初冬の嵐山を「和」を基調とした灯りと花で魅力的に
演出する「京都嵐山花灯路2006」に行ってきました。
9日から始まったこの光と花のイベントは、
冬の風景に佇む嵐山界隈の路地を行灯で照らし
幻想的空間を創出するもので、今年で2年目を
迎える新しいイベントなのです。
今年も初日から大勢の観光客や地元の人で賑わい、
京都の新しい冬の風物詩して定着しそうな予感です。
昨夜は昼間の暖かさとはうって変わり、夕方から
急激に温度が低下、肌寒くなってきたのですが、
あたりが薄暗くなる5時頃には、行灯が整備されている
奥嵯峨の小道には歩けないほどの人の列が出来ていました。
二尊院近くの知り合いの家に車を止めさせてもらったので、
私は奥嵯峨路の最終点「小倉山二尊院」から花灯路の出発です。
本堂に釈迦と阿弥陀如来の二尊の像が安置されていることから
二尊院と呼ばれるこのお寺は平安時代に天台宗の寺として創建された
もので、保津川下りの生みの親・角倉了以翁の墓がある。
お隣りの「常寂光寺」です。もみじの美しさが嵐山一といわれるこのお寺
には、まだ紅葉が残っていました。
各寺院の門前には京都の伝統流派のいけばなも活けてあり、
冬の京情緒を一段と醸し出す演出がなされています。
冬紅葉がライトアップされ、路地を照らす灯りと相まって
季節感ある幻想的空間が演出されているのは見事です!
細くて複雑に入りこんだ奥嵯峨の路、訪れた人が迷わないようにと
道先案内も光りの灯篭が使われている心配りはうれしいです。
幻想的な「和」の灯りの中で、一箇所だけ近代的イルミネーションが
輝く「嵯峨野観光鉄道・トロッコ列車嵐山駅」。
異色な光を放つ空間ですが、以外に周囲のぼんやりした灯りに合う
から不思議です。期間中は駅構内は開放されており、
ホカホカで温かい「山栗」などが販売されているので
ベンチで疲れた足を休めるに最高です。
トロッコ嵐山駅を山手を上がるとすぐに「大河内山荘」があります。
往年の映画スター大河内伝次郎が30年の歳月と晩年の全財産を
かけて完成した云われる山荘で、敷地約2万平方メートルに
立派なお殿造りの大乗殿があり、庭からは眼下に保津川、
東には比叡山、大文字、仁和寺の塔が見える。
さらに「野々宮の竹林」路を、灯篭のぼんやりした「灯り」を
たよりにそぞろ歩き、渡月橋を目指します。
竹林のライトアップはけして派手な光ではなく、京都の伝統工芸の技術を
生かした京焼、清水焼、石、北山杉、竹などで作られた「和」の
光なのでやさしく、竹本来の自然な緑色を浮び上がらせています。
そして「嵐山・渡月橋」に到着。
青や紫などで映しだされた山のライトアップは壮大で圧巻!
日常的に慣れている山と同じ風景とは到底思えない変身ぶりに、
不思議な感動がこみ上げ、しばらく足を止め呆然と見入ってしまった。
もちろん、渡月橋の周辺は日中の様な人だかりで大混雑。
昨年から始まった「京都嵐山花灯路」は大ヒット企画に
なってようです!
さすがは天下の名勝・嵐山!お見事です!