Banjo's Finger Picks by OLYMPUS-PEN・FT
あけましておめでとうございます
“NATURAL RHYTHM”このタイトルは1955年に録音された2枚のアルバム フレディー・グリーンの“MR.RHYTHM”とアル・コーンの“THE NATURAL SEVEN”を一枚のCDとして再発売された時のタイトルです この2枚のアルバムはほぼ同じメンバーで録音されたもの このスイング感を支えているのがリズムギターのフレディー・グリーンです
カウント・ベイシー・オーケストラのスイングするリズムを支え続けてきたフレディー・グリーンを知ったのは 子供の頃 親父がこの“MR.RHYTHM”のLPレコードを持っていて聞かせてくれたからです カウント・ベイシー楽団のリズム隊が“オール・アメリカン・リズム・セクション”と呼ばれていることを教えてもらい カッコイイと思いました
オール何々 ザ・何々という言い回しは その世界ではトップの人に与えられる称号であることは 教えられなくともイメージできるものです
the "All-American Rhythm Section" Freddie Green on rhythm guitar with Count Basie on piano, Jo Jones on drums, and Walter Page on bass.
そこで私の今年のテーマは “NATURAL RHYTHM”です
バンドにおけるリズム・ギターについてフレディー・グリーンはこう語って
います
I don't try to play those big concert chords.
I play just a couple of notes,sometimes just one,
but it sets the sound of the chord.
When you try to play those big chords,
it can make the whole band drag. -Freddie Green
俺は6弦とも使ったコードは弾かないね
俺は2つか3つの音 時には1音だけで演奏するよ
そこに大事な音があり (バンドに必要な)コードになってるんだ
あんたが全部の弦を弾いたら バンドは引きずられっちまうだろうよ
--フレディー・グリーン (雰囲気訳:橋長)
同じくスイングするギタリストのベッキー・ピザレリは
The minute you start hitting six strings at one time, the band stops.
-Bucky Pizzarelli (雰囲気訳:橋長)
あんたが6弦全部を一気に掻き鳴らした途端 バンドはストップしちまうよ
--ベッキー・ピザレリ
これは最近手に入れたギターの教則本“Rhythm Guitar the Ranger Doug Way”の中で引用されていました(英語版) どういうことかと言うと
リズム・ギターは リズムを刻むと同時に和音を出します 和音によって曲の表情を創っていく訳です ギターは6本の弦があります つまり同時に6種類の音を出すことが可能なのです たとえば基本的なGのコードは G(ソ)の音がオクターブ違いで3つ D(レ)の音は2つ弾くことになります(他はB1つ 又はD1つとB2つ) これは ソロでのパーフォーマンスではギターという楽器の特性を活かした演奏となります しかしバンドの中 つまり他の楽器とのアンサンブルを考えた場合は邪魔をする場合がある ということです ソロをとっているプレイヤーにとって不必要な和音を省略することによってソロプレイを際立たせるということのようです
違う楽器との共演 それぞれが目一杯に音を出したら? 考えれば解ること
なのですが ついついやってしまっている訳であります
他のプレイヤーにベストの音を出してもらう バンド全体としてのサウンド オーディエンスにはどう聞こえているか・・・
2002年から始めている大坂城慰問楽団“Daihanjyo Jug Band”の 次のステップに進む為の大きなテーマであります と同時にビジネスにも 生活にもあてはまることであります
会社をオーケストラに例えると私などはリズムセクションにあたるはずです 最前線で営業している社員はソロ・プレイヤー 彼らの進むべき方向を示しつつ 体を揺さぶる様なウキウキ出来る和音とリズムを刻む それも決して邪魔することのない厳選された最小の音で
“NATURAL RHYTHM”
ライフステージ楽団全員でのセッションは 今年も続いて行きます 良かったら掛け声を 悪かったらブーイングして下さい 自然体で心地よいパーフォーマンスを目指してまいりますのでご贔屓に