20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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Peace Cell Project ピースセルプロジェクト(イラク・クルド地区)

2022年10月22日 | Weblog
            

            

            

             

            

イラク・クルド地区のドホークを拠点に、難民・国内避難民支援+教育支援などを、ずっと続けていらっしゃる、日本人の「高遠菜穂子さん」。(写真、上から二番目。左に立っているモスグリーンのTシャツの方)
クルドに根付いて、周りの人たちと一緒に、子どもたちに向けた活動を続けていらっしゃる高遠さんの、生き生きした姿や、子どもたちに向ける熱い眼差しには、本当に感動します。

その高遠さんから、童心社の前社長、現在相談役をおやりになっている、田中正美さんに、送っていらした写真です。

高遠さんが「加藤さんにも送ってください」とおっしゃってくださったとかで、田中さん経由でいただきました。

イラクの子どもたちが、楽しそうな笑顔で、紙芝居を見てくれています。
以前も、Z00Mでの会に参加させていただきましたが、高遠さんのバイタリティと、子どもたちの熱い想いが、ビンビン伝わってきました。
子どもたちの笑顔に、勇気をいただきました。
ありがとうございました。

『いちばんはだれのしっぽ』(加藤純子・脚本・いとうみき・絵・童心社紙芝居)

下は、高遠さんがお書きになった文章です。

【しっぽのワークショップ】
130人の子どもたちが待つ幼稚園で、しっぽのワークショップを行いました!
モバイルライブラリーに乗り込み約40分(迷いに迷った)、目的地の幼稚園に到着。
まずモバイルライブラリーを見学。どんな車かな、どんな本があるかな?と紹介しました。犬の図鑑、猫の物語、虫、人、いろんな本をみて子供たちは喜んでくれました。
紙芝居を取り出し、「これは何だと思う?」と問いかけると、手をピシッと挙げた子供たちが言います。「テレビ!」「冷蔵庫!」「猫ー!!!」
紙芝居の扉をコンコンとノック。
ワクワクとドキドキと何かが飛び出してくるかも?!って恐ろしさで、口を覆って待っている姿がかわいらしい。
紙芝居では「いちばんはだれのしっぽ?」を実演。この道4年のベテラン読み聞かせ士のスージーさんが、巧みに声色を変えて多くの動物たちを演じます。
始まりは距離をもって並んで座っていた子どもたちですが、じりじりと近寄ってきます。ついにはスージーさんを囲んで、まるでどこかの劇場のような、すり鉢のような形になって紙芝居に没頭。
この紙芝居、途中でかばさんが子どもたちに向けてう〇ちを噴き出すんです。そのシーンで、子どもたちは鼻をつまみ、うえーって顔をしながら、くさいくさい、と言いました。本当は臭いなんて感じないはず。
子どもたちの想像力、表出は面白いですね。
紙芝居が終わると、振り返りをします。どんな動物が出てきた?と、体で表現してもらいます。これがまたかわいい、、、。そして、猫のしっぽをつけたまるで猫になったスタッフが登場。みんなも一緒ににゃんにゃん言ってくれます。でも子どもたちにはしっぽがないので、ニセモノだにゃん。
「しっぽがほしいかー?!」「ほしいーーーっっ!!」ということで、ひとりひとりに白タイツを切ったものを配り、自由にしっぽのがらを描いてもらいました。ボーダーやストライプ、水玉模様。色とりどりで個性的なしっぽが出来上がりました。
そしたらもうみんな猫!!たくさんの猫ちゃんがうごめきます。喧嘩を始めちゃっても、にゃーにゃー言ってて完全に猫。
数人で並んで、せーので振り返って、にゃー!!ポーズ。
猫になる。
猫の気持ちになってみるとか、猫のように行動してみるとか、猫ってどんなだっけ、と猫の心に寄り添うことで、猫になることができました。無意識でも。

紛争はどこにでもあります。社会的なものから、個人的なことまで、大小さまざま。どこかの国とどこかの国、どこかの県とどこかの県、上司と部下、お姉ちゃんと妹、彼氏と彼女、街で肩がぶつかったオラオラ兄ちゃん。
どこにでもある、当たり前にある紛争を解決するには、猫になる、というようなことが必要ですよね。相手はどんな気持ちなのかな、何を考えているんだろう、どんな状況で発された言葉かな?

自分じゃない誰かの立場に立って考えてみる、想像力、共感力が必要です。
そんなことを子供のうちから育む、しっぽのワークショップです。
アルバムに、今回のワークショップの写真を説明付きでたくさん載せています。ぜひ見てくださいね。
想像力、共感力を育むしっぽのワークショップをするPCPを、今後も応援、ご支援、よろしくお願いいたします。

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クルドという紛争地域で、今も、ずっとこうした活動を続けている、高遠さんの「紛争」に対する、思いにも胸を打たれます。
こうした問題意識の真ん中に、『いちばんはだれのしっぽ』の紙芝居を置いてくださったことに、心よりの感謝を申し上げます。

踏みにじられているクルドに、早く平等で平和な日々になって生きられる日々を。
そして、世界から、戦争がなくなり、子どもたちの未来が輝かしいものになって欲しいです。
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