ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

半夏生の二上山(2014.07.02)

2014-07-02 17:04:54 | 山日記

今日は夏至から数えて11日目。暦の上では「半夏生」で、農家ではこの日までに田植えを終える習わしがありました。
明日からはまた梅雨空に帰るというので、丸さん夫妻を誘って二上山へ行きました。

丸さん夫妻は初めての山なので、道の駅「ふたかみパーク當麻」から久しぶりにメインルートを歩きます。8時30分、今日の登山口・葛木二上神社に参拝。二宮金次郎さんの前を左へ歩いて、イノシシ除けの金網を開けて山道に入ります。

気温も湿度も高く、木の階段道をゆっくり登っても体中から汗が噴き出してきます。二上山駅からのコースと合流する地点で小休止して水分補給。

ここからは手摺もある急な道や、なだらかな道と変化もあって、快調に雄岳に着きました。

大津皇子墓所、頂上の葛木二上神社に参拝。少し先の山名板のある広場の木陰でコーヒータイム。

馬ノ背へ下って雌岳へ登る辺りはアジサイが満開でした。少し寄り道しながらカンカン照りの雌岳頂上へ。さすがにこの暑さで人影も少なく、長居は無用としばらく休んで岩屋峠に下ります。春のサザンカの赤い花に変わって、足元の緑の夏草にホタルブクロやオカトラノオの白い色が目立ちます。

平成10年(1998)の台風で倒れた千年杉(岩屋杉)のあった頃を懐かしみながら、岩屋へ行きました。
奈良時代の築造で、この岩屋で中将姫が当麻寺の当麻蔓陀羅を織ったという伝説が残されています。

岩屋の中に、思いがけず「ハンゲショウ」の見事な群落を見ることができました。

ドクダミ科の薬用植物ですが、葉の片面が白いので「カタシログサ」とも呼ばれました。この時期に咲くので「半夏生」の名が付いたとも、「半化粧」の意味だとも言われています。ともあれ、花は目立たない小さなもので葉が花弁の役割をしています。

美しい光景に満足して、岩屋峠から祐泉寺に下りました。途中の水場は上の二つは殆ど涸れていましたが、最後の右の谷から落ちる水は豊富でした。冷たい水で顔を洗い、思う存分喉を潤しました。

大池のカモたちは北へ帰ったようで姿は見えませんでしたが、アヒル君は手を叩くと喜んで池の反対側からやってきました。「はい、今日は忘れんとパンを持ってきたで…」

當麻山口神社に参拝して、傘堂を見て道の駅に帰る途中、中川酒造さんに寄りました。

お土産に「カップトウセン」を買って玄関をでると、見事なハンゲショウの大鉢がありました。見送ってくださったご主人から、今日が暦の「半夏生」と教えて頂きました。

道の駅に帰り「小麦餅」を買いました。「はげっしょ」餅ともいい、「7月初めに田植えを終えた肩休みに『田植えお疲れ様、今年も豊作でありますように』と願って、5月に採れた小麦をつぶして餅米と一緒に搗いた、喉越しさっぱりのお餅」という説明がついています。

ついでですが関西では半夏生にタコを食べる習慣がありますが、香川ではウドンを食べるそうです。今年3度目の二上山ですが、偶然にも半夏生の日に巡りあわせて記憶に残る日になることでしょう。