昨日3日、京都学園大学人間文化学部・歴史民族学科の学生さんが保津川遊船に
お越しなり、舟を使った「保津川フィールドワーク」を実施されました。
保津川フィールドワークは、同学部の手塚恵子准教授が、この4月に入学した新入生を対象に企画されたもので、
これから4年間の学生生活を過ごすことになる亀岡の知識と見聞を広めることで、
地元への親しみと魅力を感じてもらうことを目的に実施された課外授業です。
まずは亀岡を代表する観光業・保津川下りの舟に乗り込み、川の環境と歴史に触れる体験を通じ、亀岡という‘まち’の特色を知ることがねらいです。
まず、最初に今回のフィールドワークのホスト役となる保津川遊船企業組合・エコグリーン委員会を代表して
森田孝義委員長より挨拶と当日の行程の説明が行われました。
今回のフィールドワークの目玉となるのが「曳き舟の再現体験」です。
森田委員長から使用する‘綱’の巻き方など、細かい説明もなされ、心の準備も万端です。
今回参加されたのは一回生さんと教員さん合わせて40名。
2艘の舟に分かれ、嵐山を目指し出航です。
まずは、保津川下りが運航する区間・上流部で最も漂流ゴミが集まる「保津小橋」周辺のテトラポットで清掃活動も行いました。
これまで道端などの清掃は経験ある人も、舟からの清掃は初めてらしく、最初はぎこちなく難しいそうでしたが、慣れてくると
「ゴミすくい」のようで、皆さん楽しんで清掃活動に当たって下さいました。
元気のいい生徒さんなどは、舟から飛び出し、テトラポットの上からゴミ拾いをしてくれました。
ごみ掃除の後は舟に戻り、川下り再開です。流れの緩やかな場所では「船頭体験のサービスも行われます。
400年続く保津川の操船技術。少し、江戸時代を体感できる一瞬です。
そうこうしている内に、本日のメインイベント会場となる「清水の綱道」に到着です。
清水は403年前に作られた「綱道」がしっかりと現存しており、道の全長も約200mはあり、最も長い綱道が現存している場所でもあります。
船頭も手伝いながら「曳き舟体験」がスタートです。
曳き手は「先綱」と呼ばれる先頭部で勢いよく曳く走る者と「中綱」という真ん中で曳く者、そして「後綱」という綱と舟の調整役の3名が必要です。
長さ50mはある綱を、弛ませず曳くのはかなり難しい技なのです。まして川の中に浸かり濡らすのはもっとご法度!
水分を含むと綱が重たくなり、すばやく手繰ることが出来なくなるのです。
学生さんたちは代わる代わる曳き舟にチャレンジし、徐々に上手くなっていく感じがしました。
曳かれる舟にも乗り込み、竿で岩壁をかわす体験も。最初は舟の舳先に立つことすら出来ない竿差しの仕事です。
みなさん、悪戦苦闘しながら岩のくぼみに竿を立てがんばります。
ちょっとは上流へ上がったかな?
なんとか、みんなで力を合わせ、綱道の端まで上がって行けた様です。
僅か200mほどの距離の綱道を上げるだけでも、これほど大変な作業だったのですね。
少し、昔の船頭さんたちの仕事ぶりを感じることができたことと思います。
午後1時から行われたフィールドワークはこれで全行程を終え、残り半分の航路は
のんびり観光気分を味わいながら舟で川を下り、午後4時に嵐山へ到着しました。
今回、初めて保津川下りを体験された方が殆どでしたが、この体験で「保津川」の
環境と歴史、そして川で営まれきた文化に興味を持ち、地元亀岡の魅力を肌で
感じて頂けたなら、こんなに嬉しいことはありません。
そして、保津川で行われる様々な活動に参加して頂ける人材となって貰えれば幸いです。
これからの大学生生活が、実り多く充実したものになることをお祈り致します。