昨日は2冊目の途中までしか読めなかったが、今日なんとか読み切ったので忘れないうちにレビューしておきたい。
1冊目は篠田節子さんの「長女たち」(新潮文庫)。
単行本が出た時から、長女(かつ一人娘)である私は是非読みたいと思っていたので、文庫になって迷わず手に取った。帯には「認知症、介護離職、孤独な世話 恋人もキャリアも失った。母のせいでー圧倒的な現実の果てにほのかな希望がにじむ共感の話題作」とある。
徳川家広さんが解説で「篠田節子が『長女たち』というタイトルで言わんとしているのは、その家に最初に生まれた娘という意味ではなく、むしろしっかりしていて弱いものに優しい「お姉さん体質」の女性のことなのである。しっかり者で優しいからこそ、負担が集中して、苦しむことになる。それが今の日本の現実なのだ、。とはいえ、そこは物語巧者の篠田節子の作である。恐怖小説を読むような息苦しさに満ち溢れているものの、読後感は爽快である。」と書いておられる。
物語は3篇から成る。裏表紙の言葉を借りれば、「あなたは、そこまでして私の人生を邪魔したかったのー。認知症の母を介護するために恋人と別れ、仕事のキャリアも諦めた直美(家守娘)。孤独死した父への悔恨に苛まれる頼子(ミッション)。糖尿病の母に腎臓を提供すべきか苦悩する慧子(ファーストレディ)。老親の呪縛から逃れるすべもなく、周囲からも当てにされ、一人重い現実と格闘する我慢強い長女たち」なのである。
我が母などは物語に登場する母親たちに比べれば可愛いものだけれど、あまりに身につまされる部分が多く、読み続けるのがしんどい部分も沢山。それでも止められなかった。
この本と前後して読売新聞で篠田節子さんの介護インタビューの記事を見た。篠田さんの作品はとても好きで、何作も拝読している。かねてより才色兼備でとても綺麗な方、天は二物を与えるものだなあと思っていたが、びっくりするほど歳を取られたアップの写真を拝見して、一瞬言葉を失った。どれだけ苦労されていたのだろう。
20年近く各種サービスを嫌がるお母様をご自身で介護されているという。だから、本作にはご自身の経験もあちこちに散りばめられているそうだ。長女たち(すなわち篠田さん)の言葉にならない胸中は、物語では微かな希望が見えた作りになっていただけれど、実際自分たちに当てはめたらそんなことはない、と仰っていたことにショックを受けた。
それにしてもこの国の少子高齢化は止まることなく進展していく。避けられない事実に背筋が冷たくなるのは私だけだろうか。
2冊目は知念実希人さんの「螺旋の手術室」(新潮文庫)。
知念さんは現役医師としての知見を活かしたミステリー作品を次々に発表し、圧倒的な支持を集める作家だというが、私は初めまして、の方である。
帯に「驚愕のどんでん返し。読書メーター読みたい本ランキング第1位。手術室での不可解な死。次々と殺される教授選の候補者たち。事件に秘められたある想いとは・・・。」とある。警察モノが好きだと以前書いたが、医療モノも負けず劣らず好きである。今では病院と切っても切れない仲になってしまったけれど、それだけに病院の様子も想像に難くないし、フィクションだと思って読めば、なんのことはなく、愉しめる。
裏表紙には「純正医科大学付属病院の教授選の候補だった冴木准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。2つの死の繋がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父の死に疑問を感じた主人公は、同じ医師として調査を始めるが・・・・『完全犯罪』に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー」とある。
読み始めたらあっという間に惹きこまれ、頁を繰る手が止まらなかった。これからの主人公兄妹の幸せを願わずにはいられない。
今日も相変わらず寒い。リビングはかろうじて20度あったけれど、今年初めて暖房をつけた。タートルネックのアンサンブルにタイツ。すっかり12月の服装で出勤する。
昨日まであんなに快調だったのにあっという間に便秘だ。お腹のモタモタ感で食欲はさっぱり。無理して詰め込むけれど、美味しさを全く感じない。ステロイドの所為で身体は寒いのに顔だけ火照っている。鬱陶しい。
土砂降りの冷たい雨の中を出勤。最高気温が12度(10月としては60年ぶりだそうだ!)というが、当然事務室にはまだ暖房は入らない。溜まったメールを処理し、会議の資料の準備をし・・・であっという間にお昼になる。低血糖予防にランチにはホットココアを頂く。午後のテレビ会議は長引き、がっくり。
とにかくあと1日、あと1日・・・である。
1冊目は篠田節子さんの「長女たち」(新潮文庫)。
単行本が出た時から、長女(かつ一人娘)である私は是非読みたいと思っていたので、文庫になって迷わず手に取った。帯には「認知症、介護離職、孤独な世話 恋人もキャリアも失った。母のせいでー圧倒的な現実の果てにほのかな希望がにじむ共感の話題作」とある。
徳川家広さんが解説で「篠田節子が『長女たち』というタイトルで言わんとしているのは、その家に最初に生まれた娘という意味ではなく、むしろしっかりしていて弱いものに優しい「お姉さん体質」の女性のことなのである。しっかり者で優しいからこそ、負担が集中して、苦しむことになる。それが今の日本の現実なのだ、。とはいえ、そこは物語巧者の篠田節子の作である。恐怖小説を読むような息苦しさに満ち溢れているものの、読後感は爽快である。」と書いておられる。
物語は3篇から成る。裏表紙の言葉を借りれば、「あなたは、そこまでして私の人生を邪魔したかったのー。認知症の母を介護するために恋人と別れ、仕事のキャリアも諦めた直美(家守娘)。孤独死した父への悔恨に苛まれる頼子(ミッション)。糖尿病の母に腎臓を提供すべきか苦悩する慧子(ファーストレディ)。老親の呪縛から逃れるすべもなく、周囲からも当てにされ、一人重い現実と格闘する我慢強い長女たち」なのである。
我が母などは物語に登場する母親たちに比べれば可愛いものだけれど、あまりに身につまされる部分が多く、読み続けるのがしんどい部分も沢山。それでも止められなかった。
この本と前後して読売新聞で篠田節子さんの介護インタビューの記事を見た。篠田さんの作品はとても好きで、何作も拝読している。かねてより才色兼備でとても綺麗な方、天は二物を与えるものだなあと思っていたが、びっくりするほど歳を取られたアップの写真を拝見して、一瞬言葉を失った。どれだけ苦労されていたのだろう。
20年近く各種サービスを嫌がるお母様をご自身で介護されているという。だから、本作にはご自身の経験もあちこちに散りばめられているそうだ。長女たち(すなわち篠田さん)の言葉にならない胸中は、物語では微かな希望が見えた作りになっていただけれど、実際自分たちに当てはめたらそんなことはない、と仰っていたことにショックを受けた。
それにしてもこの国の少子高齢化は止まることなく進展していく。避けられない事実に背筋が冷たくなるのは私だけだろうか。
2冊目は知念実希人さんの「螺旋の手術室」(新潮文庫)。
知念さんは現役医師としての知見を活かしたミステリー作品を次々に発表し、圧倒的な支持を集める作家だというが、私は初めまして、の方である。
帯に「驚愕のどんでん返し。読書メーター読みたい本ランキング第1位。手術室での不可解な死。次々と殺される教授選の候補者たち。事件に秘められたある想いとは・・・。」とある。警察モノが好きだと以前書いたが、医療モノも負けず劣らず好きである。今では病院と切っても切れない仲になってしまったけれど、それだけに病院の様子も想像に難くないし、フィクションだと思って読めば、なんのことはなく、愉しめる。
裏表紙には「純正医科大学付属病院の教授選の候補だった冴木准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。2つの死の繋がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父の死に疑問を感じた主人公は、同じ医師として調査を始めるが・・・・『完全犯罪』に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー」とある。
読み始めたらあっという間に惹きこまれ、頁を繰る手が止まらなかった。これからの主人公兄妹の幸せを願わずにはいられない。
今日も相変わらず寒い。リビングはかろうじて20度あったけれど、今年初めて暖房をつけた。タートルネックのアンサンブルにタイツ。すっかり12月の服装で出勤する。
昨日まであんなに快調だったのにあっという間に便秘だ。お腹のモタモタ感で食欲はさっぱり。無理して詰め込むけれど、美味しさを全く感じない。ステロイドの所為で身体は寒いのに顔だけ火照っている。鬱陶しい。
土砂降りの冷たい雨の中を出勤。最高気温が12度(10月としては60年ぶりだそうだ!)というが、当然事務室にはまだ暖房は入らない。溜まったメールを処理し、会議の資料の準備をし・・・であっという間にお昼になる。低血糖予防にランチにはホットココアを頂く。午後のテレビ会議は長引き、がっくり。
とにかくあと1日、あと1日・・・である。