仏教の聖地にゴスペルの歌声が響き渡った!
「京都・東山花灯路」でにぎわう浄土宗の総本山・知恩院の三門で、
日本ゴスペル界の女王・亀渕友香さんとコーラスグループ「VOJA(ヴォジャ)」
による「ゴスペルコンンサート」が開催されました。
現代の「神仏習合」ともいえるこの催しは、今年、同宗の宗祖・法然上人800年大遠忌を
迎える総本山・知恩院が主催したコンサートで、宗教の違いを超え「いのちの大切さ、生きている素晴らしさ」
という共感する精神をゴスペルの暖かいメッセージに乗せて高らかに歌い上げたのです。
また、法然上人800年大遠忌を記念して、公募で集まった市民80名もクワイアーとして
参加し、さだまさしさんが作詞・作曲の手掛けた「いのちの理由」を亀渕さんと一緒に合唱されました。
「音楽には神様の言葉が宿る、音魂です。いつも美しい言葉を発しましょう。神様の心に近づけます」
とMCでゴスペルの精神性や歌うことの意味について話される亀渕さんに、三門前に集まった
約500名の観客は大きくうなずいていました。
最後はゴスペルの代表曲である「OH,HAPPY DAY」を出演者と会場が
一体となっての大合唱。観客の中には立ち上がって、共に歌う方もおられました。
音楽は国境を越え、人種を越え、まして宗教を越え、世界の人達の‘心’の根底にある、
生きていることの賛美や感謝、優しさなどの‘共通する感動’を呼び起こし、
勇気と元気を生み出す力を持っています。
特にゴスペルは最も弱き者であった黒人の中から生まれてきた音楽で、厳しい生活環境にも
負けず、その強い信念と意志の表現は、R&Bやジャズなどの音楽文化の基礎的役割を果たしました。
歌から生きる上のいろいろなことを学び、そして楽しませてくれます。
人の心の再生が叫ばれる時代だからこそ、世界が、価値観の垣根を越え、お互いが認めあい、
わかりあうことが大切です。
昨夜のゴスペルコンサートには、そんな世界観が表現され、広がっていった気がします。
世界がひとつの輪になり、音楽を奏でるとき、真の世界平和という夢は現実のものとなる。
そう信じられる‘スピリチュアルナイト’でした。
コンサート前、知恩院の管長さんの挨拶がありました。他文化を評価し、吸収しながら
発展してきた京都の伝統と京都の懐の深さを感じました。
まさに現代の本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)の姿を見た気がします。
東山の花灯路は明日22日まで開催です。
*亀渕友香さんは、久保田利伸、倖田來未、MISIA、SPEED、Dream MAX、研ナオコ、錦野旦など
日本のトップシンガーを指導したボイストレーナーの第一人者。育てた弟子は一万人を超える。