西東三鬼の死地をめぐっての話を昨日書きました。それはある百科事典が
間違えたことを書いたから気付いたのであって、どこで亡くなったかが書かれ
ていなければなにも無かったでしょう。
このことが気になって、俳人の紹介の幾つかを見てみました。
三鬼の場合。
『輝ける俳人 明治編』(邑書林)⇒「三鬼は、~岡山県津山市に生れた。」
「(昭和三十七年)遺句集となるべき『変身』を生きて見たが、それから二ヶ月
足らずで世を去った。」
『俳文学大辞典』(角川学芸出版)⇒「岡山県津山生れ。」「(昭和)三七年四
月、遂に起きず。」
『現代俳句大事典』(三省堂)⇒「岡山県苫田郡(現、津山市)生まれ。」「六二
年、胃癌のため死去。」
この辞典、事典にはおのおの葉山に移転とか仮寓とかの記載はありますが、
死地として特定されたものではありません。
勿論、三鬼の項目に限りません、殆どの「紹介」のなかには生地は特定されて
いますが、死地を特定して書かれてはいないのです。「世間」の「有名人」への関
心は「どこで生まれての?」はあっても「死んだのはどこ?」は無い、あるいは薄い
ということでしょうか。