黒い漆に葡萄の実、葉、蔓がデザインされた万華鏡「シルクロードシリーズ」を、溝口好晴さんの「和の万華鏡展」で拝見しました。葡萄の実は貝がらを使った螺鈿で、一粒ずつ微妙に異なる色と光沢が美しく、また葉や蔓は銀で表現しています。そして白い美しい蓋を棗のように外すと、覗き口が現れます。良く磨かれた漆の光沢は、外の景色を映しこんでしまうほど。反射を抑えての写真が撮れませんでした。
日本の伝統工芸にあたらな技法を取り入れ、独自の「和の万華鏡」の世界を創りだす溝口さんは、各地のギャラリーで万華鏡展を開かれていますが、今回(明日13日まで)渋谷区、青山学院そばの「クールヴィルギャラリー」さんでの開催に伺うことができました。
モダンな和風の「置き庭」というインテリアで空間を演出するこのギャラリーはそんな溝口さんの万華鏡を飾るのにピッタリで、とても素敵でした。
ドライセルのオブジェクトは透明なものと半透明なものが組み合わされ、重なり合って陰影を生み出します。薄墨のような陰影と透明感のあるガラスオブジェクトが生み出す「和の万華鏡」ならではの映像です。