kaeruのつぶやき

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生地はあるが死地がない。

2013-04-03 21:17:00 | 葉山そして人

 西東三鬼の死地をめぐっての話を昨日書きました。それはある百科事典が

間違えたことを書いたから気付いたのであって、どこで亡くなったかが書かれ

ていなければなにも無かったでしょう。

 このことが気になって、俳人の紹介の幾つかを見てみました。

 三鬼の場合。

 『輝ける俳人 明治編』(邑書林)⇒「三鬼は、~岡山県津山市に生れた。」

「(昭和三十七年)遺句集となるべき『変身』を生きて見たが、それから二ヶ月

足らずで世を去った。」

 『俳文学大辞典』(角川学芸出版)⇒「岡山県津山生れ。」「(昭和)三七年四

月、遂に起きず。」

 『現代俳句大事典』(三省堂)⇒「岡山県苫田郡(現、津山市)生まれ。」「六二

年、胃癌のため死去。」

 この辞典、事典にはおのおの葉山に移転とか仮寓とかの記載はありますが、

死地として特定されたものではありません。

 

 勿論、三鬼の項目に限りません、殆どの「紹介」のなかには生地は特定されて

いますが、死地を特定して書かれてはいないのです。「世間」の「有名人」への関

心は「どこで生まれての?」はあっても「死んだのはどこ?」は無い、あるいは薄い

ということでしょうか。