保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

舟上げに出動!

2004-08-31 21:32:02 | 船頭
はっちんの願いも空しく、昨晩は舟上げに出動する事になりました。
今年最大級の台風16号は真夜中の12時頃、京都に最も接近しました。
この頃、保津川でも激しい風と豪雨に見舞われ、外は嵐に!

当番に当たっていた舟守りのメンバーは至急、対岸の川へ行き
水位のチェックと舟に溜まった雨水をかき出す作業を開始!

しかし、嵐の中での作業ははかどらず、舟に溜まった雨水も
かき出した途端また溜まるというイタチゴッコ。
そうしてる間に、川の水位が急上昇し、当番のメンバーだけでは
手におえない事態となったそうです。

そんな時です。はっちんの枕元に置いてあった携帯が鳴ったのは!
「今、舟を上げてるが、川の増水が激しくて間に合わない!至急来て欲しい!」
消防士さんの様に、すぐさま飛び起き、数秒で着替えを済まし出動です。

現場に付くと、河原と川の境は無くなり、一面が濁流と化した川が広がるだけ!
その濁流を背に数十雙の舟が、ワイヤーに繋がっているだけの状態で浮かんでました。
ぐずぐずはしてられません。舟がワイヤーを離れ下流に流れるという、
最悪の事態だけはなんとしても避けなければいけません!

作業は、舟の舳先に長いロープを掛け、5~6人が横から押して
クレーン車が設置してある堤防まで引っ張り上げ、トラックで
安全な堤防裏の広場まで運び並べて置くというもの。

全長12mはある舟のサイドから押していく
その足元はすでに増水した水の中です。
押してる間も「何処までが河原で、何処からが川や?」という
声が飛び交います。
暗闇の中、一面が川となっている作業場では、
この境目を誤ると、とんでもない事になります。
日頃の勘を頼りに、慎重にしかも迅速に
作業を進めなくてはなりません。

無事、最後の舟を吊り上げる頃には、辺りは薄明るくなっていました。
時計を見ると、午前6時を過ぎていました。
当番だったメンバーは荒れ狂う強風と豪雨の嵐の中、
夜中12時から朝の6時まで、ぶっ通しの作業で疲れた事でしょう。
本当にお疲れ様でした。

この川の状態なら、おそらく2~3日は運行できないでしょう。
ゆっくり休んで、夏の疲れでも取るしかないようです。
まあ、遅い盆休みと思って、ゆっくりします。







船上げ

2004-08-30 20:49:57 | 船頭
いよいよ、近畿にも台風が接近してきました。
天気予報では今晩かなり雨が降るようにいっています。
予報では200~300ミリ降るらしいです。
本当にこれくらい降れば、保津川の船頭は寝てられません。

船頭には舟守りという、当番制で係留している舟を守る仕事があります。
当番に当たった船頭は、丸一晩事務所に詰め河川の増加をチェックするのです。
そして警戒水位を超えた時点で舟を流さない為に陸に上げる作業にはいります。
こうなると一時の猶予もありません。一斉に船頭に呼び出しが掛かるのです。
真夜中でもお構いなしです。
濁流になっている河川での作業しかも足元も見え難い夜中です。
とても危険な作業になることは必至です。

はっちんは去年、この当番時に見事当たった経験があります。
降り止まない雨と上流のダムの放水量が気になり一睡も出来ませんでした。
作業が終わった時には、もうあたりが明るくなっていて疲労度も激しかったです。

今年は幸い当番ではなく、こうしてPCに向かっていますが、
大雨で河川が氾濫しそうになれば出動しなくてはなりません。

今はまだ雨も小ぶりですが、大雨にならない事を祈りっているはっちんなのです。

(*)KUMIさん、またまたのコメントありがとうございます。
 「LOVERS」は面白そうですね。「HERO」のスタッフが
 総力を上げて制作した映像の完成度が高い映画だと聞いています。
 是非、映画館で見てみたい一作ですね。
 でも最近のアジア映画は勢いがありますね。
 日本映画の負けてはいられません。
 世界に冠たる日本企業・スポンサーの皆さん、
 日本映画文化にご協力を!


本日の保津川下り

2004-08-29 07:33:40 | 船頭
本日の保津川下りは、今のところ運行する予定です。

台風接近により強風は吹くものの、規定風速に達しない為
今現段階では運行できる範囲です。

但し、これから雨が降ることがあれば、テント屋根が必要と
なることから、その時点で運行を中止する場合があります。

その時はご了承頂きます様よろしくお願いします。

台風接近!明日は?

2004-08-29 00:48:43 | 船頭
いよいよ、台風16号が接近してきましたね。
今日の保津川にもその影響と思われる突風が吹いていました。

明日の運行は朝にならないとわかりませんが、
結構厳しいとこだと思います。

分かり次第、この掲示板に書き込むつもりですので
情報をお知りになりたい方はご覧下さい。

今、この掲示板を読み返してみましたが、台風の事ばかり書いていますね。
こんな年も珍しいです。もう諦めモードですが・・・

(*)kumiさん、コメントありがとうございます。

船頭の休日は、事前には分からずいつも突然です。
なかなか計画が立て難いこともあり、思いつきで行動する休日となります。

でも、結構、いろんな趣味を持っている人が多いので、
自分の好きな事をやっているみたいですよ。
あまり退屈している人はいないのではないでしょうか?

ちなみにはっちんはジムに行くか、映画館に行くか?温泉につかるか?
の内のどれかが多いですね。
できるだけ京都や大阪に出るようにもしてます。
時代のトレンドには敏感ありたいと思っていますから。


>保津川が氾濫しないように祈ります

まさにその通りですね。台風は1日で通過しますが
雨を残していくと引くまでに時間がかかりますから・・・
長い休暇は遠慮したいと思います。

また、この台風による被害がでないことをなにより祈っております。





またまた台風が・・・

2004-08-28 08:20:02 | 船頭
また、また台風です。
もうここで書き込むのも飽きてくるほど
一週間に一回台風ネタを書いてる気がします。

今度の台風はどうやらコースを北西に変え
日本列島を横断しそうです。
保津川の運行にも影響がありそうです。

できれば、土、日が過ぎるまで待っていてほしいです。

今現在の保津川は風も穏やかで、青空もでてます。
今日は運行に支障はないと思われます。

夏休み最後の週末、是非、保津川へお越しくださいね。



自然派トレーニングジム・鍛錬

2004-08-27 23:10:09 | 空手・格闘技
今日のはっちんは保津川の仕事が
昼すぎに終わったので、船頭から格闘家へ変身!
亀岡の山裾にあるトレーニングジム鍛錬で
汗を流してきました。

鍛錬ジムには冷暖房などという近代的な設備は
一切ない。鉄筋スレートのジム内は、屋根を照りつける太陽と
トレーニングをする人の熱気で暑さムンムン。
まったく自然のままの環境です。
はっちんはこの環境がたまらなく好きです。

最近は寒いくらいクーラーがかかっているコジャレタ
ジムがほとんどでしょう。
クーラーの室内で、体の心底から汗がでないトレーニングには
自然に備わった新陳代謝という身体機能すら鈍化してしまう気がして
なにか違和感を感じます。
自然の一部である人間は、暑さや寒さに対応する能力をもって生まれたはずです。
それがすべて人工に調えられ「快適」という環境を与えられ過ぎているのでは?

その日の暑さなら何処が自分の限界点か?
この寒さなら何処まで体をほぐせば調子が上がるか?
など、その日、その日の環境に自らの体をあわせる能力や知恵を
覚えさせる事ができるようになる。これが正しいナチュナルな鍛え方だと
はっちんは信じてます。
この様な環境を与えてくれるのが鍛錬ジムなのです。

今日のメニューは背筋トレーニング。
いつもの様にランニングを30分した後
バーベルとダンベルのローイングで
徹底的に広背筋を苛め抜きました。
はっちんのウエイトトレーニングの特長は
けっして妥協を許さず、筋力に力が入らなくなるまで
徹底的に鍛え上げること。

セットメニュの合い間、フラットベンチに寝転んで
小休憩をしていると、体の毛穴という毛穴が開き、
汗が絞られるように出てきます。
しばらくして立ち上がり、開きっぱなしになっている
ジムの窓から外を眺めると、目前に広がる山々から下ろされてくる
爽やかな風が、ほてった体を優しく撫ぜてくれます。
そこでしばらく雄大な山の景色を眺めていると
疲れた体が不思議と癒されていく気がして
最高にリラックスできるのです。

本当に鍛錬では、心身ともに栄養が染み渡る
そんなはっちんの‘元気の源’なのです。





ずぶ濡れでも楽しい保津川下り

2004-08-26 23:34:01 | 船頭
今日は気持ちのいい天気でしたね~
保津川の水面を照らす日差しの中にも
時折、涼しく気持ちのいい風が吹いて
秋の訪れが近いことを感じさせてくれます。

今日の保津川は、昨日の最高水量「五人水」から
20cm程水量が下がり、中間水量の「四人水」となっていました。

昨日も書いたように「四人水」とは一雙の船に
四人の船頭が乗り込み運行する日のこと。

四人水の保津川は、激流のスリルも少し和らぎ
ほどよいスピード感が爽快な気分にさせてくれる
川下りを楽しむには最高(自分ではそう思っている)の
条件の日です。

お客さんに波しぶきを掛けることでは、保津川下りで一番を
自認するはっちんの船「11号」には、これまた水を入れる技術では
保津川で1~2を争う青山ドライバーの計らいにより
今日もたっぷり川の水が入る事態となりました。
川水が舟の張りを越え入ってくる時は
雄大で静かな保津川渓谷に、お客さんの悲鳴混じりの歓声がこだまします。
おそらく前列と両サイドの人はたっぷり濡れていただいたことでしょう。

最前列のお客さんなんかは、靴がずぶ濡れになり
まるで尺から水をあける様に靴から水を出されていました。
それでも皆さん目はま~るくしながらも、顔はニコニコ!
このお客さんと船頭、お互いが大自然を体感しているという
共通の心のコミュニケーションこそが保津川下りの人気の秘密
だと感じているのは、はっちんだけではないでしょう。

またしても台風が接近しそうな気配ですが
明日はまだ天気がいいそうです。

保津川のほどよいスリルと、素朴で飾らない船頭衆達との
ふれあいも共に楽しんでいただければありがたいです。



ビバ!五人水!

2004-08-26 00:18:40 | 船頭
保津川下りの船頭衆では、最高の水量で川を下る事を
「五人水」(ごにんみず)と呼んでいます。
「五人水」とは、激流になっている川を下る為、
一雙の船に船頭が五人乗り込む日の呼び名なのです。

乗り組みの型は、棹差しが一人、櫂引きが二人、舵もちが二人つく形。

五人水が通常と違う所は、後ろの舵もちが二人ということです。
この理由は、五人水の激流箇所の瀬と渦の力の強よさにあります。
力の強い渦に舵が巻き込まれると、猛烈な力が舵に掛かり、
それを持つ船頭の体ごと浮かしてしまうことが考えられます。
その時、一緒に舵場にいる、もう一人の船頭が体を
支えてあげるという訳です。
もちろん、こんな事はめったにあることではありませんが、
万が一を考えておくのも「五人水」を安全に下るために
大切なことなのです。
それ程「五人水」は流れが強いということです。
そしてこの「五人水」の舵が持てる船頭は
「技量が高い」と認められた船頭のみです。
一様、はっちんもその一人なので
安心して乗りにきてね!

こんな日の川下りは猛スピードで下り、スリルは満点!
難所を通過していく時には思わず「ヒュ~」と
口笛が出てしまうほど気持ちいいです。
今日乗られお客さん皆さん「保津川の激流は波の高さ、
岩への接近度どれをとっても日本一だ!」
と大満足して帰られました。

保津川下りでは、最高の水量の時を「五人水」
増水時で四人の船頭が乗り込む時を「四人水」と呼び、
水量計のメートル数で決めています。
では「このメートル数なら四人、ここからは五人」と
決められた根拠は何かわかりますか?

それは400年かけて培った船頭の知恵と経験からきているのですよ。400年の間には多くの激流体験があッたと聞いています。
その中では幾度となく「この水量は四人ではしんどかった」「このような増水時は五人でもあぶない、下らない方がいい」
という、先人が生身で体験した出来事があったのです。
その体験を元に考え出されたのが、乗り込み人員を増やす事でした。
ここにも400年の長い伝統が活かされているのです。

今日はっちんの船「11号」に乗られたお客さん。たくさんの波を受けたので帰ってから風邪などひかれてないかな~少し心配をしているはっちんでした。

写真は今日の保津川渓谷。川の水かかなり高いのがわかる。