保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

夏の終りを感じて・・・

2006-08-31 23:52:46 | 船頭
連日、猛暑となった今年の8月も今日で終り。

日中の暑さは相変わらずですが、朝晩の涼しい風に
夏の終りを感る今日この頃です。

皆様にとって今年の夏はいかがでしたか?

海水浴や旅行など、楽しい思い出がいっぱい出来た夏だったでしょうか・

自分にとって今年の夏は、生涯忘れる事の出来ない夏となりました。

7月の長雨で遅い梅雨明けで始まった保津川の夏でしたが、
8月当初より安定した天候にも恵まれ、順調な滑り出しをみせ、
お盆期間中は一日130艘もの船が流れていく好調さでした。

が、あの事故が・・・

以降、長い夏休みを余儀なくされる毎日。

最高潮に登り切ったところから、一気に奈落の底に突き落とされた気分でした。

急降下というのは、凡そ心身によい影響を及ぼすものではないですね。

なんとも臓腑が気持ち悪く、気分も晴れない休暇となっています。

400年の昔、舟を通す為の開削工事が完成したのが8月と云われています。

まさにその400年目の誕生月に今回の事故は起った事になり
そこに言い知れぬ奇しき因縁を感じる次第です。

この節目の月を‘旬’ととらえ、この節から新たな‘希望のよい芽‘
が吹くことを信じ、前進するしかないようです。

来月が本当の意味で「新世紀保津川の新たな幕開け」と為り、
良い月と立て変わるように祈りながら、去りゆく夏を見送ることにします。

幻に終わった400年キャラバン計画に思う・・・

2006-08-28 23:26:43 | 船頭
今日、8月28日は本来なら大阪・神戸で「保津川開削400年」
をアピールする為のキャラバン宣伝活動を実施する日だった。

我々遊船内の保津川下り400年委員会が最後の大仕事と位置付けた
このキャラバン計画は、若くて威勢のいい委員会メンバーで編成した
キャラバン隊を結成し、自ら繁華街に繰り出し、大々的に角倉了以翁と
保津川下りの400年をアピールする宣伝計画だった。

亀岡市観光協会さんの協力のもと、JR京橋、JR天王寺、JR三宮の
3駅前での宣伝活動の許可も取り、後は28日を待ち実行あるのみ!と
準備も万端に整えてあった。

が、しかし、あの落石事故が発生。

あれから13日が経った今も、再開には掛かることが出来ず、
このキャラバン計画も中止となり、幻のイベントとなってしまった。

「キャラバンの現場では、どの様に趣向を凝らしたら注目されるだろ?」
「どの様にアプローチしたら、パンフレットを受け取っていただけるだろ?」
などと連日、メンバーとの作戦会議を重ね、いろいろ面白い企画も出され
みんなとても気合が入っていた。
また、400年記念年度も中盤に差し掛かり
「さあ~これから本格的に計画実行に移ろう!」
との気運も最高潮に盛り上がってきていた矢先の
悪夢の様な出来事。

キャラバンが行なわれるはずであった今日、
落石事故があった現場を対岸から一人眺めていた。

我々の燃え上がった炎を一気に消すが如く、岩は頭上から
覆い被さってきたのだ。自然は私達に違う顔を見せた。

そこにどのような自然の思惑があるのか?
思案してみたが私には、到底わからない。

そして400年続く伝統の技を披露しながら、堂々と飾り下って
いるはずである保津川には今、船の流れる姿はない。

新聞報道では河原に迂回路を整備して、流す計画があるという。
しかし、安全を確保する為の本格的な防護工事には半年は掛かるだろう。

今も嵐山の中腹・大悲閣で保津川を見守り続けている角倉了以翁の霊は
眼下の保津川に船が流れない姿をどのような思いで見ているのだろ?

「保津の夜明け」はまだ当分、明けそうもないようだ。




いい風吹かそう!夏休み子どもミュージカル「寿限無」

2006-08-27 22:08:24 | 京都情報
亀岡市が「子どもの自己表現能力」を引き出す為に企画した
「子どもミュージカル・寿限無」の舞台発表が27日、
市総合福祉センターで行なわれ、可愛い衣装を身に纏っい出演した
小学生たちが夏休みに稽古した成果を発揮してくれました。

この企画には市内の小学生たちが15名参加、
夏休み期間を利用して芝居や歌、ダンスを習い
「ミュージカル」の稽古と出演という機会を通して
子供の表現能力を引き出そうとするもので、亀岡市在住の
絵本作家・たんぽぽさんこと榎麗子さんの脚本・演出指導で
毎週稽古が行なわれていました。

私もあの落石事故以来、時間に余裕が出来たため、
このミュージカル稽古を手伝わして頂いておりました


今日の発表会には保護者の方々を始め、学校のお友達も
大勢駆けつけてくれて会場は満員になりました。

そして特別ゲストとして本番では亀岡で活躍する
子供よさこいダンス「子亀SPARK」とのダンスジョイントも行なわれる
ので子亀ダンサーも会場入りしてました。

本番前のメイクや衣装合わせではふざけ合っていた子供たちも
いつもと違う会場の雰囲気を感じとったのか、少し緊張している様子。

自分は男の子たちに
「いっぱい観に来てくれはったな~みんなカッコよく盛り上げて頑張ろう!」
と声を掛けました。
「まかしとけ!」と少し生意気な返事をする男の子に、
「やってくれる!」との確かな手応えを感じました。

そして本番!

楽しく軽快な音楽が流れるなか、幸運の名前をもつ「寿限無」を
探すストーリーが始まります。

遊んでいる子供たちに旅人に扮した「たんぽぽ」さんが、
「あなたが寿限無?」と一人一人に問い掛けていきます。
子供たちは大きな声でこの中に「寿限無」がいないこと話します。

そして旅人の願いを聞いてみんなで「寿限無」を探す事に。
子供達の演技、感情が入ってとてもGood!
一人一人の個性もしっかり発揮してくれていました。

出演者全員で会場を覆い尽くす巨大バルーンを引っ張り出し
大きな風を起こすことで「寿限無」を探すのです。
「風」・・・それは幸運を運んでくる流れ。いい風を吹かす為にもまずはアクション!

するとその風の中から「子亀SPARK」が姿を現しました。

子亀ダンス、もの凄く上手い!
最後はミュージカルの子供たちとジョイントダンス「ウラジャ」です。
みんなは会場の方々も誘って大きな輪を作り踊ります。
もちろん私もしっかりダンシングしました。

今日の子供達の頑張る姿に、こちらが励まされまれた気分になりました。
私にも「いい風」が吹くように頑張ります。

「子どもミュージカルを作ろう!」との掛け声に集まった
メンバーはみんな、この夏休みに初めて出会った子供達が多く、
最初は照れと緊張で大人しい雰囲気でしたが、
落語で使われる「寿限無」の歌やよさこいダンス「ウラジャ」を
覚えたり、本番で使うバルールやビニールの舞台衣装作りなどで
遊んでいるうちに徐々に打ち解け、大きな声や動作が出て
自分らしさを引き出していった様です。

舞台という自らを最高に表現できる場で、精一杯持てる力を発揮し、
また一つ確実に成長した子供たち。

この夏休みの思い出を子供たちは永遠に忘れないことでしょう!

保津川下り、再開のメドたたず・・・

2006-08-24 11:02:55 | 船頭
15日の落石事故以来、運休を続けている保津川下り。

23日以降には再開を予定しておりましたが、安全対策面での協議で、
折り合いが付かず、再開のメドが全く立たない状態が続いています。

詳しいことについては私達組合員にもあまり情報が入らない状態で
みんな今後の展開にとても憂慮しているところです。

とりあえず、船頭は船が流せないと商売にならないので、
この状況が長期化すればかなり深刻な事態も
覚悟しなくてはないないと思います。

とはいえ、あの落石事故以来、崖が崩落するような現象は全くみられず、
現に今もラフティング等は下っていける状況なので、
何とか船の方も早期に再開策を見つけ、なんとか400年続いた火を
消すことなく誠心誠意、心を尽くして取り組んでいく必要があるようです。

この時期に保津川下りを計画されていた方々には
誠に申し訳ありませんが、今しばらくお持ち下さるよう
宜しくお願い申し上げます。

自分も保津川下りを守るため、精一杯の努力を惜しまない
覚悟で頑張っていきます。

掃除の後は「鮎まつり」。1000匹振る舞いだ!

2006-08-23 09:22:00 | 船頭
夏の保津川の恵みといえば‘鮎’です。

川魚のなかでも最も値打ちモノの魚として好まれる保津川の‘鮎’

この鮎1000匹を塩焼きにして大判振る舞いするイベントが
20日、「保津川クリーン作戦」終了後に行なわれました。

これは午前中実施された清掃活動を労うイベントとして
亀岡料飲連合会さんが主催となり開催されました。



清掃され綺麗になった河原にはメイン会場となるステージが設置され
そこに約1000匹もの鮎が活けす用のトラックで運ばれてきました。

活け鮎はその場で串にさし、たっぷり塩をまぶして炭火で焼きます。

かの美食家・北大路魯山人も「あくまでも塩焼きで食べる、うっかり食べると
火傷をするような熱い奴を、がぶっとやるのが一番香ばしい」と言っている様に
やっぱり鮎は塩焼きが一番美味しい!
最近流行りの照り焼きやてんぷらといった創作料理も塩焼きには敵わない。



クリーン作戦に参加してくれた子供達も、
たっぷり塩がまぶしてあるアツアツの鮎をがぶっ!

いい事をした後は、太陽の下で自然の恵みに感謝しながら
美味しいものを戴く、これは最高ですね!

みんな~これからも美味しい保津川の鮎が
いつまでも食べられる様に川の環境活動の参加に
宜しくお願いしますよ~

この思い世界へ届け!クリーン作戦で「ささぶね流し」

2006-08-22 10:59:53 | 角倉プロジェクト・世界遺産事業
20日に行われた「保津川クリーン作戦」の終了後、
「保津川開削400年記念事業」の象徴的イベントである
「ささぶね」流しが行われ、清掃活動に参加した子供達らが
思い思いの願いをこめた「ささぶね」制作し保津川本流に流しました。

『幸せのささぶねを保津川から世界へ!』をテーマに、400年記念事業として
始められたこの「ささぶね」流しは、400年前に角倉了以翁が実施した
保津川の開削事業をエコ的に解釈しようと企画されたもので、
了以翁が筏や船の運航に障害となっていた巨岩や奇岩を取り除いたことに掛け、
清掃活動等でゴミを拾い取り除くことで‘川と心の開削’を体感しようとするものです。


また、平和宣言都市である亀岡の未来に夢をかけ
世界の人々の願いである「Love&Peace」の
メッセージをささぶねにこめて流し‘家の前の川から世界の海へ’
とこの思いが世界に広がるように祈るイベントを目指しています。



会場では清掃活動を終えた子供達が大勢集まり、自分でささぶねを作り
思い思いのメッセージを書き込んでくれました。

最近はささぶねを作った経験のない子が多いので、年配者の方々が
作り方を教えて下さり、世代交流の輪も広がっているようです。

これからの世界を担う子供達が、楽しく環境や平和、先人への感謝を
学び、社会的意識を高め、このちいさなささぶねに祈りと願いを乗せて
世界の大海に向けて流していく!
それが「保津川のささぶね流し」です。



僕たち私たちの・・・この思い・・・世界へ届け!

皆様も是非、近くの小川に落ちているゴミを、家族やご近所の人たちと
力を合わせてゴミを拾ってみて下さい。
そして流れの良くなった小川にお船を流してみてはいかがしょう。

地球環境から心まで美しくする開削・・・エコ開削、
平和への意識は川を通して世界と繋がる「ささぶね流し」

行動は足元から、思いは世界へ!

ささぶねに乗せた保津川の思い・・・この思いが世界に広がることを願っています。

保津川に感謝を込めて・・・クリーン作戦

2006-08-21 09:23:16 | 角倉プロジェクト・世界遺産事業
昨日、保津川の清流を守ろうと市民参加の掃除活動
「保津川クリーン作戦」が保津川流域の各所で実施されました。

これは今年400年を迎える「保津川開削400年記念事業」の
一つとして、同実行委員会が企画し市民参加を呼びかけ実現したもの。

早朝8時から開始されたクリーン作戦には約600名の市民が
参加して保津川下り乗船場周辺やトロッコ亀岡駅がある篠周辺など
4ヶ所に分かれ行われ、河原に捨ててあるペットボトルや空き缶、
ビニール類のゴミを拾ってまわりました。

清掃活動はだんだんと日差しが強くなる中、約1時間行われ、
回収したゴミは約1トン、軽トラック7台分にもなりました。

ゴミの中にはバーベキューコンロや網、花火の残骸まであり、
河原を使用する人達のマナーの悪さを改めて痛感させら悲しくなりました。

また、私達保津川遊船も2艘の船を用意し、市民も一緒に乗船して頂き
川沿いのゴミ掃除を体験してもらいました。
洪水の度に上流から流れてくるのゴミ多さに参加者一同、
驚きの様子で、上流域も取り込んだクリーン作戦の必要性を
強く感じられたようです。


この様な市民参加のクリーン作戦は今回が初めてですが、家族連れでの参加も
多く見られ、小さなお子さん達が大きなゴミ袋を持って一生懸命
ごみを拾っている姿が嬉しくまた頼もしく感じられました。

私達、大人はこのような子供たちに恥ずかしくない見本となる
行動を心掛けないといけないと強く感じた次第です。

参加者たちは「昔からこの亀岡に多大なる恩恵を与えてくれている
‘母なる川・保津川が、この様に汚されている現実を目の当たりにして
とても悲しい気持ちになった。これからは川に対する意識を高め、
この地域に住む住民が一丸となった取り組みを考えなくてはいけない」
と感想を述べるなど、保津川のゴミ問題に強い危機感を感じられた様でした。

そして「この様な活動は『保津川400年』の記念イベントで終わらせるのではなく、
今後も続けていくことで市民のゴミへの意識を高めて‘美しいまち・亀岡’を
つくりたい」と来年以降も継続していく必要性を口々に述べられいました。

また、この作戦には市民以外にも「桂川流域ネットワーク」のメンバーが
大山崎や長岡京からも駆けつけて下さり、桂川のゴミ問題を研究されている
造形大など学生の方々と一緒に参加して下さった。

この動きは地域の枠を越え、桂川全流域にクリーン活動の輪が
広がる予感を感じさせ、今度の流域活動に一つの方向性を
示したものとして期待感も膨らみます。

日頃から恩恵を受けている川、その川への関心が高まることが
ゴミの削減、マナーの向上に繋がります。

その意味からも今回の「保津川クリーン作戦」を
開催できた意義は大きいと感じております。

保津川開削400年のこの年をスタートとして、市民皆様の
川への関心、意識が高まればこんな嬉しいことはありません。

参加された皆様、お疲れさまでした。

今日、京都駅ビルでVOPのゴスペルサマーコンサート。

2006-08-20 07:37:33 | ゴスペル&ミュージック
今日20日、京都駅ビルの大階段・室町小路広場で
ゴスペルグループ‘voice of peace’の
サマーコンサートが開かれます。

開演はPM5時30分~7時までです。

同グループは世界中の人々の共通の思いである
‘Love&Peace’のメッセージを様々な分野の
音楽やダンスで表現し、出会いと感動のある
音楽コミュニティーの創造を目指し活動されいるグループです。

総勢100名を超えるクワイアで奏でる魂に響く
サウンドに加え軽快なヒップホップダンスとの融合で
つくりあげるユニークなステージで注目されている
実力、人気ともに関西トップクラスを誇るゴスペルグループです。


入場は無料ですが、人気があるグループなので30分前には
座っておかないと最上段で見る事になる危険性大です。

時間が許す方はお早めに!

このブログにもコメントを下さるKAMEさんや大吉さん、えみさんも
出演されるので自分も観に行きたいと思っております。

天若湖アートプロジェクト2006が開催されます。

2006-08-19 10:58:51 | 京都情報
ダム湖に水没した集落の灯りを夜の湖面上に再現する大規模イベント
「天若湖アートプロジェクト2006・あかりがつなぐ記憶」が19日、
京都府南丹市の日吉ダム・天若湖で開催されます。

このイベントはNPO桂川流域ネットワークと流域市民有志で結成した
天若湖アートプロジェクト実行委員会が企画したもので
地元日吉町の住民や京都造形大、摂南大などの学生ボランティア
の協力のもと開催され、ダム湖面上にペットボトルや竹細工での作った
灯り設備を一面に浮べ、日没頃に点火させます。

イベント会場となる日吉ダムは保津川(桂川)の上流にあり、
桂川流域の治水と京阪神地域の水需要の確保を目的に
平成10年に完成した関西最大級の多目的ダム。

かってこの地には8つの集落が存在し、桂川の自然に育まれた
豊かな生活空間と文化が息づく村がありましたが、ダム建設地区となり
その地域の自然とともに湖底に消えてしまいました。

天若湖アートプロジェクトではダム湖として水没して消失してしまった
これら集落の灯を、ダム湖面上に再現することで地域の歴史や文化そして
そこにあった人々の営みを思い起こし、今、この場所の意味や流域が享受する
恩恵、これからのダム湖との人の関わりについて考える機会の創造を目指すものです。

眼前に展開している新しい湖面の風景に、失われた場所の記憶を繋ぐ
このイベントは見る人それぞれの心に過去と未来、自然と文明などの
いろんな感情がこみ上げてくるものと思います。


保津峡落石事故の為、22日まで運航中止致します。

2006-08-18 20:30:41 | 船頭
テレビや新聞等でご存知のことと思いますが、
15日夕方に発生した峡谷の落石事故により
保津川下りは現在、運航を中止致しております。

現在、峡谷現場の安全確認及び安全対策を鋭意進めているところで、
8月22日(火)迄運航中止を決定致しました。

大変ご迷惑をお掛けいたしますが何卒宜しくお願い致します。

自然と共存することの厳しさ及び難しさを強烈に痛感しております。

今、自分に出来ることはこの‘保津川400年の火’を
絶えさせない為に自らを鼓舞し、精一杯出来るだけの
努力をするしかないと思っています。

安全で楽しい川下りを提供できるよう、これからも不断の決意で頑張りますので
何卒宜しくお願い申し上げます。