散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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タイムリーな新聞記事

2023-09-19 13:16:46 | 日記
2023年9月19日(火)

 先月の愛媛新聞(8月21日)にタイムリーな記事あり。「黒いアゲハ」の微妙な違いに目を奪われ、茫としている頭にたたみかけるように入ってきた。

 「『多様性』をわざわざ言葉にしなければならない人間社会に、かえって違和感を覚えますね。手塚さんがご存命なら、何て言いますかね。」
養老孟司
 おっしゃる通り。そのことが次のテーマにつながっていく。


Ω

ランタナに黒い蝶たち

2023-09-19 12:52:46 | 花鳥風月
2023年9月19日(火)
 裏庭のザクロの古木は、この暑さの中で早くも葉を落とし始めている。日中の暑さに圧倒されてぼんやり眺めていると、ハタ、ハタと小さな音を立てて一枚、二枚と落ちていく。風が起きればハラハラ落ちる。高い枝にはみっちり太った実が鈴なりだが、はじけるにはまだ少し早いようだ。
 落葉は寒さに向けた能動的な適応様式だが、いったい何に感応してこのような変化を起こすのだろう。日照時間か、それとも夜明け・日没のタイミングだろうか?
 夕方前庭に立ってみると、黒い大型の蝶が一つならず右往左往している。東側にオレンジ、西側にピンク、二株のランタナの花盛りが彼らを引き寄せているらしい。黒いからクロアゲハでは情けない、赤や白の斑入りの具合で種類は多彩、ひたすら感動的に黒光りしているのはカラスアゲハだと高校時代の悪友から教わった。
 その目で見ると、白い大きな斑入りのものと赤い模様のあるもの、少なくとも二種類混じっているようである。見上げるほどに育った酔芙蓉の桃色の花が夕暮れ間近を告げる中、カメラを手にこちらは地上を右往左往するが、もとより簡単に写ってはくれない。おまけにカメラの設定をシャッタースピード優先にすべきところ、いつも動かぬ草花ばかり撮っているから絞り優先、当然ながらどれもこれも痛ましく手ブレしている。
 臥薪嘗胆の決意をこめ、あえて掲げる失敗作。
 

 長い尾状突起に赤い斑紋、胴体は真っ黒であるところからしてオナガアゲハというものらしい。撮れなかった白い斑入りはモンキアゲハで、こちらは日本国内最大のアゲハとある。

 殺して標本にするような野蛮な魂胆とは当方無縁、恐れることなく写真に撮られてほしいのである。ミカン類の大好きなアゲハたちにとって、楽園ともいうべき故郷の庭。
Ω