ササユリ 笹百合 ユリ科ユリ属
笹の中に生えていることが多く、葉がササに似ているので花が咲かないとなかなか見つけにくい花です。昔は西日本のどこの山でも良く見かけました。
しかし若い頃はあまり花に興味がなく、デジタル以前は今のようにやたら撮れませんでしたので、一番古い写真は笹ヶ岳で見たこの花です(1995.06.25)。滋賀県信楽にある笹ヶ岳は名前のようにササが多い山です。この時は笹百合を見に行ったのですが、「一日で僅か10輪ほど見ただけだ。ここにも乱獲が及んでいるのだろうか。淋しいことだ」と山日記に書いています。最近は地元の人の手で保護が進められているようですが、果たして花の数は増えているのでしょうか。
あまり人の行かない不遇の山で、思いがけずササユリが迎えてくれることがあります。
これは柳生の一体山のササユリ。大和高原の北端にあり標高595.1m。昼を近くの山で食べようと、急に思い立って行きました。草の生えた荒れた林道脇に数本咲いていました。藪漕ぎでの二等三角点の山頂に出ると、宝暦13年の銘がある役行者石像がひっそりと迎えてくれました。(2000.06.24)
蓑作山は近江八幡市の北西に位置する瓦屋寺山系の中心的な山。太郎坊山へ縦走した日は朝からの雨に濡れ、しかも人が通らないのか薄暗い林は蜘蛛の巣だらけ。その中で明るい色のササユリに出会うたびに、その清楚な美しさに救われる思いがしました。(2006.06.18)
都会から離れた交通不便な山では、まだまだたくさん咲いているようです。2003年6月、中国山地中央部の泉山(1209m)から星山(1030m)、櫃ヶ山(954m)へと縦走したときに、あちこちでササユリを見ました。これは二日目の6月20日、星山東口(登山口)付近の花です。
六田(吉野)から熊野本宮までの奥駆道の途中でも、6月にはあちこちでササユリに出会いました。これは終着地点の熊野が近くなった七越峠手前、その名もササユリ園地のササユリ。ただ先を急いでいたので、園地内の道を通り過ぎる間に数輪見ただけでした。(2005.06.12)
何年か前、近くでササユリの多い山があることを「あきゆきさん」のHPで教えて頂きました。山頂に巨石があり、若い頃にクライミングの真似事をしたりして遊んだ、河内の交野山です。
紅色の薄いササユリはヤマユリに似ていますが、ヤマユリには花に朱色の斑点が散りばめられているのが相違点です。(2011.06.11)
交野山から白旗池を経て北の国見山に行く途中で何ヶ所かササユリが自生しています。ここも地元の人の努力で次第に数を回復してきています。(2012.06.08)
更に近い地元の山では手軽に二上山で見られます。ここも残念ながら人の多いコースでは数が減ってきています。(2008.06.07)
これは山ではありませんが三輪山麓「三輪の杜」のササユリです。ササユリは三輪山をご神体とする大神神社と所縁の深い花で、十数年前から神域内に「ささゆり園」を作り保護育成されています(今年は6月20日まで公開中)。
大神神社周辺では摂社の狭井神社の鏡池周辺にも植栽されていますが、ここが一番たくさん見られるようです。昨年、三輪山に登拝した帰りに撮影しました。(2012.06.15)