保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

川ごみにまみれる連休初日。

2019-11-03 14:12:36 | プロジェクト・保津川
今年も保津川大橋下で「海ごみ探偵団」の活動が行われました。

これは「川と海つながり共創プロジェクト」の環境教育・啓発活動の一環で、
亀岡市内の小学生を中心に川のごみと海のごみの調査を通じて、
その関係性を実践活動で理解していこうというもの。

今年は舞鶴の海岸のごみ調査を夏に、保津川調査を秋に実施し、7年目となる活動です。

条件のいい年は、保津川下りの船で保津峡内で現地調査をしているのですが、
今年は昨年来の度重なる台風・洪水の影響で、足場の悪い箇所もあるので工程を変更し、
平坦で川ごみの拾い易い、河原で行いました。

それでも、先日の台風19号や20号の大雨で漂流してきた、
ペットボトルや食品トレイなどプラスチック系のごみが多く点在していました。

回収したごみの中には、海でマイクロプラスチックになる農薬の玉が多くあり、
子どもたちは「こんな小さな玉になったら拾い集めることは無理や~」などと
問題意識を持った感想を話していたことに、この活動の主旨が確かに浸透してきている手応えを感じた次第です。

亀岡市はこのように、もう10数年前から、川に漂着するプラスチックごみの問題について、
地域を挙げて、地道に取り組んできました。

2012年には日本の内陸部(海に面しない市町村)で
初めて「海ごみサミット・亀岡会議2012」を開催し、
「川のごみ」と「海のごみ」の関連性から、
協力して課題解決へ向かう活動を実施してきました。

だからこそ昨年の「プラスチックごみゼロ宣言」発令へとつながっているのです。

今後とも亀岡市内はもちろん、嵐山など流域の地域とも連携して、
世界規模の重要問題を、地道な足元の活動を通して、アプローチしていきたいです。

亀岡市が国内で初めて「プラスティックごみゼロ宣言」!レジ袋の使用禁止へ。

2018-12-18 09:52:00 | プロジェクト・保津川
12年前、雄大な保津峡の片隅で、たった2人から始めた小さな、小さな動きが、
日本をガラリと変えるかもしれない。

そんなニュースが12月13日、亀岡市から発信された。

川のごみを拾っても世の中は変わらない!自分の仕事場を掃除するのは当たり前!
イタチごっこ、いつまで続くやら…生活ごみの処理でも大変なのに、わざわざ川のごみまで拾って…

川の漂着するごみを回収する活動をボランティアで始めた時の
周囲から聞こえてきた冷ややかな声。

大量の漂着ごみをいくら回収しても、目に見えて減ることがない、
川ごみの前にして、立ちすくみ、
こんな活動していて、いつか報われる時がくるのかな…??

いつも自問自答しながら、悪臭を放つごみを川から掬い上げていた日々。

しかし、そんな小さな私達の活動を見捨てず、支えて下さった方々の手により、
川ごみの大半を占める、使い捨てプラスティックごみのゼロ宣言が発せられた。

まずはレジ袋の使用を禁止する条例の制定を、2020年までに策定するとしている。

確かに世の中が動いたのだ!

世界では2015年までにプラスチックごみの全廃を目指している。

さあ、本番はこれからだ。

【第5回桂川クリーン大作戦】のお知らせと参加のお願い。

2012-02-07 10:57:15 | プロジェクト・保津川
今月19日朝、南丹市園部橋から大山崎町までの桂川流域18ヵ所で、
一斉に清掃を行なうイベント「第5回桂川クリーン大作戦」を開催いたします。

四季折々の自然の中を滔々と流れる水、風にゆれる草花と野鳥たちが憩う姿が
見る人、触れる人に心の安らぎを与えてくれる京都・桂川。
その豊かな水は、流域の田畑を潤し、代々、人々の暮らしを
支える`命の源’でもあります。

この桂川の流れや自然の風情を、絶やすことなく次の世代に残し、
受け継いでもらうために、ゴミのない美しい川にしていきたい!
そんな思いが集結し、上流は園部から下流は大山崎までの流域間で
一斉に清掃活動を行なうイベントが「桂川クリーン大作戦」です。

このように京都の人々の生活基盤を支え、また嵐山という世界的に有名な観光地を
流れる川でもある桂川ですが、鴨川に比べると注目度が弱い印象があり、
環境保全活動や流域の人的つながりや意識の共有など、これまで希薄だったのですが、
この桂川クリーン大作戦を通じて、今後つながりを深めていく方向を加速しました。

これからも京北から大山崎までの流域間をつなぐ「背骨」の役割を果たすイベントとして
位置付けて取り組み育てて生きたいと思います。

お時間のある方はぜひ、お近くの会場にご参加頂ければ嬉しいです。
あなたとご家族、友人たちと力を合わせ、京都の財産である桂川をみんなの力で守っていきましょう!

多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。



【第5回桂川クリーン大作戦】

実施日 2012年 2月19日(日曜日) 雨天の場合は2月26日

時間予定  8:30 受付開始・団体毎整列
      9:00 主催者あいさつ・注意事項説明
      9:30 清掃作業開始
     11:00 集めたゴミ袋を指定場所に集積
     11:30 受付へ用具返却・責任者団体毎安全確認          
           終了後、報告・解散

注意事項  ・中学生以下は大人の同伴が必要です。
      ・保険加入の関係上 参加団体毎に「参加者基本帳」を
       事前に作成して受付に提出してください。
      ・清掃用具のうち「火ばさみと作業手袋」は原則参加者持参でお願いいたします。
       当日準備出来なかった方は数に限りがありますが、受付にお申し出ください。

各地区の集合場所・受付場所

①南丹市園部駅前橋    ②南丹市八木大堰橋右岸・黒住公園
③亀岡市保津橋左岸下   ④嵐山中之島公園
⑤松尾橋左岸橋の下    ⑥松尾橋右岸橋の下
⑦上野橋ー西大橋左岸   ⑧上野橋ー西大橋右岸中間グランド
⑨桂大橋左岸橋の下    ⑩桂大橋右岸上流水門
⑪久世橋左岸橋の下    ⑫久世橋右岸橋の下
⑬久我橋右岸橋の下    ⑭羽束師橋左岸橋の下
⑮羽束師橋右岸橋の下   ⑯宮前橋左岸上流河川敷
⑰宮前橋右岸上流岸堤防下 ⑱淀川河川公園大山崎地区
              (ダイハツ工業京都工場下)

保津川筏復活プロジェクト2001、無事終了!

2011-09-10 23:28:42 | プロジェクト・保津川
本日、保津川下り乗船場対岸で開催された
保津川筏復活プロジェクト2011は、
盛況のうちに無事終了いたしました。

来場者はなんと250人を超えたとのこと!

お越しいただいた皆様、ボランティアスタッフとしてお手伝いいただいた皆様、
また関係団体各位には感謝!感謝です!

筏の組みから試乗体験を担当した船頭のみんな、おつかれさまでした~

さすがに今日は疲れモード100%・・・

なので、とりあえず報告まで。

詳細は次回に投稿していきます。

保津川花火大会をみて‘今’の社会を見る。

2011-08-08 19:17:38 | プロジェクト・保津川
昨夜は亀岡市が最も熱く盛り上がる夜「保津川平和花火大会」が
保津大橋周辺で開催された。

今年は日曜日にあたることから、花火が打ち上げられる保津川の大橋
一帯には、市内外から花火鑑賞を楽しむ大勢の人でにぎわった。

私は、「NPO法人プロジェクト保津川」が、花火鑑賞者の出す
ゴミを回収する活動「保津川エコ・ステーション」のボランティアスタッフ
として参加した。

このエコ・ステーションは、花火の楽しみのひとつである「夜店・屋台」会場
に分別スタイルのゴミ箱を設置して、飲食後に出たゴミを置き去りにするの
でなくゴミ箱にしっかりと捨ててもらう習慣をつけてもらうために実施する
もので、我々NPOが、主催する亀岡市商工会議所に提案し3年前から
行っている活動だ。
それまでは「ゴミは各自で持ち帰ること」という原則のもと、会場には
一切ゴミ箱を設置しなかったことで、毎年、花火大会の翌朝はゴミが散乱し
街がゴーストタウンの様相を呈していた。
「モラル」に訴えるだけでは物事は何も改善されない。
ゴミ箱を設置することで、今では殆どの鑑賞者が、5箇所設けた
どこかのステーションに持ってきて下さるようになった。
しかも「ペットボトル」「空き缶」「その他ゴミ」と分別して
捨てて下るまで、人の意識が高まったのである。
桂川府議もよく仰るが「動けば変わるのである」

従来のやり方で現状が何ひとつ進展しないなら、いつまでも思考停止状態を
続け、考えないというのではなく、新たなアクションを起こし実践してみることで
事態を改善するという「実例」を示せたものと自負するところである。

回収集計は1000Lゴミ袋が96袋も出た。種類はペットボトルとかき氷の容器
で7割以上を占め、この時期の屋台商品の売れ筋も把握できた感じだ。

さて、今年の保津川花火大会、観覧できるスポットが増えた。
そう、我々の仕事場である保津川下りの乗船場と堤防の法面だ。

今年2月の乗船場移転に伴い旧乗船場跡のスペースが空いた上に、
新たな乗船場や新社屋と川岸までの階段、新堤防の法面などが
河川改修工事により整備され、図らずしもそこが絶好の花火観覧席
として新たに創造される形となったのだ。

皆さん、よく知ったもので、営業が終了した保津川下りの乗船場には
椅子やテーブル、ピクニックシートなどを広げて早くも陣取り合戦が
はじまり大勢の家族連れやカップル、グループで打ち上げ2時間前には
隙間もないほどに埋め尽くされた。

最終船に行きそびれた保津川下りの舟もつないであるが、別に亀岡らしい
雰囲気を演出したわけではない。ただ単にお客さんの数が予想より少なったため、
舟の用意はしたものの出航できなかっただけ、ただそれだけなのだが・・・
花火が上がる頃には辺りは暗くなり、川畔は足場もわかり難くなり
「川に落ちたりしないか?」「法面から転げ落ちたりしないか?」
心配していたが、聞くところによるとやはり「けが人」もあったようだ。

関係者からは「来年度からは立ち入り禁止の規制も含め対策を考えなければ・・・」
などの意見もある様だが、本来は「何処で見るか」や「何か事が起こった時」
なども、規制ばかり掛けるのでなくあくまで自己責任で判断していただきたいもの。

折角いいスポットが新たに出来たのに「ここもダメ、あそこも立ち入り禁止」の
方向にすぐ傾くことは寂しい限りだ。
川の難が起こるとすぐに「川は危険だか近づくな」という発想と
同じように感じる。

これも何かあるとすぐに他者(管理者)に責任の転嫁や所在を追及する
という国民の「甘えの構造」に起因するものだろうが・・・
なんとも閉塞感をおぼえる話だ。

海外諸国のような原則「自己責任」という成熟した思考と意識が
日本はあまりにも低いと感じる。
その意識が、公共スペースでの礼儀や遊び方も知らない人種を
増殖しているような気がしてならない。

花火大会を少し異なる角度から見るだけで‘今’の社会を
少し垣間見ることができたと感じるのである。

23日、亀岡で保津川の筏、ふたたび。

2010-10-22 08:59:36 | プロジェクト・保津川
 今月23日(土曜日)保津川に伝統の筏がふたたび姿をあらわします!

今年9月に保津峡で予定していた筏復活プロジェクトにおける「筏流し」が
台風のために中止になったため、この23日にリベンジすることになりました。

筏イベントは2008年と同様に亀岡市内の保津川下り乗船場対岸で実施します。

筏の組み方の実演から筏流しまでを行う予定です。
乗船場対岸で行われる筏の組み方の模様は、保津川下りをお乗りに来られた
観光客の皆さまも自由にご覧いただけます。
お時間が許されるかぎり、1200年以上続いた伝統の保津川筏組みをご覧下さい。

組み終えた筏は保津川下り乗船場から渓谷の入口となる山本浜まで、筏士が乗り込み流していきます。

秋深まる保津川を悠々と流れていく筏に過ぎ去った歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


【京都・保津川 筏復活プロジェクト2010 】

13:00-15:00 筏組みの実演と解説、筏流しや舟運など保津川の水運の歴史のパネル展示
15:00 筏流しスタート
15:15 山本浜到着、閉会式(16:30ごろ終了予定)

「ふるさと清掃運動会IN保津川2010」が今年も開催されました。

2010-10-04 09:18:36 | プロジェクト・保津川
「地域の‘住民力’で日本中をきれいにしよう!」

という趣旨のもと10月1日から1ヶ月間をかけ、日本中を美しくする
国民的清掃イベント「ふるさと清掃運動会IN保津川」が3日、今年も亀岡市の
保津大橋上流の河川敷で開催され、地元亀岡をはじめ関西地域から120名を超える
参加者が駆けつけ賑やかに行われました。

この清掃運動会は、王貞治元福岡ソフトバンク・ホークス監督が委員長を務める
「ふるさと清掃運動会~環境アクション2010~実行委員会」が全国各地の
美化活動をされてる団体等に呼びかけ、北は北海道から南は沖縄までの日本中を
掃除する全国的清掃イベントで、京都会場として「保津川」が選ばれています。
今年で4年目。

午前9時から始まった清掃運動会。

今年もNPOナルクやガールスカウト亀岡の皆さんや保津自治会、篠自治会など様々な地元団体の
方々も参加くださいました。また、亀岡市の職員の方々、そして毎月保津川の清掃に来てくださる
桂川孝裕府会議員さんなど行政や政治家の方も積極的に参加くださいました。

まちの清掃はまち総がかりで!‘みんな’の力を結集することがなにより大切です。
草莽崛起!この草の根活動で築いた絆の強さが、まちを必ずよくしていく原動力になると確信しています。


今年も川の漂着ゴミを回収するため、ゴムボートが出動しました。

約2時間の清掃活動で、土嚢タイプのゴミ袋が143袋。中身は河川敷・河原ではペットボトルやトレイと
いった漂着ゴミ。また堤防近くの土手の草むらからは農業用の肥料袋と古タイヤなど川系ゴミの常連が顔を揃えます。
中には浴槽が2個 !廃車まで!・・・ここまで捨てに来るまでも相当手間が掛かる不法投棄がありました。
参加した小学生の女の子は「なんで?なんで?こんなところにお風呂があるの・・・」の驚きを隠せない様子で
「大人たちって、偉そうに言うけど、こんなこと平気でするなんてダラシナイ!」と怒りが収まりません。
また別の子は「保津川がこんなに汚れているなんて、なぜ、もっと多くの人が掃除に来ないの?」と
不思議に思っている様子でした。
わたし達のPR不足を反省させられると同時に、私たち大人は子ども達のこのような声を
しっかりと胸に刻まなければいけないと思いました。
前回のブログでも書きましたが、我々は子ども達に重いツケを回してはいけないのだと!



回収されたゴミは、亀岡市環境政策課が用意して下さった2tトラックに満載状態でした。

世界の常識では、ゴミが散乱している姿はそのまま、そこに暮らす人の心の姿を表すといわれています。
特にその中でも、いのちを支える水、その母なる存在の川。まちの象徴といえる川の環境の現状は
住民の心理状態を表します。川が汚れていれば、汚れが汚れを呼び、そこの地域に住む人の心にも
悪影響を与えます。

「その国の人間を知りたかったら、その国の川を見ろ!」というのはまさに真理を突いています。

汚れた姿のまま放置することは、まちにマイナスの磁場を発生させ、その磁場がさらに
住民の心を荒めて、マイナス力を増幅させ、マイナススパイラルを加速させ、まちを衰退へと
向かわせます。まさにブロークンウィンド理論(窓ワレ理論)〔※注1〕そのままです。

そんな思いを強く持つ‘志’ある人たちの協力のもと、今年も保津川が美しくなりました。

清掃終了後は、参加全員で恒例のお楽しみ抽選会が、今年も行われました。

景品としては「保津川下りペアー乗船券」や丹波黒豆、トロッコ列車のクリスタル文鎮、
それに今、亀岡B級グルメ界話題のたこ焼きや「てつ屋」のたこ焼き無料券など。
ご協力いただいたスポンサーの皆さま、おかげさまで、参加者の皆さまはとても
喜んでお帰りいただけました。本当にありがとうございました。

相変わらずの手作り市民イベントでもあり、参加者の皆さまには何かと
行き届かないところがあったこととは思いますが、これからもスタッフ一同
力を合わせて、美しい川・保津川の保全活動に邁進していく所存ですので、
今後も、心強いご支援をよろしくお願い致します。

今回「ふるさと清掃運動会IN保津川」のポスターを貼っていただいた店舗また住宅の
皆さま、お陰さまで多くの参加者に来ていただくことができました。
本当にお世話になり、ありがとうございました。感謝申し上げます。

※注1…1969年、スタンフォード大学の心理学者フィリップ・ジンバルド教授が発表
した理論。まちの比較的治安のいい場所で、ボンネットを開けっ放しした車2台を1週間放置した。
そのうち1台はボンネットの他に窓ガラスを割って放置したところ、ボンネットを開いている車の
方は何も起こらなかったが、窓ガラスが割れている車の方は、10分後にバッテリーが盗まれ、
続いてタイヤがすべて持ち去られた。さらに落書きや破壊行為が行われ、1週間後には完全に
スクラップ状態にまで破壊されたという実験から導かれた理論。

明日の「保津川筏復活イベント」は台風接近の為、中止です。

2010-09-07 22:34:11 | プロジェクト・保津川
明日、保津峡で予定されておりました「保津川筏復活プロジェクト2010」は
台風9号接近の為、中止とさせていただきます。

この日のために、一年間準備に当られた方、また、筏見学ツアーに
お申し込みいただいた皆さまには、誠に残念な結果になってしまいましたが、
これも「自然」相手の事業の宿命ということで、今年はご了承頂きたく思います。

自然というのは、人間の都合などお構いなしに、自らの存在を誇示するがごとく、
来るべき時に来て、去るべき時に去っていく。

人は成すすべもなく、立ち尽くすだけ・・・

時代が幾ら変わっても、技術が幾ら進歩しても、人は自然の猛威の前には無力です。

その事実を身を持って体験することも、貴重な「エコツーリズム」の一面であると思います。

しかし、来年も懲りずにまた、がんばりましょう!

保津川に筏が流れる風景を‘ふたたび’シンポジウム開催!

2010-02-27 23:00:15 | プロジェクト・保津川
保津川に筏が流れる風景の復活を進めている「京筏組」は27日(土曜日)、
亀岡市の京都学園大学・光風館会議室で「筏がつなぐ山、川、そしてまち」
と題した「保津川筏復活プロジェクト・シンポジウム」を開催しました。

同シンポジウムは、京筏組が昨年、「保津峡の筏流し」を半世紀ぶりに復活させたことを
受けて、上・下流域の森、川、ひと、そしてまちのつながりについて、聴講者参加型の
検証の上、話し合いうことで、今後の気運を高まりと多角的な視野からの展望を
導き出すヒントとするのがねらい。

午後2時から始まったシンポジウムには、定員50名を上回る聴講者が来場し、
まず、主催者を代表し黒川孝宏亀岡市文化資料館・館長の開会挨拶の後、
同プロジェクトの現場リーダである河原林洋氏による「保津川筏復活まで取り組みと展望」
についての基調講演が行われました。



その後、「産業」「環境」「観光」「文化」の4つのテーマでクループを分け、
参加者それぞれが興味のあるテーマのテーブルに移り、議論に加わる形で進められました
各テーマごとのテーブルには、グループリーダーが進行役を務め、今回、ゲストとして招いた
コメンテーターを交えた、議論へと移りました。コメンテーターには和歌山・北山川の筏下りの筏師さんと
北山村・村長さんもお見えになり、経験・実績の上にたった話しをされていました。

また、参加者みなさんも、桂川(保津川)流域にお住まい、または出身の方々も多く、
川、山を通じた‘まち’と‘ひと’のつながりについて、ご自身の筏とのかかわり、体験、
思い出を交えながら、具体的な内容・アイデアが多く語られ、各テーブルともに
実りある議論が展開されていました。

議論のまとめとして、各テーマのグループリーダーが、話し合われた内容についての
まとめを発表し、参加者すべてが議論情報について共有できる形をとられました。

最後にグループ・リーダーとゲストコメンテーターによる総括が行われ、今回のシンポジウムは終了。
どのテーマでも「川や水運を語るには、山や森の‘つながり’の重要性に
目を向ける必要がある」という方向性が示されました。

参加者の一人である保津川下りの船頭・豊田覚司氏は
「このようなシンポが、あまりにも専門的な内容になり、マニアックに興味のある人だけの集まりであってはならない。
歴史性も踏まえ、筏にまつわる「ワクワク」するようなストーリーを創造することが
望まれる」と多くの人が興味をひくような仕掛けの必要性を述べられました。

いろんな立場の方々の熱い思いが「筏」という‘夢’に乗って流れていく、
実感を持った今回のシンポ。

益々、地域の注目を集める「保津川の筏」。
これからの展開に目が離せない!

そんな予感と感想を持つに十分なシンポであったと思います。


*京筏組・・・府振興局、亀岡市文化資料館、NPOプロジェクト保津川、
保津川の世界遺産登録をめざす会など12の団体で構成される
保津川筏の技の伝承ならびに歴史、文化の検証により、
流域地域はもちろん広く市民に、現代的意義に
ついて伝えることを目指し、活動している。

環境・CSR活動を学びに、フジテレビを訪問。

2009-12-13 22:14:04 | プロジェクト・保津川
昨日に続き、今日のブログも「東京行き」のお話。

エコプロダクツ2009を見学して回ってもまだ、経済産業省の会議までに時間があった私は、
同行しているNPOの同僚・早田氏とお台場にある「フジテレビ」にお邪魔しました。

エコプロダクツが開催される東京ビッグサイトと同じ東京都臨海副都心・お台場に
建つ、ご存知「宙に浮く球体」の建物・フジテレビ本社。

修学旅行生などに人気があり、新しい東京の観光名所となっているお台場フジテレビまでは、
東京ビックサイトからタクシーを使えば約10分程で行く事ができる距離にあります。

ここでフジテレビに務めている友人Mさんと会う約束をしたのです。

Mさんは私の兄弟分であるKオフイス社長の加藤氏から紹介頂いて以来、いつもこの国におこる
様々な問題について情報交換できる貴重な方で、尊敬する人生の先輩でもあります。

フジの象徴・球体の下部にある空中の渡り通路、18階の喫茶「レインボー」で待ち合わせ。

久しぶりの再会、近況報告などの話をした後、環境問題にも明るいCSR担当の室長さんを
紹介して貰い、フジテレビが社として取り組んでいるCSR活動についてのお話を伺いました。

フジテレビでは「CO2削減プロジェクト」をCSR室で企画。
・全社分別率82%を上回る「ごみ分別キャンペーン」

・社内使用の手さげ袋や封筒「使いまわしキャンペーン」

・主にオフィス・共用部分の電気の使用量を減らし、CO2削減の一助とする
 「スイッチオフキャンペーン」
を‘三本の矢’と名づけ、これらキャンペーンを同時に行うことで、
地球環境改善・CO2削減への積極的な取り組みを実施されているとのこと。

また環境活動以外でも、フジテレビのアナウンサーが地元の公立の小学校に出向き、
児童対象の「話し方教室」の講師を務める「あなせんプロジェクト」も行われています。


室長さん曰く「放送で環境や教育を訴えるキャンーペンなどは、メディアの仕事の一部で、
本来のCSR(企業の社会的貢献)活動には当たらない」との話され、そのスタンスで、
社内や社員が実践できる地道な行動に焦点をあて、活動方針を決めていると仰っていました。

「仕事の一部はCSR活動ではない。」

これは仕事場である渓谷の自然保全で手一杯の我々遊船にとっても、
参考となり、考えるべき助言であったと感じました。

その後、場所をフジテレビお隣の日航ホテルに移し昼食。

以前、同局の超人気番組「料理の鉄人」にも出場されたシェフがいた
有名中華料理店で美味しい中華に舌鼓を打ったのでした。

久しぶりの再会にもかかわらず、慌しい訪問になりましたが、
師走の貴重な時間を空けて下さった、友人Mさんには本当に感謝しております。

日本はもとより世界中から多種多様な情報が集まる放送局。
そこで活躍する人たちとの会話には、参考となり、学ぶべきことが多くあります。

自然に囲まれて暮らす私のような者には、国の最先端機能が集中する大都会での時間は、
一秒一秒に刺激と発見があり、濃厚で有意義なひと時だといつも感じます。

是非、また機会を見つけて、今度はゆっくり、この地を訪れてみたいと思っています。