一昨年の今と同じ時期。病気になって以来、初めて病気の公開勉強会に参加した。それがこの「かながわ乳がん市民フォーラム」だ。以前から神奈川乳癌治療研究会が行っていたネットの相談室はよく覗いていたのだが、フォーラムの開催はそこで知った。なんと主治医が講演をするということがわかり、これは行かなくては、と思い立った。
その時、体験者としてお話をされたのが、先日セミナーで再会を果たした美容ジャーナリストの山崎多賀子さんだった。ご夫妻で参加している方、帽子とマスクで参加している方(おそらく抗がん剤治療中だったのであろう)など、本当に沢山の方たちで満杯の大ホールを目の当たりにして、びっくりしたと同時にとても力づけられたのを覚えている。
前半の医師の教育講演と体験者の話の後、後半の医療関係者と体験者によるパネルディスカッション。これももうずっと形式が変わらないようだ。そして体験者として一度このパネラー等になると、翌年からはフォーラムの裏方に回って運営のお手伝いをすることになっているそうだ。一昨年は、あけぼの神奈川の代表の方が演壇に上がっていた。その年のテーマは「乳がん治療を乗り切るコツ~あなたの知恵、わたしの工夫~」だった。この頃、私はハーセプチンを始めて1カ月ほどで、まだ抗がん剤治療は行っていなかったので、それほどひどい副作用はなかったが、とても参考になった。
その少し前に乳がんが分かって手術を終えた高校時代の友人が参加していたので、終了後、彼女とお茶をした。会うのは実に卒業以来だったかもしれない。メールでのやりとりはしていたけれど、まさか高校を卒業して四半世紀以上経って同じ病気にかかり、こうした集まりで再会を果たすとは一体誰が予想できただろう。
このフォーラムに参加した後は会場近くで美味しいイタリアンを食べて、ホテルに泊まり、翌日は目の前の遊園地等で遊んで帰る、というのがそれ以来、我が家の夏休みの定番になっている。
昨年の教育講演は「 乳がんにおける放射線治療の役割」。体験者としては女性医療ジャーナリストの増田美加さんがお話をされた。後半のパネルディスカッションのテーマは「続・乳がん治療を乗り切るコツ~わたしを支えてくれた~忘れないあのひと言、あのでき事~」だった。 神奈川県立がんセンターの清水先生と、治療中の新聞記者・本田麻由美さんのお二人が司会進行をされたが、事前アンケートで出した私の言葉がレビューで取り上げられた。パネリストだったNPO法人HOPEプロジェクト理事長の桜井なおみさんのコメントは「やはり無知から来る(心ない)言葉が多い。そしてとてもナーバスになっているから必要以上に重く受け止めてしまう言葉も多い。だからこそ私たちが啓蒙しなくては」ということだった。それでもずっと悶々と消化できずに持っていた言葉をいったん自分の外に出して、客観的に取り上げてもらえたことはとても嬉しかった。嬉しくて忘れられない一言、が沢山出せればよかったのだけれど、哀しくて悔しくて忘れられない一言だったのが、ちょっと残念だった。
そして今年、3回目の参加。フォーラムとしては9回目だ。テーマは「“正しい治療”ってなに?」今年も主治医が「乳がん薬物治療の最近の話題」という演目で講演された。20分ほどで本当に盛り沢山な内容だった。体験談は「乳がんになっても自分らしく」。演者の川久保さんは、通っている病院でボランティアの活動中だそうだ。そう、どんな病気になっても、いきなり自分らしくなく生きることはできない。それどころかますます、自分らしく生きていくことが必要になるだろう。
何が正しい治療なのか・・・とても難しい問題だ。沢山の選択肢があり、最終的に自分で選択していかなければならない。けれど、昨年に引き続き司会をされた本田さんもおっしゃっていたとおり、これまで治療に際して選択を迫られるその時、その時で、いろいろな事情や自分の生き方など全て考え、悩み抜いた上で、その時に最良と思える選択をしてきた。それこそが一番正しい治療なのでは、に共感する。そして正しい治療をしていくためには患者側の努力も必要であり、主治医との良い関係を作っていくことで道は開ける、と強く思う。清水先生の「治療の選択は人生の選択と同じでは?」という最後の言葉にも重みがあった。
休憩時間にはいつもお世話になっている主治医や処置室の看護師さんお二人にもご挨拶できた。主治医といい看護師さんたちといい、土日もこうした勉強会や講演会に参加され、一体いつ休むのだろう・・・と本当に頭が下がる。
フォーラムが終わってからホテルにチェックイン。その後、夫と息子と合流した。息子が普段乗れない私鉄の終点まで乗り、夫がそれに付き合ってくれたのも毎年のこと。
今年も我が家の恒例の夏休みが終わった。
その時、体験者としてお話をされたのが、先日セミナーで再会を果たした美容ジャーナリストの山崎多賀子さんだった。ご夫妻で参加している方、帽子とマスクで参加している方(おそらく抗がん剤治療中だったのであろう)など、本当に沢山の方たちで満杯の大ホールを目の当たりにして、びっくりしたと同時にとても力づけられたのを覚えている。
前半の医師の教育講演と体験者の話の後、後半の医療関係者と体験者によるパネルディスカッション。これももうずっと形式が変わらないようだ。そして体験者として一度このパネラー等になると、翌年からはフォーラムの裏方に回って運営のお手伝いをすることになっているそうだ。一昨年は、あけぼの神奈川の代表の方が演壇に上がっていた。その年のテーマは「乳がん治療を乗り切るコツ~あなたの知恵、わたしの工夫~」だった。この頃、私はハーセプチンを始めて1カ月ほどで、まだ抗がん剤治療は行っていなかったので、それほどひどい副作用はなかったが、とても参考になった。
その少し前に乳がんが分かって手術を終えた高校時代の友人が参加していたので、終了後、彼女とお茶をした。会うのは実に卒業以来だったかもしれない。メールでのやりとりはしていたけれど、まさか高校を卒業して四半世紀以上経って同じ病気にかかり、こうした集まりで再会を果たすとは一体誰が予想できただろう。
このフォーラムに参加した後は会場近くで美味しいイタリアンを食べて、ホテルに泊まり、翌日は目の前の遊園地等で遊んで帰る、というのがそれ以来、我が家の夏休みの定番になっている。
昨年の教育講演は「 乳がんにおける放射線治療の役割」。体験者としては女性医療ジャーナリストの増田美加さんがお話をされた。後半のパネルディスカッションのテーマは「続・乳がん治療を乗り切るコツ~わたしを支えてくれた~忘れないあのひと言、あのでき事~」だった。 神奈川県立がんセンターの清水先生と、治療中の新聞記者・本田麻由美さんのお二人が司会進行をされたが、事前アンケートで出した私の言葉がレビューで取り上げられた。パネリストだったNPO法人HOPEプロジェクト理事長の桜井なおみさんのコメントは「やはり無知から来る(心ない)言葉が多い。そしてとてもナーバスになっているから必要以上に重く受け止めてしまう言葉も多い。だからこそ私たちが啓蒙しなくては」ということだった。それでもずっと悶々と消化できずに持っていた言葉をいったん自分の外に出して、客観的に取り上げてもらえたことはとても嬉しかった。嬉しくて忘れられない一言、が沢山出せればよかったのだけれど、哀しくて悔しくて忘れられない一言だったのが、ちょっと残念だった。
そして今年、3回目の参加。フォーラムとしては9回目だ。テーマは「“正しい治療”ってなに?」今年も主治医が「乳がん薬物治療の最近の話題」という演目で講演された。20分ほどで本当に盛り沢山な内容だった。体験談は「乳がんになっても自分らしく」。演者の川久保さんは、通っている病院でボランティアの活動中だそうだ。そう、どんな病気になっても、いきなり自分らしくなく生きることはできない。それどころかますます、自分らしく生きていくことが必要になるだろう。
何が正しい治療なのか・・・とても難しい問題だ。沢山の選択肢があり、最終的に自分で選択していかなければならない。けれど、昨年に引き続き司会をされた本田さんもおっしゃっていたとおり、これまで治療に際して選択を迫られるその時、その時で、いろいろな事情や自分の生き方など全て考え、悩み抜いた上で、その時に最良と思える選択をしてきた。それこそが一番正しい治療なのでは、に共感する。そして正しい治療をしていくためには患者側の努力も必要であり、主治医との良い関係を作っていくことで道は開ける、と強く思う。清水先生の「治療の選択は人生の選択と同じでは?」という最後の言葉にも重みがあった。
休憩時間にはいつもお世話になっている主治医や処置室の看護師さんお二人にもご挨拶できた。主治医といい看護師さんたちといい、土日もこうした勉強会や講演会に参加され、一体いつ休むのだろう・・・と本当に頭が下がる。
フォーラムが終わってからホテルにチェックイン。その後、夫と息子と合流した。息子が普段乗れない私鉄の終点まで乗り、夫がそれに付き合ってくれたのも毎年のこと。
今年も我が家の恒例の夏休みが終わった。