(1)当面の危機
14日に水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機で使われているMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料は、従来のウラン燃料よりも大量の放射能を出す。3号機は炉心の溶融が相当進行していた、と推定される。非常に危険な放射性物質が、すでに外部に出ている可能性は高い。
13日午後、1時間あたり1557・5マイクロシーベルトを記録した。これを年換算すると、通常の年間被曝量の1万3千倍を超える。
現場に行ったジャーナリストの広河隆一によれば、13日夜、3台のガイガーカウンターが1千マイクロシーベルトの目盛りを振り切っていた。3キロ離れていてもそういう状態だったのだ。
15日に2号機も水素爆発、炉心溶融の最後の危機に直面している。
もし1基でもメルトダウンから爆発という最悪の事態が起きれば、容易に近づくことはできなくなる。今は止まっている4、5、6号機も含めて6基すべてがメルトダウンし、さらに福島第二原発にも被害が拡大する、という事態も考えられる。
(2)長期的な危機
今起きていることは、ほんの始まりに過ぎない。
大事故に至る危機が終息するのは、電気系統が回復して、ポンプで冷却水を循環させることができたときだ。
しかし、原子炉への水の注入を消防車のポンプに頼っている現状では、復旧のめどはまったく見えてこない。水を入れただけではダメだ。循環させなければ、いずれは行きつくところまで行ってしまう。
1基の原子炉が全部放射能を放出するような事態が起きた場合、風向きや風力次第だが、台風が日本を横断する時間と同様に、ほぼ1週間で日本全土が放射能に包まれる可能性がある。広い範囲にわたって田畑が放射能汚染を受ける。缶詰しか食べるものがない、というような世界になる。
テレビに出ている自称専門家は、今そこにある危機について、正しい知識を伝えていない。
(3)他の原発
M9.0の巨大地震に続き、長野や茨城沖でも大きな地震が続いている。太平洋プレートの境界で大地震が続くだけでなく、過去の歴史から見ると、フィリピン海プレートも絶対に動く。地震が比較的少ない静穏期から、江戸時代や関東大震災前後のような地震多発の時代に入ったのだ。東海や相模湾でいつ大地震が起きてもおかしくない。だから、静岡の浜岡原発は、どんなことをしても止めなくてはいけない。
戦前の記録で地震がかなり起きていた若狭湾も同様だ。若狭には13基の原発がある。地理的に津波が危ないし、活断層も通っている。
全国の54基すべての原発が、危ない状態にある。
*
以上、 「週間朝日」によるインタビュー記事(3月15日午後4時現在)に拠る。
その内容は、ダイヤモンド・オンラインに掲載の、著者による特別レポートと内容はほぼ重なる。要点は、「事故の経過を見ると、悲観的にならざるを得ない」ということだ。
特別レポートの要約を補足する形で、インタビュー記事からさわりを抜いた。
【参考】広瀬隆/堀井正明(聞き手)「福島原発で本当に起きていること [11/03/17]」(アスパラクラブ ブックclub)
↓クリック、プリーズ。↓
14日に水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機で使われているMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料は、従来のウラン燃料よりも大量の放射能を出す。3号機は炉心の溶融が相当進行していた、と推定される。非常に危険な放射性物質が、すでに外部に出ている可能性は高い。
13日午後、1時間あたり1557・5マイクロシーベルトを記録した。これを年換算すると、通常の年間被曝量の1万3千倍を超える。
現場に行ったジャーナリストの広河隆一によれば、13日夜、3台のガイガーカウンターが1千マイクロシーベルトの目盛りを振り切っていた。3キロ離れていてもそういう状態だったのだ。
15日に2号機も水素爆発、炉心溶融の最後の危機に直面している。
もし1基でもメルトダウンから爆発という最悪の事態が起きれば、容易に近づくことはできなくなる。今は止まっている4、5、6号機も含めて6基すべてがメルトダウンし、さらに福島第二原発にも被害が拡大する、という事態も考えられる。
(2)長期的な危機
今起きていることは、ほんの始まりに過ぎない。
大事故に至る危機が終息するのは、電気系統が回復して、ポンプで冷却水を循環させることができたときだ。
しかし、原子炉への水の注入を消防車のポンプに頼っている現状では、復旧のめどはまったく見えてこない。水を入れただけではダメだ。循環させなければ、いずれは行きつくところまで行ってしまう。
1基の原子炉が全部放射能を放出するような事態が起きた場合、風向きや風力次第だが、台風が日本を横断する時間と同様に、ほぼ1週間で日本全土が放射能に包まれる可能性がある。広い範囲にわたって田畑が放射能汚染を受ける。缶詰しか食べるものがない、というような世界になる。
テレビに出ている自称専門家は、今そこにある危機について、正しい知識を伝えていない。
(3)他の原発
M9.0の巨大地震に続き、長野や茨城沖でも大きな地震が続いている。太平洋プレートの境界で大地震が続くだけでなく、過去の歴史から見ると、フィリピン海プレートも絶対に動く。地震が比較的少ない静穏期から、江戸時代や関東大震災前後のような地震多発の時代に入ったのだ。東海や相模湾でいつ大地震が起きてもおかしくない。だから、静岡の浜岡原発は、どんなことをしても止めなくてはいけない。
戦前の記録で地震がかなり起きていた若狭湾も同様だ。若狭には13基の原発がある。地理的に津波が危ないし、活断層も通っている。
全国の54基すべての原発が、危ない状態にある。
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以上、 「週間朝日」によるインタビュー記事(3月15日午後4時現在)に拠る。
その内容は、ダイヤモンド・オンラインに掲載の、著者による特別レポートと内容はほぼ重なる。要点は、「事故の経過を見ると、悲観的にならざるを得ない」ということだ。
特別レポートの要約を補足する形で、インタビュー記事からさわりを抜いた。
【参考】広瀬隆/堀井正明(聞き手)「福島原発で本当に起きていること [11/03/17]」(アスパラクラブ ブックclub)
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