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<上川 世界のHYOBAKUへ 半世紀の歩み>㊥ 作家の技術 町民が継ぐ

2025-01-31 | アイヌ民族関連

旭川報道部 鈴木誠 会員限定記事

北海道新聞 2025年1月30日 9:32

氷瀑まつり会場を見つめる和田丈広さん。製作を50年続けてきた(熊谷洸太撮影)

 層雲峡温泉氷瀑(ひょうばく)まつりの会場は上川管内上川町にある大雪山国立公園内の標高600メートルを超える渓谷。例年12月中旬に着手する製作作業は、約3千本の丸太で骨組みを造り、石狩川の水を霧状にかけ続ける。1時間もすればかかった水でジャンパーは凍り付く。渓谷を吹き抜ける風と極寒の中、町民の地道な作業がロングラン開催を支える。

 2023年に開湯100年を迎えた層雲峡温泉。高度経済成長の波に乗り、道内観光の拠点として団体客に対応する大型旅館中心に栄えたが、年末年始以外の冬は閑散期となっていた。

■少数で手作業

 秋に従業員を解雇し、翌春に再雇用する。「通年営業できなければ、層雲峡の発展はない」。ホテルや商店街関係者が危機感を抱いて1976年に始まった。

 まつり初期はホテル従業員らが会場づくりを担った。現在は層雲峡観光協会から委託された約10人が少数精鋭で取り組む。メンバーは50歳代以上が多い。農家や自然ガイドらのほか、今回からは地域おこし協力隊も加わった。自衛隊が協力するさっぽろ雪まつりの派手さはない。スコップなどを手に作業を1カ月以上、辛抱強く続ける。

 製作を50年続ける上川町の和田丈広さん(74)もその一人。「50年前は湯治客しかいなかった。海外客がこんなに増えることは想像できなかったし、これからもっと多くの国から訪れてほしい」と、やりがいを感じている。

■衝突乗り越え

 氷像製作の指揮は当初、日高管内新ひだか町にあるアイヌ民族の英雄「シャクシャイン像」の制作者で知られる造形作家、竹中敏洋さん=2002年に70歳で死去=が執った。冬に水をかけて凍らせる「造形樹氷」を研究。8回目まで氷像を直接造り、その技術は50回目を迎えてなお受け継がれている。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1117164/

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