毎日数百トン出る汚染水の処分と同じくらい気がかりなのは、台風だ。原子力事故対策の要諦とされる「止める」「冷やす」「閉じこめる」のうち、今はかろうじて核分裂反応を「止める」が保たれているだけだ。
使用済み燃料、炉心燃料を含めて、閉じこめられていない放射性物質が台風で巻き上げられ、飛散するリスクに、日本社会は「直ちに」直面することになる。
梅雨の雨も大敵だ。
陸のミネラルに富んだ真水が海へ流れこみ、「梅雨の水を飲んだ魚はうまくなる」・・・・はずだが、今年の、来年の、X年先の福島第一原発界隈の海には、原発サイトの土壌にある放射性物質が流れこむ。当然、海水の放射線レベルは上がる。
雨や風への対策も急務なのだ。
巨大なドームを作ってレールで運び、原発の上にかぶせる、というアイデアを提案している人もいる。
以上、塩谷喜雄「なおも暴走する『原子力村』 虚構と偽りの戦後史」(『日本の原発 ~あなたの隣にあるリスク』、新潮社、2011)に拠る。
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台風2号は、28日、風速25メートル以上の暴風域を伴ったまま東シナ海を北上した。この影響で本州に停滞する梅雨前線が活発化し、東日本大震災の被災地では29日から31日にかけて大雨に対する警戒が高まった。
東京電力福島第1原発では、季節はずれの台風に対策が間に合わず、“応急対策”でしのぐ。
現在、原子炉建屋の上部は水素爆発などで鉄骨がむきだしになったまま。建屋の一部や敷地内に散乱した放射性物質を含むがれきが強風に巻き上げられ別の場所へ飛ばされる可能性もある。東電の担当者は、「最大限努力しているが、建屋のカバーまでは出来上がっていない。風や雨に対する具体的な対策はなく申し訳ない」と話した。
また、タービン建屋の外にあるトレンチの水位は、28日午前7時現在、2号機が地上まで58.6センチ、3号機が43.1センチにまで迫っている。フタのないトレンチに大量に降った雨水が流入すれば、汚染水が外にあふれ出ることもあり得る。これらの対策については「パトロールを強化するなどし、必要ならば応急処置をする」(広報担当者)とした。
気象庁によれば、台風は今後、北東方面に進み、30日には関東地方の手前で温帯低気圧に変わる見込み。しかし、本州の南岸に停滞する梅雨前線の活動は活発になり、東北地方で29日午後6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で30ミリ。30~31日にかけて太平洋側を中心に大雨となる模様。雨以外にも落雷や突風、ひょうの可能性もある。
以上、記事「祈るのみ…あきれた東電、福島原発“台風対策なし”」( 2011年5月29日 06:00 Sponichi Annex)に拠る。
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使用済み燃料、炉心燃料を含めて、閉じこめられていない放射性物質が台風で巻き上げられ、飛散するリスクに、日本社会は「直ちに」直面することになる。
梅雨の雨も大敵だ。
陸のミネラルに富んだ真水が海へ流れこみ、「梅雨の水を飲んだ魚はうまくなる」・・・・はずだが、今年の、来年の、X年先の福島第一原発界隈の海には、原発サイトの土壌にある放射性物質が流れこむ。当然、海水の放射線レベルは上がる。
雨や風への対策も急務なのだ。
巨大なドームを作ってレールで運び、原発の上にかぶせる、というアイデアを提案している人もいる。
以上、塩谷喜雄「なおも暴走する『原子力村』 虚構と偽りの戦後史」(『日本の原発 ~あなたの隣にあるリスク』、新潮社、2011)に拠る。
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台風2号は、28日、風速25メートル以上の暴風域を伴ったまま東シナ海を北上した。この影響で本州に停滞する梅雨前線が活発化し、東日本大震災の被災地では29日から31日にかけて大雨に対する警戒が高まった。
東京電力福島第1原発では、季節はずれの台風に対策が間に合わず、“応急対策”でしのぐ。
現在、原子炉建屋の上部は水素爆発などで鉄骨がむきだしになったまま。建屋の一部や敷地内に散乱した放射性物質を含むがれきが強風に巻き上げられ別の場所へ飛ばされる可能性もある。東電の担当者は、「最大限努力しているが、建屋のカバーまでは出来上がっていない。風や雨に対する具体的な対策はなく申し訳ない」と話した。
また、タービン建屋の外にあるトレンチの水位は、28日午前7時現在、2号機が地上まで58.6センチ、3号機が43.1センチにまで迫っている。フタのないトレンチに大量に降った雨水が流入すれば、汚染水が外にあふれ出ることもあり得る。これらの対策については「パトロールを強化するなどし、必要ならば応急処置をする」(広報担当者)とした。
気象庁によれば、台風は今後、北東方面に進み、30日には関東地方の手前で温帯低気圧に変わる見込み。しかし、本州の南岸に停滞する梅雨前線の活動は活発になり、東北地方で29日午後6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で30ミリ。30~31日にかけて太平洋側を中心に大雨となる模様。雨以外にも落雷や突風、ひょうの可能性もある。
以上、記事「祈るのみ…あきれた東電、福島原発“台風対策なし”」( 2011年5月29日 06:00 Sponichi Annex)に拠る。
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