ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(70)法師山

2014-07-11 16:54:33 | 私の関西百山

70 法師山(1120m)<紀伊山地西部>
(ほうしやま) 紀伊続風土記に「山峰他峰よりすくれて其頂を顕すを似て名つくなり」と記されている。標高は同じ大塔山系の主峰である大塔山に僅か1.6m及ばないが、一等三角点の埋まる山頂からの展望は実に雄大だった。

2005年2月20日、千日山歩渉会11名で登った。紀伊半島中央部にある山までは遠く、宗小屋谷出合に3台の車が集結したときは、すでに11時を大きく廻っていた。ぐらぐら揺れる吊り橋を渡り、スギ植林の山腹道をジグザグに10分ほど登り、尾根に出る。シャクナゲの混じる自然林の中、道は何度か緩急を繰り返して高度を上げていく。1時間少しで顕著なピーク(932m)を越し、崩れかけた斜面を下る。

鞍部から登り返して急坂を登る。何度も同じような小さなコブに騙される。大塔山への縦走路分岐から最後の急登になる。岩混じりの急斜面を登り切ると、灌木帯を抜け出して広々と明るい山頂に飛び出した。

三角点のある頂上西側はコンクリート製の絶壁になっていて、下に電波反射板が設置されている。眺望は文字通り360度で期待を裏切らなかった。先着の地元の男性にお願いして、見える範囲の山の名前を教えて頂く。

すぐ近く真東に見える美しい双耳峰が大塔山である。その右手に大雲取山、烏帽子山から妙法山に続く那智の山々、大塔山の左には子ノ泊山。

そのまま左(北東)に目を移すと、笠捨、八経ヶ岳などの大峰山脈。手前にはゴンニャク山、野竹法師と変わった名前の山が並ぶ。北には果無山脈が横たわり、稜線の下を走る林道がはっきりと望める。

西側手前に百間山、その向こうに「乙女の寝姿」の半作嶺。その右に三森山、田辺湾近くに白く光る白浜空港。西から南へは潮岬、大島、熊野灘と続く海岸線が続いている。本当に見飽きない眺めだった。

山頂滞在一時間足らず、殆ど私たちで独占して勿体ないほどの絶景に別れを告げ、急いで元の道を下った。

<参考コースタイム>宗小屋橋11:28…尾根に出る11:40…P674m 12:05…P932m 12:50…法師山13:30~14:20…宗小屋橋15:55