Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Norwegian Wood」

2011-01-09 07:15:36 | Movie
話題の映画「Norwegian Wood(ノルウェイの森)」がオランダでも公開されたので、早速、観に行ってきました。
上映されているのは、少し小さめの映画館ばかりでした。観客も6割くらい入っているという感じでした。まあ昼間の上映だったので、こういう映画は多分夜の部のほうが観客数が多いかもしれませんね。
原作となった村上春樹の本を読んだのは、もう20年以上も前のこと、内容はすっかり忘れてしまっていて、都会で大学生活を送る主人公と、精神を患った恋人の住む人里離れた病院との対比がなんとなく印象に残っていました。ちょうど本の想定の赤と緑のように。私のかすかな記憶だと、その病院へ行くのに結構長い時間、林間バスに乗らなくてはいけなくて、そのバスには人がほとんど乗っておらず、林を抜けて走るバスの中にはビートルズの「Norwegian Wood」が小さく流れていたという記述があった気がするのですが、もしかしたら全然違うかもしれません。
でも、映画ではそんなシーンはなく、主人公と恋人は早足で歩いてばかりです。ところどころ、風景がとても美しく、ダイナミックなところがあって、日本なんだけど、なんか日本じゃないような感じがしました。なんか普遍的な心象風景のような。
監督は、トラン・アン・ユン。この監督が有名になった作品「青いパパイヤの香り」をこれもまた15年くらい前に映画館で見ており、特別な雰囲気が印象に残っています。雨が降っていて、家の中で、男と女。というシーンが「青いパパイヤの香り」の中でも執拗に繰り返されていたような気がします。
2時間を超える長めの映画でしたが、すっと引き込まれて、異世界の中に行ったような感じでした。ファンタジーでもなくSFでもなく、リアルワールドの話なのですが。
人として、大人として、ちゃんと引き受けて生きるということは、イデオロギーとは関係のないことなのだと思いました。
上映が終わったあと、映画館を去っていく女性が感想を聞かれて、「デプレッシブ」と言っているのが聞こえました。確かに、鬱々とした映画ではありますが、なんか見終わった後に、爽快感がありました。
体調は良好。

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