鉄道作業局 レプリカ乗車券

前回エントリーで国鉄が作成した帝國鉄道廰のレプリカ硬券を御紹介いたしましたが、同時に鉄道作業局時代のレプリカ券もございますので、御紹介いたしましょう。


   


桃色鉄道作業局地紋のA型券です。やはり、昭和47年の鉄道100年を記念して、国鉄東京印刷場で作成されたレプリカ券です。

「富士登山回遊乗車券」というこの券は企画乗車券の元祖のような券と思われますが、中央本線の飯田町駅から大月駅までの乗車券と、東海道本線(現・御殿場線)御殿場駅から新橋までの環状乗車券となっており、途中大月~御殿場間を富士登山で走破するものです。

「回遊乗車券」とは環状の乗車券である、という記述のサイトを見かけたことがありますが、ここでの回遊乗車券は企画乗車券の一種と考えられます。


この時代ですと尋常小学校ではひらがなではなくカタカナから教育をしたからでしょうか、ひらがなは一切なく、漢字とカタカナで券面が印刷されています。

そして、面白いことに運賃の表記が「賃金ハ掲示ヲ見ラルベシ」と記載されており、もしかすると季節によって運賃が変動していたのかもしれません。


   


地紋部分を拡大してみました。
鉄道作業局という文字を中心として、帝國鉄道廰のもの同様に紙幣のような文様が描かれています。


鉄道作業局は帝國鉄道廰の前身で、明治30年に逓信省鉄道局の現業部門が分離された時にできた部署で、鉄道局が監督行政のみを所管していたのに対し、鉄道作業局は現業部門全体を管理していました。

鉄道作業局は発足してから10年後の明治40年に、帝國鉄道廰に改組されています。

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