何時も持ち歩いている文庫本のブックカバーです 楽器の図柄に惹かれて買ったモノです 今その中に入っている本は「森のバロック 中沢新一著 講談社学術文庫」です
実はこの本 1992年10月に せりか書房から出された分厚くて高い単行本を持っているのですが 文庫本化されたのを知り すぐ買いました 文庫本化に際し 省略されている部分もあり 少々不満ではあるものの 持ちやすさは助かります この本は 私が最も影響を受けたと言える“南方熊楠”について書かれたものです 難しく読みにくい本なのですが南方熊楠関連の本の中では まだ読みやすい方だと思います
そんな本をカバンに入れ 東京の街をうろうろしておりました いわゆる物調です 物調とは「物件調査」の略 業界用語であります つまり情報のあった土地を見に行って調査する訳であります すると前方に“南方”という文字が目に入りました 大阪の“西中島南方”ならともかく ここは渋谷 よく見ると クマグスの森展 -南方熊楠の見た夢- とあり 渋谷区神宮前のワタリウム美術館でした そんなイベントがあるのをどこかで見た様な気もしますが 全くの偶然でした
●海外放浪から那智・田辺へ(・博物学への関心 ・海外へ開かれた眼 ・アメリカへ渡る ・フロリダ・キューバ大旅行 ・ロンドン時代 ・中央アジアへの夢 ・神島と昭和天皇 ・熊楠と家族)
●内的宇宙へ(・病の自覚 ・物 心 事 ・夢への関心 ・セクソロジー ・身体への関心 ・人肉食 ・民俗学ネットワーク ・神社合祀反対運動 ・南方マンダラ)
●森の生命の世界へ(・那智生態調査 ・粘菌と生命の不思議 ・キノコの魅力 ・隠花植物 ・広がる生物研究とエコロジー)
などなど 今まで本の中でしか知らなかった“南方熊楠”の膨大な資料を実際に目にして大満足でした 思えば17年前 南方熊楠の伝記「縛られた巨人 神坂次郎著 新潮文庫」を読んで以来 ずっと追いかけてきた熊楠 時間が無かったのでじっくり見ることは出来ませんでしたが 帰りに「南方熊楠の森」というCD-ROMのデータ付の本も買いましたので また楽しみが出来た次第であります