ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

6月の山に咲く花 ~ 1.ミヤマキリシマ

2013-06-10 08:39:40 | 花日記

 二週間ほど山はもちろん、汗もかけない一「身」上の都合で自宅謹慎の日々を過ごしております。
昔の写真をアナログ、デジタル構わず引っ張り出して見ていた
ところ、他の月に比べて6月の山行は少ないことに気付きました。
 若い頃は夏山に備えて、毎週のボッカ訓練、岩登りトレーニングなどに励んでいます。現役職業人中も長い休みが取れず近くの山行が多く、定年退職後も雨のせいにして前後の5月、7月ほど遠出はしていません。
 それでも、この時期ならでは見られぬ花がたくさんあることに気付きました。しばらくは花を中心にした山の想い出をご覧ください。

唯一といっていい6月の遠出山行は1997年、ミヤマキリシマの「くじゅう連山」でした。95年に定年退職して、やっとこの時期にも遠方の山に行けるようになりました。東北地方も梅雨入りした6月9日、雨を覚悟で大阪南港発のフェリーに乗り、10日朝、別府港から大分道を走って10時前に標高1,100mの長者原に車を置きました。


林道から登山道に入ります。最初の登りから勾配がゆるむと、笹原の中にミヤマキリシマの可愛い花が少しずつ現れてきました。


硫黄山から押し出した溶岩で出来たような谷に降り、黄色のペンキ印が付けられた大きな岩を辿って行きます。
硫黄山と三俣山のコルにあたる「すがもり越」から北千里浜の砂原に下り、草付の急坂を「久住分れ」へ登って東へ。


石のゴロゴロした急斜面を登り、中岳との分岐で右へ折れて更に登り、一等三角点のある久住山頂上(1786.9m)に着きました。


山頂からの眺望。天狗ヶ城、中岳、稲星山、遠くに大船山。この時期にしては恵まれた展望を肴に、長者原で仕入れた缶ビールで乾杯して昼食(13:10~14:00)。


午後は火口湖の御池湖畔を通って、大きな岩の間をよじ登る豪快な道を中岳(1791m)へ。頂上からは、ミヤマキリシマでピンクに染まった平治岳(ひじだけ)から大船山に続く山並みが美しく望めました。稲星山のコルから法華院温泉に下る頃から雨が降り出し、次第に本降りになり傘をさして温泉に着きました(16:20)。


雨の音や大きなイビキで浅い眠りのうちに朝を迎えると、幸い雨は止んでいました。7時の朝食を大急ぎで済ませて7時半出発。〽四面山なる坊ヶツル…を抜けて、平治岳との分岐から右へ大船山を目指します。


1時間で見晴らしの利く五合目に着きました。三俣山の左肩に紫色の阿蘇山がくっきりと見えます。右手には雲海に浮かぶ由布岳、さらに北部の山々が。



急坂のジグザグを繰り返して火口壁の段原(だんばる)に登り着くと、思わず歓声を挙げる光景が待っていました。左には北大船山のピーク、正面には米窪の凹地を隔てて黒岳へのなだらかな稜線、右へ大船への道が続いています。その山肌の至る所がピンクの絨毯で覆われているのです。

大船山頂上(1787.1m)からの展望は期待以上でした。久住連山の眺めはもとより、南東の傾山、南の祖母山、南西の阿蘇五岳、北の英彦山、北東の由布岳、鶴見岳と九州の主な山が見渡せました。平治岳方面のピンクの稜線が鮮やかです。


北大船山から黒岳の稜線。遠く由布岳が見えます。


大戸越に下りました。前の山は平治岳。


最後のピーク・平治岳(1642.8m)へは一方通行の急坂の登りで、11時半に着いた頂上は人で埋まっていました。


船の時間も心配で5分で別の道を下りましたが、期待にたがわぬ展望でした。(左から久住、硫黄、三俣山)。大戸越で昼食後、2時間半ノンストップで歩いて少し疲れを感じる頃、長者原の広々とした風景の中に飛び出しました。

久住連山の四つの峰に登り、すばらしい展望と花に出会えて、最高に幸せだった二日間の山旅でした。