマザクラの雑種である寒桜とは
明らかに品種が異なるらしい。
保津川の四季桜は昨年末、「保津川遊船・エコグリーン委員会」の手のより植樹されたもの。
温暖な陽気に誘われ、早速、花を咲かし、初お披露目をしてくれました。
薄紅色した小さな花びら、枝下の蕾たちも、お披露目の時を今か今か待っている様です。

保津川の桜を絶えさせない!との熱い船頭たちの思いを受け、3年前から始まった「保津川サクラ・プロジェクト植樹事業」は
いろいろ紆余曲折がありましたが、今こうして小さな‘芽’を出そうとしています。
地道で確実な一歩、一歩が、今後、きっと「満開の花」を咲かすことでしょう!

願わくば、その姿をこの目で見届けたいものです。

目線を下にばかり置き、川掃除という汚れた箇所を見続けた私の目に、
爽やかで心まで温まる一すじの‘光’が差し込んだ瞬間でもありました。

「保津渓谷は、なんて美しいのだろう!」

うつむいた顔を上げると、あらてめて、そう感じるのでした。

保津川の「川の大掃除」今日2日目。渓谷に入る。

2010-02-23 23:30:33 | 保津川エコ・グリーン委員会
春を思わせるようなぽかぽか陽気に恵まれ、保津川の「川・大掃除」が昨日に引き続き実施されました。

2日目となった今日には、総勢25名の船頭が終結し、岩場など渓谷に漂着・漂流している
ごみの清掃に汗を流しました。

昨日から出動していた舟2艘は、昨夜一晩、渓谷の中で「お泊り」させており、今日はごみ回収船である「エコ船」も加わり、
3艘体制で清掃作業に臨むことになりました。我々、船頭作業員もこの「エコ船」に、
乗船場から乗り込み、舟が係留されている現場まで向ったのです。

急峻な地形でなる保津川渓谷の清掃は、これからが本番です。
段差激しく急な崖が続く、足場の悪い川岸や行く手を阻むしのべやイバラの茂みなど
ここでのごみ回収作業はけして簡単ではありません。

川岸のごみを入った土嚢袋は、まとめて船の乗せ運んで回収していくのですが、船が着岸できる箇所は限られており、
土嚢袋を手や肩にぶら下げて歩くのは想像以上の重労働。
しかも、足場も悪いのでバランスなどを崩すと滑落する恐れもあり厳しい作業です。

漂着ごみの多くは、河川の増水時に運ばれてくるものですが、大体、辿り着き集まる場所は限定されています。
増水時、流線の外曲がり側の岸に流れ着く場合が多く、しかも大量なのです。
今日も獅子ヶ口や朝日といった右岸側や高瀬の左岸側の外曲がり側に大量のごみが漂着していました。
ここではペットボトル、トレイ、コンビニ弁当のガラ、スーパのレジ袋といった、いつも
不名誉な上位ランキングに名を連ねるプラスチックごみが大量に回収されました。
また、川にの上を走ってきたのか?古タイヤ軍団もたくさん回収されたのです。

午前中だけ、1艘の船が満タンになるほどのごみを回収したのですが、この頃ころ
気温が上昇してきて、汗が額から滴り落ち、背中がびっしょりと濡れる程の陽気へ。
今日は本当に春を感じさせる天気でした。

心地よい陽の光に照らされ、きれいになった川岸を見ながら食べる昼食は、最高に気持ちのいいものですね。食後はもちろん、昼寝タイム~

結局、川掃除2日目は、JR保津峡駅の上流部までのごみを回収してタイムオーバー。
船2艘分のごみを拾い上げることができました。

岩が場多い場所では、回収したゴミが入る土嚢袋を船まで運ぶことに手間取り、完璧に清掃しきれない箇所があったが、少し、心残りですが、
明日以降の川掃除部隊に後を委ね、今日の清掃活動は終了へ。
我々はJR保津峡駅から山陰本線・嵯峨野線で遊船乗船場がある亀岡まで帰社したのです。

ここ一週間、今日のような天気が続くらしいので、あと2日の清掃活動を頑張っていきたいと思います。

春の観光シーズンを前に「保津川を大掃除!」

2010-02-22 20:05:32 | 保津川エコ・グリーン委員会
‘観光客に美しい保津川峡谷を見てもらおう!’


を合言葉に、恒例の保津川遊船企業組合の船頭による「川掃除」が今日から始まりました。

「保津川・春の開幕シーズン」を来月に控え、川に漂流、漂着しているごみを清掃・回収する川掃除活動は、
毎年この時期に、亀岡市保津町にある保津川下り乗船場から、京都・嵐山までの16キロ間で行われます。


朝8時から開始された掃除には34名の船頭が参加し、左岸、右岸の2手に分かれ舟に乗り込み、現場に向かいます。


清掃作業はまず舟を川岸に着岸させ、中州や河原に上陸し、徒歩でごみを拾っていきます。

上陸に際しては通常の操船では行わない、舟を迂回させたり、流れに逆らい川を上ることも必要となり、
また、舟の中から直接漂流しているゴミを回収する作業も行うので、操船する者には
確かな技術と正しい判断が要求される難しい作業でもあるのです。

ヨシが生え茂る河原を掻き分けて、ごみ掃除は続きます。草ホコリと蜘蛛の巣などで顔中、すすだらけになり進みます。

対岸のテトラポットの上では、タモ(網)棒やトングを持ち、漂着しているペットボトルなどのごみを掬い上げます。
形もまちまちで不安定、足場も悪いテトラポットでの回収作業は危険と隣り合わせ。
テトラの影や奥に入り込んで、手や網が届かず、困難な作業でもあります。

網で掬う人、ごみ袋を持つ人の連携プーレーがなにより大切です。
この気の遠くなるような作業を繰り返しながら、テトラのごみは回収されていくのです。

川岸のごみは舟と上陸した人との連携プーレーで一掃していくのです。

初日となった今日は、渓谷の入口から3~4kmほど下った箇所まで回収することができ、2tトラック一杯の土嚢袋がました。

明日はいよいよ、険しい崖やイバラの道が待ち受ける急流部の清掃に入っていきます。

桜が咲き誇る美しい保津川をさらに際立たす為、徹底した本格的な「保津川の大掃除」は25日までの4日間行われます。

素晴らしい空手演武でした!

2010-02-20 23:07:26 | 空手・格闘技
昨日のブログでもお知らせしましたが、今日、亀岡市東部文化センターまつりが
開催され、私主宰する空手道場・斯道会の生徒たちが演武を披露してくれました。

演武には幼児から中学生までの約40名の生徒が参加し、演武開始時間の10時50分
の約1時間前に集合、演武リハを少しやり出演時間を待ちました。

演武では、幼児から小学生低学年までが難度の高い「平安の型」に挑戦。
高学年女子と4年男子が型の分解説明から気合とキレのある「安三」の型を演じてくれました。
空手の「型」は長い歴史の中で先人たちが生み出し今に継承されている文化遺産ともいえます。
これからも正確に覚え、自己鍛錬に活かしてほしいと思います。

続いて小学生高学年による板割りの演武。
空手演武の‘華’に例えられるほどの演武です。
その分、成功する確率が低いのもこの演武の特長なのです。

「恐れへ」チャレンジする心と「必ず割る!」という覚悟が成功の秘訣。
技以上に精神力が求められます。
少しでも「割れないのでは?」「割れなかったどうしよう・・・」と邪心が
入ると失敗し最悪怪我する」危険もあるので、皆が緊張しているのがわかります。

手刀、正拳、肘、蹴りで次々に割っていく、演武者たちでしたが、
板を手に持ったものが三箇所に立ち、異なった技で連続して割っていく
難度の高い「3方割り」では失敗する子も・・・
でも、最後まで諦めず、割れるまで何度の挑み、割り終えました。

技以上に精神が大事なことを、身を持って感じられたことは貴重な体験になったことでしょう。

最後は中学生と6年生の護身術。
立ち技と寝技の2種類に分け、演じてもらいました。

さすがに高級者揃いです。
みんな器用に固め技までつなげ、アクションスターばりのかっこいい演武でした。

特に黒帯で今の道場リーダーでもある鵜川初段(中学1年)のキレある鋭い決め技演武には
会場からは大きな歓声が上がっていました。

武会終了後の反省会では、持てる力を出しきった達成感と緊張から開放された安堵感で、
出演者みんな、満面の笑顔を浮べていました。

日々の練習の成果を、大勢の観客の前で堂々と演じた我が道場生たちは素晴らしかったで
このような素晴らしい門下生を与えていただいたことを誇りに思います。

小さな演武者たちへ。
今日の演武会で体験した‘技’と‘心’を自らの自信として、これからの空手の稽古へ
また、日々の生活に活かしてほしいと願います。

会場にお越し下さった観客の皆様、また出演者の保護者の皆様、
そして発表の場を提供いただいた同文化センターの皆様
誠にありがとうございました。

当ブログにて御礼申し上げます。

斯道会空手 代表 豊田知八

明日は斯道会空手道場が演武を披露します。

2010-02-19 21:53:03 | 空手・格闘技
明日20日(土曜日)に私達、斯道会空手道場の舞台演武を
亀岡市東部文化センターで披露します。

明日と明後日に、私が主宰する空手道場・斯道会に練習場所を提供して頂いている
同センターの恒例行事である「センターまつり」が開催され、このまつりの
演目のひとつとして演武をします。

私達の演武時間は午前10時50分から11時10分まで、20分間。

今年は空手の文化遺産である「型」を中心に、板割りや護身術にも挑戦します。

演武に出場する子供達は、ここ1ヶ月間、学年、経験年数ごとに班分けをし、
「最高の演武」を観てもらおうと、一生懸命練習してくれました。

途中、私がバングラデシュに行くことで、指導できない週もありましたが、
指導員と中学生達がリーダシップをとり、力を合わせて後輩を導いてくれました。

みんな、幼児の頃から見てきた生徒ばかりですが、本当に逞しく育ってくれています。
嬉しいかぎりです。

お時間のある方は、是非、子供達の頑張る姿を応援しに来て下さい。

よろしくお願い致します。

主水逝く!藤田まことさん死去に思う。

2010-02-18 23:09:07 | 映画・芸能界
俳優の藤田まことさんが今日、大阪府内の病院で亡くなられました。
76歳でした。

コメデアンから時代劇俳優に転進し、素朴ながら存在感のある演技で
テレビ全盛時代のお茶の間を楽しませ人気者だった藤田さん。

また、ひとり、京都ゆかりの名俳優がこの世を去られたことを淋しく思います。

70年代から放送され、人気時代劇の仲間入りをした「必殺仕事人」シリーズは、
二枚目の達人剣士が、悪人をバッタ、バッタと切り捨てるという、それまでの
時代劇の主役スタイルを覆し、日頃は下っ端役人で家では嫁と姑に頭が上がらない
さえない平凡な男。しかし、実は公で裁けない事情の恨みを秘密裏に晴らす
一味のリーダーで剣術の達人というギャップのある役・中村主水を演じ、
一躍人気俳優の仲間入りをされました。

私も小学生の頃、眠い目をこすりながら毎週観ていた「必殺シリーズ」
即日は必ず「♪チャララ~~♪」の「必殺テーマソング」を口ずさみながら
よく友達と「必殺~ごっこ」のチャンバラで遊んだものでした。
中条さんや鮎川さんもカッコよかったですが、やっぱり真打ちは中村主水。
暗闇からさりげなく登場し、仕込み刀の一撃で成敗する姿には、達人の域に
達した者だけがかもし出す鋭さと哀愁の影が上手く表現されていて、
惹き付けられたものです。

俳優としての成功後、一時期、事業家にも転進され、嵐山にも役と同名の屋号の
カフェ・レストランなどを出店し話題となりましたが、また、俳優業に専念され、
後日「はぐれ刑事・純情派」シリーズという名作を残されました。
けしてハードな刑事モノではなく、事件の裏にある人間の悲しい‘性’を
表現した内容は好感が持て、義理人情のあるベテラン刑事役は藤田さんに
ぴったりのはまり役だったと思います。

時代劇でも、現代劇でも、けしてカッコいい主人公像ではなく、親しみ易さと明るさ
ある人情味の厚さの中に、人生の厳しさを知る重厚感が伝わる演技で、
視聴者にいい距離感を持たせてくれた名俳優さんだったと思います。

松竹京都撮影所で制作された「必殺仕事人」は昨年に復活を果たし、
これからも「時代劇のまち・太秦」を盛り上げて下さるであろう
お一人だっただけに、今回の訃報は只々残念でなりません。

藤田まことさんのご冥福をお祈りいたします。

ナイチン主宰の「I.P.P.P(イッピー)」上映会を観てきました。

2010-02-16 09:13:19 | 映画・芸能界
自主制作映画の振興と提供を行う「I.P.P.P(イッピー)」の第二回上映会が14日、
京都市西京区にある「京都西文化会館・ウエスティ」で開催され、鑑賞して参りました。

「I.P.P.P(イッピー)」とはインディペンデント・プログラム・ピクチャー・プロジェクト
(independent program picture project)の略で、このブログでもよく登場している
ナイチンこと俳優の内藤和也さん(浜省の会・会員)が代表を務める上映企画団体です。

大作だけが日の目をみる今の映画界の中で、埋もれていく自主映画に、発表の機会を
提供し、撮影技術や演技表現の継承と育成を目的に組織されました。

一回の上映会で発表されるのは3作品。
ぴあのフイルムフェスティバルで入賞経験のある横田丈実監督作品
「天使のゆげ」。

マジシャンでもあるアカツキサトシプロデュース作
「magick]

東映京都の俳優でもある入江毅監督作の時代劇
「遠犬山」

どの作品も低予算にものかかわらず、構成やカメラワーク、挿入されているBGMの
併せ方もしっかりしており、ストーリも制作者の主張がさり気なく反映されているため、
観終わってから、ボディブローの様に心がざわめく感覚は昔の映画に感じたもの。
完成度の高さは、自主制作映画に持っていた既成概念を覆すに十分な出来ばえでした。


閉会の挨拶で代表の内藤和也さんは
「大作ばかりが上映される今の映画環境の中、低予算でも情熱と工夫で内容のある
『いい映画』はたくさんあるもの。そんな映画作品を一本でも、多くの映画ファンの
目に触れる機会を提供することが、映画人としての自分の使命」と熱く思いを語り、
今後の支援を来客に強く訴えられました。映画にこだわり、人生を賭け演じる
ナイチンらしい熱いスピーチでした。

ナイチンもそうですが、僕らが映画に初めて触れた少年時代、まちの『映画館』では、
通常値段で3本立て映画が観られたり、上映後の入れ替えもなく何度でも繰り返し
映画が観れた時代でした。少ない小遣いの中、なんとも得した気分になり、一日中
映画館にいたものです。

レンタル産業のDVD化に伴い鑑賞者の劇場離れから昔ながらの映画館は姿を消し、
映画は、複合集約施設型のシネマ・コンプレックスへと上映スタイルを変えました。
最新映像技術を駆使した高予算の大作などが次から次へとタイトスケジュールの中、
消費されていくだけの現在の映画界。

昔の「映画館」。あの足を縮めながらお尻の座りの悪い椅子で観た、
素朴だけど生涯忘れることができない、心に残る作品との出会いを知る
一映画ファンには、なにか淋しい思いがするものです。

そんな映画ファンの思いを大切にし、熱い思いで映画つくりに賭ける制作者とを
繋ぐ「I.P.P.P(イッピー)」にはこれからも頑張ってほしい。

映画が商業主義だけやマネージメントの視点のみで評価されるのではなく、
映像芸術・文化としての価値を高められる様、今後も「I.P.P.P(イッピー)」
とナイチンの活動に注目し応援していきたいです。

映画のまち・太秦を時代劇で賑わいを!完成試写会に行ってきました

2010-02-14 23:36:47 | 映画・芸能界
「映画のまち」太秦を時代劇で元気にしよう!

を合言葉に活動する「京都太秦時代劇再生協議会」が制作した映画「そらのたび」が
このほど完成し、13日に東映京都撮影所で開催された完成試写会に行ってきました。

同協議会は映画関係者OBらでつくる「NPO京都の文化を映像で記録する会」が
主体となり、東映京都や松竹京都撮影所、京福電鉄、大映通り商店街など10団体
が結集して組織された団体。

活動目的の柱として、1映像産業文化の育成と振興、2地域ブランドの創造と集客向上、
3公共交通への利用転換・推進の3つを掲げ、日本映画発祥の地・太秦で「時代劇」を
キーワードにさまざまな企画を展開しています。

この度、国の「地方元気再生事業」に採択されたことで、自主制作映画「そらのたび」が、
地域住民とプロの映画スタッフ、出演者、大学などの協力体制のもと制作されたのです。

試写会には、同協議会に招待を受けた私の空手道場「斯道会」の「棒術・劇クラス」の
生徒たちと一緒に鑑賞して参りました。
クラスメンバーの一人がNPO京文映が主宰する「太秦キネマ塾」の生徒でもあることで、
以前から、同作品の撮影見学などで東映京都撮影所に度々お邪魔して、演技や撮影技術の勉強をさせて頂いた思い入れがある作品でもあるのです。

試写会会場となった本館事務所内の劇場は、東映京都撮影所制作の映画が完成すると、
出演者も含めた関係者が最初に鑑賞する歴史ある場所。

開場前に200席以上ある席も満席となり、立ち見が出るほどの大盛況ぶり!

試写会に先立ち「京都・太秦時代劇トライアル検定・ミニクイズ大会」という
時代劇博士を決めるイベント(京都大学クイズ研究会企画)も行われました。

自称・時代劇ファンを自認する私ですが、クイズでは9問中3問しか正解せず、
そのレベルの高さに脱帽でした。

映画「そらのたび」は現在の少女が「京の六道の辻伝説」により、
タイムスリップして江戸時代へ行くというファンタジックな作品。
でもただのファンタジーではありません。
主人公の少女が、江戸時代の人々の暮らしぶりを体験し「自然の恵みへの感謝」や
「慎み」という古き日本が持っていた循環型社会の‘心’と‘物の大切さ’に
目覚めるというのが主題なのです。

ロケ地は嵯峨・太秦の名所旧跡や清滝トンネル(タイムスリップするトンネル)など
も使用され、日本最強のフイルムコミッション地という資源を持つ、京都(右京区)の
凄さをあらためて実感さされるものでした。

「時代劇と江戸時代のエコ生活」をテーマにした切り口は、質素でものを大事にする
江戸時代の生活環境から今の大量消費社会という暮らしぶりを対比するという
これまでの時代劇にはない視点で、面白く、時代劇の固定概念を超え、
大人から子供まで幅広い層にも楽しく鑑賞できる内容だった感じました。

また、同作品には「切られ役日本一」トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」にも
出演され存在感を出されていた福本清三さんも出演されており、時代劇ファンには
応えられない演出も施されたいました。

同協議会では「今後も大学生など映画撮影制作技術の体験や時代劇検定、太秦散策マップ
などの多彩な取り組みを展開し、伝統の映画技術また精神の伝承と地域の賑わいの
創造を目指していく」(濱口十四郎会長談)とのことでした。

私も一時代劇ファンとして、また保津川とも深い歴史的かかわりのある地域・嵯峨太秦を
盛り上げていく為に、微力ながら、お手伝いさせて頂きたく思っている次第です。