保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

京都駅ビルで「Voice of Peace」のサマーコンサート2011を鑑賞。

2011-08-28 23:53:09 | ゴスペル&ミュージック
今日、JR京都駅ビル大階段・室町小路広場で「Voice of Peace」のサマーコンサート
2011が開かれ、私も子供たちと鑑賞してまいりました。

息子は高校の軽音部でベースを弾き、娘は中学校の吹奏楽部、
妻もゴスペルを歌っているという音楽一家の我が家の夏恒例行事
でもあるVoice of Peaceのサマーコンサート。

舟を2度操船した後、即行着替えて、午後5時半から始まるコンサート
にギリギリ間に合うという感じです。

世界中の人々の共通の思いである‘Love&Peace’のメッセージを
ゴスペルを中心に様々なジャンルの音楽やダンスで表現する
音楽コミュニティー「Voice of Peace」そのコーラスの美しさは
真夏に吹く涼風を感じさせてくれます


そして今年も実力派ボーカルグループ「Cooley High Harmony(クーリー・ハイ・ハーモニー)」
の4人もゲスト出演者として登場してくれました。
彼らの爽やかで美しい歌声は聞く人を幸せな感覚に誘ってくれました。

特にマイケルジャクソンの名曲「Heal The World 」は最高でした。

京都駅ビルの大階段は誰でも無料でイベントを鑑賞することができ、
通行中のさまざまな人が足を止めてご覧になっていかれますが、
観光都市の京都らしく、海外からの観光客が非常に多いのが特長です。

英語の歌詞と聞き覚えのある歌のメロディーに引かれて、多くの
海外の方が足を止め聞き入っていかれます。

Voice of Peaceの歌声とパフォーマンスに、皆さん興味津々なご様子で、
デジカメのシャッターを切ったり、手拍子をしたりと、京都でのひとときを
楽しんでおられる様でした。

京都へお越しの観光客の皆様をお出迎えする、場所としては最高の立地条件の
京都駅ビル大階段ですから、英語の歌や様々な国の歌い、交流を図るのも
いいかもしれませんね。

コリアンパワーVS船士ネタパワーが激突!韓国のお客様がご乗船。

2011-08-27 21:03:16 | 船頭
本日のお客さまはお隣の国・韓国からお越しのツアーグループさん。

皆さん、乗る前から乗船場に下りて、所々で舟をバックに
記念写真をお撮りながら盛り上がっておられました。
たまたま、通りかかった私も捕まり、一緒に写真を撮りまくり状態へ!
韓流女優のような美しい方とも、肩に手を回して貰い「ハイ、ポーズ!」

などなど・・・して小さな国際交流に勤しんでいたりしていた
訳ですが、まさか、その時は私の舟にお乗りなるとはつゆ知らず・・・

偶然にも順番のめぐりあわせにより、先ほど記念写真を撮った
韓国の団体さんが、バッチリ!わたしの舟に。

さあ~大変です~

お乗りなった時からテンション上がりまくり状態!!
「フォー!」「コンニチハ!」などと歓声を上げながら舟は
乗船場から出発です~目指すは京都嵐山までの1時間半。

アオサギや鵜などの鳥たちや亀が甲羅干しをしている姿を見つけては
歓声が上がりまくりのハイテンション!

舟を漕ぐ私もこのテンションに押され、遅れをとっては日本船士の名折れ?(なんのこっちゃ~)
とばかりにアクション付きで盛り上げ返します。

棹の跡(400年間、船頭が竹棹で差し続けて凹んだ跡)で上手く棹が
凹みに命中すると「おや?拍手がないよ~ハイ、拍手!!」と思いっきり
拍手の催促をすると「おお!エエヤン!」「マイド、オオキニ~」などの
怪しげなイントネーションの関西弁まで飛び出しながら、割れんばかりの拍手と
野太い声の歓声が渓谷に鳴り響き渡りました。

「コリアンパワー炸裂VS船士ネタパワー」の激突!
かみ合っているのか?いないか?ちょっとわからりませんが、
手のひら振ったり、拳を上げるなどのオーバーアクションあり!、
お客さんの怪しげな日本語と私の怪しげな韓国語の掛け合いもあり!
ず~っとこんな調子で舟は嵐山まで向かったのでした。

それでも、みなさん、舟を降りられ別れ際の挨拶の時には
代わる代わるに握手を求めて来られ、満面の笑みで
「たのしい~かった~」と日本語で言って下さり、舟が見えなく
なるまで手を振って下さっていました。

また、私の韓国のお客さんとの掛け合いを苦笑?しながらご覧になられていた
日本人のお客さん4名様も「笑わせて貰いました。とても楽しかったですよ」と
言っていただきました。

日本と韓国、巷ではいろいろとありますが、こんな小さな出会いが
両国のイメージをアップにつながれば、こんな嬉しいことはありませんね。

今日「怪傑えみちゃんねる」に出演!原田龍二さんと再会!

2011-08-26 16:04:58 | 原田龍二さん
今日、保津川下りの乗船場に俳優の原田龍二さんがお越しなりました。

龍二さんとは先代の水戸黄門が終了して、京都を離れられて以来の
再会となりました。

ふたりともいい‘笑顔’でしょう!


映画「相棒」の人気キャラ・陣川公平警部補や山村美沙サスペンス・狩矢警部シリーズ
での新聞記者夏目利彦役などで活躍する原田龍二さんですが、
今年は舞台にも積極的に取り組まれているご様子。

これからの活躍が益々、楽しみに感じる再会でした。


※今日、8月26日(金)関西テレビ19:00~の「快傑えみちゃんねる」にも御出演されます!


 10月には明治座、11月には中日劇場で「大奥」の舞台公演があります。


子供心に深く刻まれる楽しい思い出「地蔵盆」。

2011-08-25 17:13:08 | 船頭の目・・・雑感・雑記
私の住む京都府亀岡市でも23~24日は各町内で「地蔵盆」が行なわれていました。

町内の大人たちが、子ども達のすこやかな成長を願い、町内上げて運営企画する
伝統行事でもあり、京都では親しみを込めて「おじぞうさん」と呼ばれ、
子どもたちにとっては夏休み最後のお楽しみ行事でもあります。

私の子供の頃は夏に旅行などいく機会も少ない時代だったので、
夏休み一番の楽しいイベントといえば「お地蔵さん」でした。

町内の道路を通行禁止にして、地蔵さんの前にテント屋根の簡易的な座敷を
つくり、上は中学生のお兄さん、お姉さんから下は幼児まで、町内の子どもが
一同に集まって、丸々2日間、家にも帰らず、ず~っと入りびたり、将棋やトランプ
などのゲームや卓球などの遊びをしていた思い出があります。

ここで町内の大人の人達と知り合い、将棋や囲碁などを教えて貰った記憶があります。
また、野球盤などは最新型のゲームで順番を待っているのが大変でした。


さて「お地蔵さん」について宗教的うんちくを少し。
地蔵さんは仏教でいうところの「地蔵菩薩」がその本尊で、その縁日である
毎月24日に行われていた祭典が「おじぞうさん」のルーツと云われています。

「地蔵菩薩」は子供の守り神さんで、賽(さい)の河原で石を積む幼子の霊が、
鬼にいじめられて苦しめられる時に、救いに来てくれる存在です。

昔の日本では、子供の死亡率が高く、子を亡くした親の悲しみを
慰める話として、民衆の心に伝わったといいますから深い行事です。

元々、宗教的な行事ではありますが、子供を愛しく思う、親の切なる
気持ちの発露から、自然に始まった行事だと思います。

こんな楽しい思い出ばかりある「地蔵盆」ですが、現代では「一宗教の行事だ」と
の理屈で、縮小簡素にされる傾向にあるのはとても残念です。。

事実、私の住んでいる町内では「おやつを配り」半日で終わります・・・

そんな杓子定規な感覚で狭小に考えるのではなく、時代に左右されることない
子を思う、親の心情の奥深さに思いを寄せ、親子の情を再認識する
大切な行事にしてほしいと思います。

町内の人や友達とゴザを敷いて遊んだ、楽しい「お地蔵さん」の思い出は
私の経験上、子供心に深く刻まれることは間違いがないと思います。


宗教、宗派など関係なく、子供を思う親の心は万国共通なのですから・・・

法政大学広告研究会の皆様がご乗船されました。

2011-08-24 23:29:02 | 船頭
最近、涼しい日が続いていましたが、今日は夏日が戻ってまいりました。

救命胴衣を義務づけてから、初めての夏日ということもあり、
お客様の反応なども気になるところですが、皆様、快く着用して
下さり、降りられるまで脱着されることなく過ごされていたので
一安心といったところです。

そんな朝、今日は東京から法政大学の広告研究会の皆様、
総勢約110名が舟にお乗りいただきました。

東京六大学のひとつ法政大学・・・さすがはマンモス校です。
100名を超すようなサークルがあるとは・・・

話を聞けばこれでも京都に行こう!企画に参加したメンバーが
これだけで、総部員数は200名を超えるというから驚きです。

将来は「電通か博報堂狙い?」と聞くと「もちろん希望は~」
ということですが、それらの企業に入社できなくても、
「一般企業の広報や宣伝担当などの部署でもノウハウを活かせる」とのこと。
みなさん、なかなかしっかり将来を見据えているのですね。

私なんか、学生時代、遊びまくって「将来のこと」なんて真剣に
考えたことなかったですから・・・

とはいえ、やはり広告代理店やCM業界はいつの時代も人気商売だと
いうことはよくわかりました。

さて、みなさんは昨日京都に入り、朝から
「金閣寺→京都大学→銀閣寺→八坂神社→清水寺→祇園」を
9時間で回るという強行スケジュールだったそうです。

今日はのんびり川下りということだそうですが、時代の流行に
敏感であり、様々な場所やいろんな活動などを、注意深く
観察されている皆様の目に、この保津川下りはどのように映ったのでしょうか?

舟の中でも、VTRやカメラ撮影などもされていたので、もしかしたら
大学対抗広告大賞などの応募作品になってくれた嬉しく思います。

とにかく元気いっぱいで若者パワーあふれる、爽やかな川下りでした。


今日24日から、あだしの念仏寺で「千灯供養」が行われます。

2011-08-23 08:00:34 | 京都情報
京都には「OO野」といって野がつく地名が多くあります。

古い京都本によると「野」のつく地名の場所は「葬送の場」だったといいます。

奥嵯峨にあるこの「化野(あだしの)の念仏寺」ものそひとつ。

その化野念仏寺では今日23日から「千灯供養」が行われます。

夕刻から境内に祀られてある8000体もの無縁仏にろうそくを
灯しお供えをして供養する宗教行事です。

京都市右京区嵯峨野の小倉山麓の地、愛宕山の参道沿いにある
あだしの念仏寺は、約千百年前に野ざらしになっていた土葬仏を、
弘法大師が智山如来寺という寺を建立し、埋葬して石仏を作って
死者の霊を慰めた場所で、その後、法然上人の常念仏道場となり、
念仏寺と称されました。

今では観光スポットとして有名になった念仏寺ですが、
元々古来より葬送の地であったこの地。当時は風葬…つまり遺骸を
そのまま野原に捨てていました。
土葬の風習が始まると墓の代りに石仏を奉りましたが、時代の
流れのなかで地中に埋もれていきました。
散乱し埋没していた多くの無縁仏の石仏は明治36年ごろに
境内に集められ、賽の(さい)河原に模して「西院の河原」
と名付け現在の姿になったといわれています。

ちなみに我が家先祖の墓も‘あだしの念仏寺’にあります。

当時をよく知る人(祖父)の証言などでは、日中も日が射さず
薄暗くて「少し不気味な場所」だったそうです。

「あだしの」って珍しい呼び方は、儚さ、虚しさの意味で、
漢字では「化野」と書き、「生」が化して「死」となり、
この世に再び生まれ化る事、極楽浄土に往来する
願いを込めた意味だそうです。

先祖が奥嵯峨野出身の我が家もいつからか、この
お寺に身内を埋葬することになり、御先祖さまのお墓が
「西院の河原」のすぐ隣に多く並んで建っています。

ちなみに、私がこの寺に入る時は「墓参り!」と一言掛ける
だけで「受付」はフリーパス。もちろん拝観料は入りません・・・

あだしの念仏寺 千灯供養
開催日:8月23日(火)24日(水)(予約不要)
時間:17:30~20:30まで。(行事開始は18:00から)
拝観料:1000円(ろうそく、パンフレット込み)
交通:京都駅から京都バス72・74系統
   三条京阪から京都バス62・64系統 
   ともに「鳥居本」停留所下車

雨の渓谷、山の呼吸を感じながら、耳を澄ますと・・・

2011-08-22 16:48:34 | 船頭の目・・・雑感・雑記
昨日、保津川に約一ヶ月ぶりとなる本格的な雨が降りました。

連日、38度を上回る猛暑!

その厳しい暑さの中を、お盆休暇の6日間をフル稼働で対応した
船頭たちにとっては、まさに「恵みの雨」となりました。

天気も、舟の運航時間内はそれほど大きな崩れもなく、気温もぐっと下がり、
ご乗船下さったお客さんにも涼しい保津川下りを体験して頂けたのではないでしょうか?

今年の日照り続き・・・苦しんでいたのは船頭だけではなかったようです。

実は保津峡の山々と木々、そこに生息する動物や昆虫、植物等に至るまで、
心待ちにしていた「恵みの雨」だったと思います。

山々はこの猛暑と厳しい日光を受け、水分を蒸発しまくり、木々も喉が
乾いていたことでしょうし、谷川もカラカラに日干しあがっていたので、
小さな淡水魚たちもイキイキと元気になったのではないでしょうか?

今回の雨は山という大きな自然が待ちに待った雨だったようです。

渓谷を舟で下る間、山から上がる白い湯気のような靄を見てると
さらにその気持ちが増してきます。

雨を体一杯に受けて、山が大きく呼吸しているようです。
そう、山の深呼吸です!

小雨降る山々に靄が立ち込め、木々の葉っぱから水滴が落ち、苔が
緑色に光輝く、潤いある渓谷の風景を眺めていると、確かに
「山が喜んでいる!」「自然は確かに生きている!」と実感できます。

耳を澄ますと、山の声と山に棲む者たちの笑い声が聞こえてくるような気がします。

私達人間もこの地球という大地に生きる者です。

その大地が山であろうと、家の地面であろうとコンクリートの道であろうと
すべてそれは地球の大地であり、今、確かに生きている自然の上に我々の生活が
成り立ち存在するのだということを忘れたくないですね。

まさに、私達は生かされているのですね!
私はその自然の大きな働きを、日々、リアルに感じ気づくことが
できる場所が仕事場であることをとても幸運に思うのです。

京都創造者大賞を受賞して、今、思うこと・・・

2011-08-20 08:56:49 | 船頭の目・・・雑感・雑記
私達、船頭の熱い思いから始まった「小さな活動」だった保津川の美化活動。

最初は「船頭がええかっこして~」とか「自分の職場をきれいにするのは当たり前やん」
「新手のPR活動じゃないか?」などと私達の活動に、多くの人々が懐疑的な白い目を向けた。

「所詮、船頭の集まり。続かないやろう・・・」と地元の方々の評価も
けして高くないところからのスタートだった。

そんな雑音にも、なんら語ることなくもくもくと活動を続けた。

また当初は社内でも手放しに協力してもらえた訳ではなかった。

増水毎に上流や支流から流れてくる河川ゴミに「イタチゴッコで無駄やろ~」
と先輩たちに言われながらも、何とか円滑な活動体制が構築できる様に、
毎日、組合事務所へ足を運び、理事との交渉を続けた。

時には「若い船頭たちを扇動している!」や「その活動経費はない!」など
の厳しい批判の矢面にも立ち、心折れそうな日々もあった。

「でも、この美しい自然を借りて我々は生きていけるのだ」という強い気持ちと
志を同じくする本当に僅かな船頭仲間たちを頼りに、ここまでやってこられた。

保津峡の桜再生をめざして、あたらに植樹事業も始めた。
地権者から了解ももらう交渉や植樹経費捻出のため組合の理解にも汗をかいた。

河川の漂着ゴミを回収する為の「ラフティングボート」も組合に頼み込み
購入して貰えた。

そして「NPO法人プロジェクト保津川」の設立初期メンバーの皆様や
同じ保津峡で生きる嵯峨野観光鉄道の強力な協力バックアップ体制もあり、
あれから6年・・・「京都に保津川あり!」と注目されるほどまでになった。
最初は遠巻きに私達の活動を傍観していた地元住民の方々へも保津川美化活動は
広がりをみせ、筏の復活プロジェクト等による保津川水運の歴史的検証と
河川流域文化の価値を高めることにもつながっていった。


「人は生きることで‘なに’を残すことができるのか・・・」

その答えを求めて、手探りにはじめた活動には、
先日、京都商工会議所主催の「京都創造者大賞」をいただくことになった。
しかも私達の活動を後方で支えてくださった嵯峨野観光鉄道(㈱)とともに。

私達の地道な活動をしっかり見ていてくれた人達が確かにいたのだ。

感激である。

私たちは確かに今「保津川下り400年の歴史」に
その足跡を残すことができた!と感ずる。

まさに感無量だ!



表彰式は9月20日に左京区の京都大学百周年時計台記念館で開かれます。

 この賞は「京都府、京都市、京都商工会議所と顕彰委員会」が創設し
 毎年、表彰者を決定しています。
 各部門は「おもてなし、環境部門」「アート・文化部門」「企業部門」
 「未来への飛翔部門」があります。

 「京都創造者大賞」はその「最優秀大賞」です。

国の安全運行指導視察を受けて思う保津川の舟文化。

2011-08-19 23:41:35 | 船頭
先日の天竜川での舟転覆事故を受けて今日、安全運行面の指導と確認を
行うために国土交通省近畿運輸局の職員方が保津川遊船企業組合にお越しになりました。

この訪問は事故の重大性を考慮した同運輸局が、河川を使用して
川下りや遊覧船を運航している企業等を対象に、緊急の視察と
指導を実施するもので、私達の保津川下りでは救命胴衣の数や
保管場所、着用説明の状態などの安全面での体制の確認をされました。

今日お越しになったのは同運輸局・海上安全環境部と海事振興部の
職員さん7名で、現場視察の後、組合の理事長はじめ理事4名から
運行中止条件や船士の操船基準など安全運航体制に関する具体的な
説明と聞き取り調査を行い、個々の事例についての意見交換も行いました。

午前10時30分頃の訪問にはテレビ局ははじめマスコミ関係者も
多数随行され、聞き取り調査と意見交換の場はまるで記者会見場さながら
の物々しい雰囲気に包まれました。
その後マスコミ各社は、お客様の乗船する模様や救命胴衣の着用状態
を取材され、中には「あの事故があって舟に乗るのは怖くないですか?」
などとお客様にTVカメラを回し直接インタビューされる局もありました。

まあ「怖い」と思う様な方なら最初からここにはお越しなってないと思うのですが・・・
元取材する側の人間だった私から見ると、もう少し工夫して角度を
変えた質問の仕方をしたらいいのな~などと感じた次第ですが・・・

とりあえず、昨日からマスコミ関係者が連日お越しなり、理事長などの
運営責任者への取材攻勢がもの凄いのです!
あれだけの事故が天竜川であったので仕方はないとは思いますが、
「保津川遊船では一体、どのような安全対策をしているのですか?」
「それで安全が確保できていると思われているのですか!」などと
強い調子で電話をかけてこられような記者もいたりして
なんか?まるで私たちが事故をしたように気分になり勘違してしまいそうです。

また、お客様が舟に乗り込み「さあ、出発しますよ!」という時に、舟の
出航を止め、長い録音用のマイク器を伸ばしながら、座られているお客様
に対して「心配はないですか?今の心境は?救命胴衣は暑くないですか?」
などの質問を矢継ぎ早にされるなど、少し礼儀に反するのでは?と
感じるような取材方法をとられる社もありました。
まあ不安感を煽るというような意図はないにしても、その後の
お客様の意識にはかなり影響したようで、舟の中のテンションも
下がり、折角、楽しく船旅を味わおうとされている気分を
台無しにするような結果になったことは否めないと思います。

舟の運航には安全が第一。これは当たり前のです。
楽しい観光とは安全性が強調されてされ過ぎることななし、
安全確保がなにより大前提です。
そこに厳しいチャックを入れ、認識を徹底していくことは
絶対に必要なことです。
しかしながら、もう少し配慮のある方法をお願いできればな~とも感じました。


さて、国土交通省ではあの事故を受け、救命胴衣の着用を義務化されました。
これまでも救命胴衣については舟に人数分設置しており、着用に関する説明等は
行ってきましたが、このたびの「着用義務化」を受け、私たち保津川下り
でも乗船されるお客様には全員、乗船時に装着していただくことになります。

これまで保津川下りでは救命胴衣の着用を完全義務化はしてきませんでした。

これは400年という長時間をかけて蓄積された川の記録や情報に基づき
確立され、受け継がれてきた我々船頭の操船技術とその習得への厳しい
教育システム、また日々の研さんによる「操船術」への信頼感を前提に、
川舟文化を大事に思ってきたということが一番の理由にあげられると思います。

また、四季折々の日本の自然、山、川、この風情を味わっていただくこと。
鴨川や貴船川の「川床」同様に、昔から蒸し暑く厳しい夏を迎える京都で
庶民が、また京都を訪れた人たちが、川という自然の中に‘涼しさ’を求め、
見つけ出し活かすという、京都ならでは‘涼’への知恵が保津川での川下りも
育て、そして川舟の「風流さ」をかもし出してきた、そんな川舟文化を守りたいと
いう気持ちがあったからだと思います。

そこには「合理性」「機能性」というものが求められる社会とまた異なる
「昔をたずねる」風流さや「自然に溶け込む」風情を生み出してきた
川舟の歴史と文化を大事にして、失いたくないと。
そして保津川を訪れる方たちに提供していきたいという
思いだったのではなかったでしょうか。
少なくとも私はいつもそう思っていました。

しかし、安全性というものは、何ものにも変えることができない
最優先課題であることも事実です。今は「絶対」というものはない時代です。
また、己の技を必要以上に過信してもいけない。

今回の国の決定を甘んじて受けいれたいと思います。

400年前の川舟に、近代的な色彩と形体の救命胴衣はなかなか馴染みませんが、
これも幾度となく訪れた長い歴史の中の変革期なのかもしれません。

川舟の文化と風情が失われていくのは本当に淋しいことです・・・

でも、これまでも様々な時勢のなかを、400年間途絶えることなく
守り続けたきた先人たちの思いを思いとして、これからの頑張って
いく所存です。

みなさまに‘信頼’される川下りを、必ず守っていきますので
これからも保津川下りをよろしくお願いいたします。

「京都創造者大賞」に保津川遊船と嵯峨野観光鉄道が受賞!

2011-08-18 09:57:06 | 保津川下り案内
非常にいいビックニュースが飛び込んできました!


京都のブランドイメージの向上に務めた個人や団体に表彰される
「京都創造者大賞2011」において、私達保津川遊船企業組合と
嵯峨野観光鉄道が「大賞」を受賞することになりました!

保津川遊船が日頃、行っている河川清掃活動と渓谷の植樹事業などの
取り組みが評価されたとのこと。

大変、光栄なことと喜んでお受けしたいと思います。

私たちが始めた小さな活動ご評価されたことを
本当うれしく思い涙腺が緩むくらい感無量です。

嵯峨野観光鉄道さんは廃線路線を利用して1991年に開業。
以来、年間90万人以上の観光客が訪れる京都の人気スポットを創造した
ことで、地域経済と京都観光の活性化に寄与したことが評価されました。

同じ、保津峡での観光を支えている両者がこのたび、表彰されたことで、
ますます協力体制が強化され、京都観光はもとより、山や川の環境美化への
意識が高まり、地域の魅力が更に磨かれることを期待したいです。

表彰式は9月20日に左京区の京都大学百周年時計台記念館で開かれます。

この賞は「京都府、京都市、京都商工会議所と顕彰委員会」が創設し

毎年、表彰者を決定しています。

他に「おもてなし、環境部門」「アート・文化部門」「企業部門」
「未来への飛翔部門」など各部門も表彰もおこなわれます。。



(植樹事業終了後、みんなで記念写真)
中心になって活動を推進してくれた、森田孝義保津川遊船エコーグリーン委員長
の頑張りの成果だと思います。