今年の4月に開かれたザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションから、今日はヘンリー・バーガソンさんの作品 「Honey jar ハニージャー」という作品をご紹介します。
25個の限定版。 大きめのパーラータイプで、広い覗き口から両目で見ることができる万華鏡です。
数種類の木材のコンビネーションと、複雑な輪郭線をもつ木工デザインはバーガソンさん独特のスタイルですが、この作品も、どの角度から見ても面白いラインを持っています。
手前に映っているのは、定番の作品の数々です。
長さのある本体の傾きの角度も台の部分で調節ができるようになっています。
バーガソンさんは、エンジニアの職歴があり、万華鏡の機能性にもこだわりを持つ作家さんです。
この作品は、もともと、ニューヨークのフォークアートミュージアムを皮切りに、巡回展として各地で開催されたポーラ・ナーデルスターンさんの「万華鏡キルト展」で、併せて現代万華鏡の作品(5点のうちのひとつ)として出品するために製作された万華鏡です。
オブジェクトケースがとても大きくて、たっぷりと「ありとあらゆる(ご本人の説明)」オブジェクトが入っています。 タイトルが「はちみつ瓶」というのも、この太いガラス瓶のようなオブジェクトケースから名付けたのでしょう。
本体が大型の作品であるだけでなく、ダイナミックな映像展開は、いかにもバーガソンさんらしいと思いました。
もう1点、木工の万華鏡をご紹介します。 こちらはアーニー・ウェインステインさんの作品で、「Gemini ジェミニ」という作品です。
ジェミニとは双子という意味。 ふたつの同じような万華鏡を、一つのスタンドにスマートに取り付けたデザインです。
ひとつは2ミラーシステム12ポイントの映像が展開し、
もうひとつはテイパード4ミラーで、水平に筒状の映像が広がります。
(写真ではわかりにくいですが)
どちらの作家さんも木材という素材の美しさを、手作りで万華鏡の筒に生かし、木工作品としてのレベルの高い外観と、さまざまなミラーシステムから生み出される内部のアートを組み合わせた、個性的な万華鏡を創り上げています。
ガラスやビーズという、木材とは異種の素材をオブジェクトとするだけに、外観からは想像できない華やかさや大胆さが、中を覗いた瞬間に展開するのが面白いですね。