Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Winter's Bone」

2010-12-05 10:32:17 | Movie
先週はずっと氷点下の気温で、外気は-8度、体感温度-15度とか。こんなんじゃ、外には出られないと思っていたのですが、日曜日には気温も上がり、1度とか2度とかになり、Koopzondag(お店が開いている日曜日、ふつうオランダは日曜はお店は閉まっています)なので、午後から街へ出かけました。路上にはまだ雪が残っており、溶けかけて、ところどころ滑りやすく、ちょっと危険でした。街では買い物もしたけれど、メインは映画でした。
映画のタイトルは「Winter's Bone(ウインターズ・ボーン)」。日本では、東京国際映画祭で上映になったようですが、広くでは未公開のようですね。サンダンス映画フェスティバルで最優秀映画賞等を受賞し、低予算ムービーながら、アカデミー賞に絡んでくるのではないかと、評判の高い映画です。私は、町山智浩氏がTBSラジオ「キラキラ」の中で紹介していたのを聞いて、関心を持ちました。
米国ミズーリ州の山間にあるOzark地域に住む人々に焦点を当てた映画で、そこの荒んだ感じの生活にまずびっくりします。主人公は17歳の女の子で、父親は失踪、母親は病気のため、幼い弟と妹の面倒を一人でみています。貧乏で、ほとんど食べるものもない生活、そこに父親を見つけないと、住んでいる家が没収されるということになり、なんとか父親を見つけようと、その地域の人たちに聞きまわっていきますが、そこはとても閉鎖的な集落で…。
陰鬱なトーンの映画ですが、社会背景などを考え見ていると、とても興味深いものがあります。掘っ立て小屋のような家、でもそこそこガラクタのようではあれ、物は多い生活。アメリカって、都市部は高層ビルなど華やかな部分も多く、また田舎も大きな家で裕福というイメージがあり、また貧しいのは黒人やヒスパニックというイメージですが、白人のコミュニティでこんなに荒れ果てた感じの場所があるのだということに、アメリカの抱えている問題を見る気がします。まあ、ドラッグの問題とも深くかかわっているのでしょうけれど。
オランダは国土が狭いし、山など、遮られる場所がないので、どこもかしこも見通された感じがあります。すごく貧困な集落は存在しないのではないかと思います。車でどこにでも数時間で行けますし。あらゆるところに目が行き届いてるという雰囲気です。反対に言えば、どこもかしこも似たような雰囲気で、大きな地域性があまりないように思います。あるお店もどこもだいたい同じですし。
映画の時期は冬なので、寒い冬にマッチする映画でした。観た後に、暖かい飲み物を飲んで、ほっとしたくなりました。
体調は変わらず。